2025年05月13日

クルマを持つとどのくらいお金がかかる?維持や購入にかかる費用を解説

クルマを所有するにあたって、いくらくらいの費用がかかるのか気になる方は多いでしょう。クルマの購入費用のほか、維持するためにも費用がかかります。 ここでは、クルマを買うときにかかる費用や所有し続けていくときにかかる維持費の内訳を解説しています。クルマを購入するときの参考にしてみてください。

 



 


クルマの維持にかかる費用の内訳


まずはクルマを維持するためにかかる費用について解説します。税金、保険料、駐車場代、ガソリン代、車検費、メンテナンス費の6項目にわけて、内訳をみていきましょう。


税金


クルマを維持していくためにかかる税金は、「自動車税」と「自動車重量税」の2つです。


自動車税は、普通車と軽自動車で税額に違いがあります。普通車は、エンジン排気量や初年度登録年月によって異なり、2万5,000円から11万1,000円の税額となっています。軽自動車は、エンジン排気量が軽自動車の規格で決まっているため一律1万800円です。ただし、平成27年3月31日までに最初の新規検査(ナンバー取得)を受けた場合は、旧税額の7,200円が適用されます。


自動車重量税は、クルマの重量によって課税額が変わる税金です。普通車の場合は、0.5トンごとに4,100円、初年度登録年月から13年が経過すると0.5トンごとに5,700円、18年が経過すると0.5トンごとに6,300円になります。軽自動車は、重量税が一律です。軽自動車の継続検査時の2年間の重量税は6,600円となります。


保険料


自動車保険は、任意保険とも言われ、加入が義務ではありません。ただし、交通事故による損害賠償は、自賠責保険の補償額を大幅に超えるため、任意保険の加入をしておいた方がよいでしょう。


自動車保険の料金は、車種や年式、走行距離、契約者の年齢などによって金額が変わります。同じ条件でも保険会社ごとに金額に差が出る場合があるため、複数社でシミュレーションをしたうえで契約先を決めるとよいでしょう。


駐車場代


自宅の敷地内にクルマを停められない場合には、別途月極駐車場を契約する必要があります。また、賃貸のマンションやアパートに付いている駐車場を使う場合でも、家賃と別に使用料が発生することがほとんどです。


駐車場代は、地域や駐車方法(機械式立体駐車場や平置き駐車場など)によって異なります。保険と同様に、いくつかの駐車場の料金をチェックして比較するとよいでしょう。


ガソリン代


ガソリン代はクルマを使用するにあたって避けられない出費です。走行距離に応じて金額が変わるのはもちろん、クルマの燃焼効率によっても大きく変動します。燃料効率の高いクルマ、つまり低燃費のクルマだとガソリン代の出費を抑えられます。


車検


車検は、乗用車を新車で購入した場合、初回が3年後、以降2年ごとに受けなければならない検査です。中古乗用車を購入した場合、2年ごとに受けなければなりません。車検にかかる費用は、「車検基本料金」「点検・整備費用」「法定費用(重量税、自賠責保険、印紙代)」です。


メンテナンス費


メンテナンス費は、クルマの定期的な点検や整備にかかる費用です。クルマはパーツごとに寿命が異なり、車検時以外にもメンテナンスをすることで思わぬ故障やトラブルを防止できます。


クルマの維持費のシュミレーション例


【普通自動車の維持費
■試算条件
・エンジン排気量:1.5L
・車両重量:1.5t未満
・燃費:20.0km/L
・年間走行距離:1万km
・ガソリン単価:180円/L
■維持費
・年間維持費:15万3,150円
・月々:1万2,762円
(内訳)
・自動車税:3万500円/1年
・自動車重量税:1万5,000円/2年(継続検査)
・自賠責保険:1万7,650円/24ヶ月
・ガソリン代:9万円/1年


【軽自動車の維持費
■試算条件
・燃費:20.0km/L
・年間走行距離:1万km
・ガソリン単価:180円/L
■維持費
・年間維持費:12万4,940円
・月々:1万411円
(内訳)
軽自動車税:1万800円/1年
・軽自動車重量税:6,600円/2年(自家用継続検査)
・自賠責保険:1万7,540円/24ヶ月
・ガソリン代:9万円/1年


想定する走行距離も踏まえて、維持費を概算しましょう。


クルマの購入にかかる費用の内訳


クルマの購入にかかる費用には、車輌本体価格とオプション/付属品に加え、税金や手数料などの「諸経費」がかかります。ここでは、クルマの費用と諸経費の詳細を解説します。


車輌本体価格・オプション費用


クルマを買うときに大きな割合を占めるのは、車輌本体価格とオプションや付属品を合計した価格です。車輌にかかる費用は、一般的に年収の半額程度が妥当だと言われます。ただし、頭金の有無や金額、購入方法などによっては、年収の半額以上の車を購入することも可能です。


消費税


消費税は、車輌本体価格、オプションや付属品などの合計である車輌価格にかかります。2025年5月時点での消費税率は10%です。たとえば、車輌価格が500万円の場合、消費税が50万円となり、税込価格が550万円になります。


自賠責保険料


自賠責保険は、自動車損害賠償保障法によって加入が義務付けられている保険です。保険料は、クルマの種類と加入期間によって異なります。2025年5月時点における普通乗用車の自賠責保険料金は、37ヶ月で2万4,190円です。


自動車リサイクル費用


自動車リサイクル費用は、廃車時に必要な費用で、預託金として預け入れます。内訳は、「シュレッダーダスト料金」「エアバッグ類料金」「フロン類料金」「情報管理料金」「資金管理料金」の5つとなっており、金額は約7,000円~約2万円です。


手数料


手数料には、納車費用、検査登録代行手数料、車庫証明代行手数料などがあります。販売店によって費用は異なりますが、約2万~約5万円が相場です。


ただし、自分で車庫証明を取得したり、店舗まで車を引き取りにいったりすると、代行手数料がかからないため、手数料の節約ができます。


クルマの購入費のシュミレーション例


クルマの購入費で大きな割合を占める車輌費用は、「新車」か「中古車」か、どんな「ボディタイプ」かによって異なります。新車と中古車、ボディタイプごとの車輌本体価格やオプションや付属品の費用の目安は次の通りです。


【車輌本体価格】
■新車






































軽自動車



100万円~約200万円



セダン



150万円~約1,000万円



ワゴン



200万円~約500万円



コンパクトカー



120万円~約350万円



クーペ



250万円~約2,000万円以上



オープンカー



250万円~約1,500万円以上



ミニバン



200万円~約800万円



SUV



170万円~約1,000万円以上



■中古車






































軽自動車



170万円~約1,000万円以上



セダン



120万円~約1,000万円以上



ワゴン



150万円~約700万円以上



コンパクトカー



50万円~約500万円以上



クーペ



100万円~約1,000万円以上



オープンカー



100万円~約1,000万円以上



ミニバン



80万円~約800万円以上



SUV



50万円~約1,000万円以上



【オプション/付属品価格】






















ナビゲーション



5万円~約35万円



ETC車載器



6,000円~約5万円



フロアマット



15,000円~約10万円



バイザー



1万円~約2万円



どんなタイプの車に乗りたいか、どんなオプションを付けるかを考えながら予算を計算しましょう。


クルマの費用を節約するポイント


ここまでクルマを持つのにかかる費用について解説しました。これらの費用をうまく節約することで、クルマの維持にかかる経済的負担を大きく軽減することができます。具体的なポイントをおさえて、少しでもお得にクルマに乗りましょう。


免税や減税を受けられるクルマを選ぶ


クルマにかかる税金には、自動車税や自動車重量税があります。これらの税金を減らす方法として、環境に配慮したエコカーを選ぶことが効果的です。


環境性能の高いクルマは、エコカー減税の対象となり、税金の負担を大きく軽減できます。たとえば、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、一部のハイブリッド車(HV)では、自動車重量税が最大で100%免税になるケースもあります。また、自動車税についても、環境性能に応じた軽減措置があります。


国土交通省の資料によると、令和6年度のエコカー減税では、電気自動車やプラグインハイブリッド車、燃料電池自動車は自動車重量税が100%減税されます。また、一定の排出ガス性能と燃費性能を満たすガソリン車やハイブリッド車も、性能に応じて50%から75%の減税が適用されます。


参考:エコカー減税 (自動車重量税) の概要/国土交通省


このような減税措置を活用するためには、クルマを購入する際に環境性能を考慮することが重要です。初期投資は通常のガソリン車より高くなるケースが多いものの、長期的に見れば税金面での節約につながります。


燃費のよいクルマを選ぶ


クルマの維持費のなかで大きな割合を占めるのがガソリン代です。燃費のよいクルマを選ぶことで、長期的に見て大きな節約につながります。


近年、ハイブリッド車や電気自動車など、燃費性能の高いクルマが増えてきました。たとえば、ガソリン車の平均燃費が15km/Lほどであるのに対し、ハイブリッド車では20〜30km/L程度、電気自動車に至っては電費(1kWhあたりの走行距離)で考えると、さらに経済的です。


具体的な節約効果を計算してみましょう。年間走行距離を1万kmと仮定し、ガソリン価格を170円/Lとした場合、燃費が15km/Lのクルマでは年間約11万3,000円の燃料費がかかります。一方、燃費が25km/Lのクルマでは6万8,000円となり、年間で約4万5,000円の節約になります。10年使用すれば45万円もの差額が生まれるのです。


燃費のよいクルマを選ぶ際には、自分の使用状況に合ったタイプを選ぶことも重要です。主に市街地での使用が多い方はハイブリッド車が、長距離走行が多い方はディーゼル車が有利になるケースもあります。また、電気自動車は燃料費が大幅に抑えられますが、充電環境の整備が必要な点も考慮しましょう。


自動車保険を見直す


自動車保険は、契約内容によって保険料に大きな差が出ることがあります。


まず、自分のライフスタイルや運転状況に合わせた補償内容を選ぶことが重要です。たとえば、年間走行距離が少ない場合は、走行距離に応じて保険料が決まるタイプの保険を選ぶと節約になります。また、運転者の年齢条件や使用目的を適切に設定することでも、保険料を抑えられます。


保険会社によって保険料や特約内容が異なるため、複数の保険会社から見積もりを取って比較することも効果的です。インターネット上の一括見積もりサービスを利用すれば、簡単に複数の保険会社の見積もりを比較できます。


ただし、保険料を抑えるあまり必要な補償を削ってしまうと、事故時に大きな負担が発生するリスクがあります。自分に必要な補償は何かをしっかり考えた上で、バランスの取れた見直しを行いましょう。


金利の低いローンを組む


クルマを購入する際、多くの方はローンを利用します。このローンの金利を少しでも低く抑えることで、返済総額を大きく節約できます。


一般的に、ディーラーで提供されるローンよりも、銀行やクレジットカード会社のマイカーローンの方が金利が低いケースが多いです。たとえば、ディーラーローンの金利が年3.5%であるのに対し、銀行のマイカーローンでは年1.9%程度で利用できることもあります。


具体的な節約効果を見てみましょう。300万円のクルマを5年ローンで購入する場合、年利3.5%のディーラーローンでは総返済額が約327万円になります。一方、年利1.9%のローンでは約316万円となり、約11万円の節約につながります。


ローンを組む際のポイントとしては、以下の点に注意しましょう。


1.複数の金融機関の金利を比較する
2.ボーナス払いの設定を必要最小限にする(金利負担が増える場合がある)
3.自分の返済能力に合った返済期間を選ぶ
4.繰り上げ返済が可能かどうかを確認する


また、近年はインターネットバンキングを通じて申し込めるローンも増えており、来店不要で手続きができるものもあります。さまざまな選択肢を比較検討し、最も条件の良いローンを選びましょう。


安い駐車場を見つける


都市部に住んでいる方にとって、駐車場代はクルマの維持費の中でも大きな割合を占めます。特に東京や大阪などの大都市では、月額2万〜5万円もの駐車場代がかかることも珍しくありません。この駐車場代を見直すことで、大きな節約効果が期待できます。


まず、現在の駐車場から少し離れた場所に安い駐車場がないか探してみましょう。駅から5分程度歩く距離が増えるだけで、月額1万円以上安くなるケースもあります。年間で12万円以上の節約になります。


また、マンションの場合、管理会社が提供する駐車場だけでなく、近隣の月極駐車場も検討する価値があります。マンションの駐車場は便利である反面、相場よりも高めに設定されていることがあります。


車検の依頼先を見直す


2年に一度の車検は、クルマを合法的に走らせ続けるために必要な法定点検です。この車検にかかる費用は、依頼先によって大きく異なります。適切な依頼先を選ぶことで、車検費用を抑えることができます。


一般的に、ディーラーでの車検は料金が高めに設定されています。同じ内容の車検でも、民間の車検専門店や整備工場では2万〜5万円程度安くなることが多いです。国土交通省の調査によると、普通乗用車の車検費用の平均は、ディーラーで約10万〜約15万円、車検専門店で約5万〜約10万円です。


車検費用を抑えるポイントとしては、以下のが挙げられます。


1.複数の業者から見積もりを取り、比較する
2.インターネット予約割引などの特典を活用する
3.必要最小限の整備のみを依頼する(安全に関わる部分は除く)
4.ユーザー車検を検討する(自分で車検場に持ち込む方法)


特にユーザー車検は、手続きを自分で行うことで、工賃部分が大幅に節約できます。ただし、事前に必要な整備は自己責任で行う必要があり、知識や経験が求められる点に注意が必要です。


また、車検と同時に行う点検整備の内容も重要です。安全に関わる部分は確実に整備する必要がありますが、消耗品の交換などは実際の状態を見て判断することで、不必要な出費を抑えることができます。


定期的にクルマをメンテナンスする


クルマは定期的なメンテナンスを行うことで、大きな故障を未然に防ぎ、結果的に修理費用を節約することができます。また、適切なメンテナンスは燃費の維持にも効果的です。


まず、オイル交換は定期的に行うことが重要です。エンジンオイルが劣化すると、エンジンの摩耗が進み、燃費が悪化します。一般的に、ガソリン車では5,000km〜7,500kmごと、ディーゼル車では5,000kmごとのオイル交換が推奨されています。


また、エアフィルターの清掃や交換も重要です。目詰まりしたエアフィルターは、エンジンの燃焼効率を下げ、燃費悪化の原因となります。1万5,000km〜3万kmごとに交換することが推奨されています。


これらの基本的なメンテナンスは、ディーラーだけでなく、カー用品店や整備工場でも低コストで実施できます。特にオイル交換などの基本的な作業は、自分で行うことも可能です。必要な工具と知識を身につければ、工賃分を節約できます。


定期的なメンテナンスを怠ると、小さな問題が大きな故障につながり、高額な修理費が発生するリスクがあります。たとえば、タイミングベルトの交換時期を大幅に超過すると、ベルトが切れた場合にエンジンが大破する恐れもあります。適切なタイミングでの予防整備は、結果的に大きな節約につながるのです。


まとめ


クルマを持つとどのくらいお金がかかるのか、維持費と購入費の内訳を詳しく解説しました。


維持費は税金(自動車税・重量税)、保険料、駐車場代、ガソリン代、車検費、メンテナンス費の6項目から構成されます。購入費は車両本体価格とオプション費用に加え、消費税、自賠責保険料、リサイクル費用、手数料などの諸経費が必要です。


維持費も購入費も大きな出費になりますが、エコカー減税の活用や燃費のよいクルマ選び、保険の見直し、低金利ローンの利用、安い駐車場の選択などにより、節約できる可能性があります。クルマを持つのに金銭的負担がご不安な方は、今回紹介したポイントを参考にして、ぜひ自分にあったクルマの購入を検討してみてください。

外車王編集部

執筆者: 外車王編集部


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