2025年06月11日

中古車は年式と走行距離、どっちが大事?クルマ選びに失敗しないポイントを解説

中古車を選ぶときに注目したいのが「年式」と「走行距離」です。年式や走行距離は、売却額に直結する重要な項目でもあります。それでは、中古車を購入するときに「年式」と「走行距離」のどちらを重視すればよいのでしょうか。 この記事では、年式と走行距離それぞれの重要性を詳しく解説し、あなたのライフスタイルや価値観に合った中古車選びのポイントを解説します。


中古車を買うとき年式と走行距離のどっちが重要?


中古車選びにおいて年式と走行距離のどちらが重要かは、購入者の価値観と使用目的によって大きく異なります。この2つの要素は、それぞれ異なる側面からクルマの価値と将来性を示しているためです。


年式は主にクルマの技術的な新しさを表します。新しい年式のクルマほど最新の安全装備や燃費性能、快適装備が搭載されており、法規制への適合性も高くなっています。たとえば、自動ブレーキシステムや衝突回避支援システムなどの先進安全技術は、比較的新しい年式のクルマに搭載されている傾向があります。また、排ガス規制や燃費基準なども年々厳しくなっているため、新しい年式のクルマの方が環境性能に優れていることが一般的です。


一方、走行距離はクルマの物理的な使用状況を示す指標です。走行距離が少ないクルマは、エンジンやトランスミッション、ブレーキシステムなどの主要部品の摩耗が少なく、機械的な信頼性が高い傾向にあります。一般的に、年間走行距離の目安は1万kmとされており、この基準を大きく下回るクルマは「低走行車」として高く評価されることが多くなります。


重要なのは、年式と走行距離のバランスを総合的に判断することです。極端に古い年式であっても走行距離が異常に少ない場合は、長期間放置されていた可能性があり、ゴム部品の劣化やバッテリーの不具合などの問題が潜んでいる場合があります。逆に、比較的新しい年式でも走行距離が極端に多い場合は、過酷な使用環境で使われていた可能性が高く、予想以上に劣化が進んでいるかもしれません。


最新機能・性能にこだわる方は年式を要チェック


最新の技術や機能を重視する方にとって、年式は中古車選びの重要な判断ポイントです。自動車業界は技術革新のスピードが非常に速く、わずか数年の違いでも搭載される装備や性能に大きな差が生まれます。


近年特に注目されているのが先進安全技術の進歩です。自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)、車線逸脱警報、アダプティブクルーズコントロール、ブラインドスポットモニターなどの機能は、近年大幅に普及が進みました。これらの機能は事故リスクを大幅に低減する効果があり、保険料の割引対象となる場合もあります。家族の安全を最優先に考える方や、長距離運転を頻繁に行う方にとって、これらの機能が搭載された新しい年式のクルマは大きなメリットをもたらすでしょう。


燃費性能も年式による差が顕著に現れる点です。環境規制の強化と技術革新により、同じ車種でも年式が新しいモデルのほうが燃費性能に優れていることが一般的です。特にハイブリッド技術の進歩は目覚ましく、初期のハイブリッドカーと最新モデルでは燃費性能に2倍以上の差が生じる場合もあります。燃料費を重視する方や環境への配慮を重要視する方にとって、新しい年式のクルマは長期的な経済性の面でも魅力的な選択肢です。


また、インフォテインメントシステムの進化も見逃せません。スマートフォン連携機能、ナビゲーションシステムの精度向上、音響システムの高音質化など、快適性を向上させる機能は年々進歩しています。これらの機能を重視する方にとって、年式の新しさはクルマを所有する満足度に直結する重要な要素といえるでしょう。


車輌のコンディションを重視する方は走行距離を要チェック


クルマとしてのコンデションの良し悪しを重視する方にとって、走行距離は中古車選びにおける重要なチェックポイントです。走行距離はクルマの「実使用時間」を表す客観的な指標であり、主要部品の摩耗状況や将来的な故障リスクを予測するうえで欠かせない情報といえます。


エンジンの状態は走行距離と密接な関係があります。一般的に、エンジンの主要部品であるピストンリング、バルブ、カムシャフトなどは走行とともに徐々に摩耗していきます。走行距離が少ないクルマは、これらの部品の摩耗が少なく、エンジンの圧縮比や出力性能が新車時に近い状態を保っている可能性が高いです。特に高性能エンジンや輸入車のエンジンは、走行距離による性能低下が顕著に現れることがあるため、走行距離の少なさは大きなアドバンテージとなります。


トランスミッションの状態も走行距離に大きく左右されます。走行とともにトランスミッション油の劣化や内部部品の摩耗が進行します。走行距離が多いクルマでは、変速ショックの増大や変速タイミングの遅れなどの症状が現れることがあります。


サスペンションシステムも走行距離による影響を受けやすい部分です。ショックアブソーバーやスプリング、ブッシュ類は走行による振動や荷重を常に受け続けるため、走行距離が多いクルマでは乗り心地の悪化や操縦安定性の低下が生じます。特に悪路走行が多かったクルマや重い荷物を頻繁に運んでいたクルマは、走行距離以上にサスペンションへのダメージが蓄積している可能性があります。


ブレーキシステムの摩耗状況も走行距離と関連性の高い要素です。ブレーキパッドやブレーキディスクは走行距離とブレーキ使用頻度に応じて摩耗していきます。走行距離が少ないクルマは、これらの部品の残量が多く、購入後すぐに高額な部品交換が必要になるリスクが低いでしょう。


 



年式別の中古車の特徴


ここまで中古車の年式と走行距離の関係性や、チェックポイントについて解説してきました。ここでは、より具体的に年式ごとにクルマの特徴を確認していきましょう。


3年落ち


3年落ちの中古車は、初回車検を迎える前後のタイミングで売却されていることが多く、比較的良好なコンディションを保っています。


3年前の技術は現在でも十分に実用的であり、主要な安全装備や快適装備はほぼ現行モデルと同等です。特に2021年以降のモデルであれば、自動ブレーキシステムは大半のクルマに標準装備されており、安全性能の面で大きな劣りはありません。


価格面でのメリットも大きく、新車価格から30〜40%程度安く購入できます。この価格差は、新車の値下がり分と初期減価償却によるものであり、実用性を考慮すると非常にコストパフォーマンスの高い選択肢といえるでしょう。


メンテナンス面では、まだメーカー保証が残っている場合もあり、重大な故障のリスクは低いと考えられます。ただし、バッテリーやタイヤなどの消耗品は交換時期を迎えている可能性があるため、購入時には状態をしっかりと確認する必要があります。


5年落ち


5年落ちの中古車の多くは、1回目の車検を終え、2回目の車検を迎える前後のタイミングで市場に出回っています。


5年前のモデルでも、基本的な安全装備や燃費性能は現在の基準から大きく劣ることはありません。ただし、最新の先進安全技術や快適装備については、現行モデルとの差が顕著に現れ始める時期でもあります。たとえば、インフォテインメントシステムの操作性や音響システムの質、細かな安全機能などで違いを感じることがあるかもしれません。


価格面では新車価格から50〜60%程度の価格で購入できることが多く、予算を抑えながらも実用的なクルマを求める方にとって魅力的な選択肢です。また、この年式のクルマは市場に多く流通しているため、選択肢が豊富で希望に合った条件のクルマを見つけやすいという利点もあります。


メンテナンス面では、メーカー保証は終了していることがほとんどですが、適切にメンテナンスされていれば大きな故障のリスクはまだ低い時期です。ただし、エアコンフィルターやブレーキフルード、エンジンオイルなどの定期交換部品については、交換履歴をしっかりと確認しておきましょう。


7年落ち


7年落ちの中古車は、手頃な価格で手に入れられる場合が多いです。新車価格から60〜70%程度安く購入できることが多く、予算を重視する方にとって魅力的な選択肢でしょう。


ただし、機能や性能面において現行モデルとの差が明確に現れ始める時期です。特にインフォテインメントシステムやナビゲーション機能、スマートフォン連携機能などでは大きな差を感じることがあります。また、燃費性能についても、同じ車種の現行モデルと比較すると劣る場合が多くなります。しかし、基本的な走行性能や安全性能については、適切にメンテナンスされていれば問題なく使用できるレベルです。


7年落ちの中古車を選ぶ際に最も重要なのは、これまでのメンテナンス状況の確認です。7年間の使用により、エンジンオイルやブレーキフルード、冷却水などの交換が複数回必要になっている可能性が高く、これらが適切に実施されているかどうかが将来的な信頼性に大きく影響します。


また、タイミングベルトやウォーターポンプなどの重要部品の交換時期を迎えている場合もあるため、購入前にこれらの部品の状態や交換履歴を詳しく確認する必要があります。適切にメンテナンスされた7年落ちのクルマであれば、まだ数年間は安心して使用できる可能性が高いといえるでしょう。


走行距離別の中古車の特徴


年式別のクルマの特徴を解説しましたが、走行距離の差はどのように影響するのでしょうか。3万km、5万km、10万km、それぞれの中古車の特徴を解説します。


3万km


走行距離3万kmのクルマは、中古車市場において「低走行車」として高く評価されます。一般的な年間走行距離1万kmを基準とすると、約3年程度の使用に相当し、機械的な摩耗が非常に少ない状態を保っている可能性が高いといえます。


エンジンの状態は新車時に近い性能を維持していることが期待できます。3万km程度の走行距離であれば、エンジン内部の主要部品であるピストンリングやバルブ、カムシャフトなどの摩耗は最小限に抑えられており、エンジンの圧縮比や出力性能は設計値に近い状態を保っています。また、エンジンオイルの定期交換さえ適切に行われていれば、内部の汚れや劣化も少なく、今後も長期間にわたって安定した性能を発揮できる可能性が高いでしょう。


ただし、3万kmという低走行距離には注意すべき点もあります。使用頻度が極端に少なかった場合、エンジンが十分に暖まらない短距離走行が多かった可能性があり、この場合はエンジン内部に水分や未燃焼ガスが蓄積している恐れがあります。また、長期間使用されずに放置されていた場合は、ゴム部品の劣化やバッテリーの劣化が進んでいる可能性もあるため、走行距離だけでなく使用状況も合わせて確認することが重要です。


5万km


走行距離5万kmのクルマは、実用性と信頼性のバランスが取れています。一般的な使用パターンに基づくと約5年程度の使用に相当し、適切にメンテナンスされていれば良好なコンディションを保っていることが期待できます。


エンジンの状態については、5万km程度の走行であれば主要部品の摩耗は許容範囲内に収まっています。特に高速道路での走行が多かったクルマの場合、エンジンにとって良好な運転条件で使用されているため、同じ走行距離でも市街地走行が多かったクルマよりもエンジンの状態がよい場合があります。


ブレーキシステムについては、5万km程度でブレーキパッドの交換時期を迎えている可能性があります。ブレーキパッドの寿命は使用条件によって大きく異なりますが、一般的には3〜5万kmで交換が必要な場合が多いため、購入前にブレーキパッドの残量や交換履歴を確認しておきましょう。


サスペンションシステムについても、5万km程度の使用であればまだ大きな問題は発生していないことが多いものの、ショックアブソーバーの減衰力低下やブッシュ類の劣化が始まっている可能性があります。試乗時に乗り心地や操縦安定性に問題がないか、しっかりと確認することが大切です。


10万km


走行距離10万kmのクルマを買う際には、慎重な判断が求められます。従来「10年10万km」がクルマの寿命の目安とされてきましたが、現在の技術水準では適切にメンテナンスされていれば10万km以降も長期間使用できるクルマが多くなっています。


エンジンについては、部品の摩耗が顕著に現れ始める時期です。特にタイミングベルト式エンジンの場合、多くのメーカーが10万km前後でのタイミングベルト交換を推奨しているため、交換が実施されているかどうかが重要なチェックポイントとなります。タイミングベルトが切れると深刻なエンジン損傷を招く可能性があるため、未交換の場合は購入後すぐに交換が必要です。


ウォーターポンプやサーモスタット、各種ベルト類なども10万km前後で交換時期を迎える部品が多く、これらの交換履歴や現在の状態を詳しく確認しましょう。トランスミッションについても、10万km程度でオートマチックトランスミッション油の交換や、場合によってはトランスミッション本体のオーバーホールが必要になることがあります。変速時の違和感や異音がないか、試乗時に慎重にチェックしましょう。


ただし、10kmを超えたクルマでも、これまでのメンテナンス状況が良好で、必要な部品交換が適切に実施されていれば、まだ数年間は安心して使用できる場合が多いといえます。価格面でのメリットも大きいため、メンテナンス履歴をしっかりと確認したうえで検討する価値のある選択肢といえるでしょう。


中古車の購入時にチェックしたいポイント


中古車の購入時にチェックしたいポイント


年式、走行距離以外にも中古車の購入時にチェックしておきたいポイントがいくつかあります。ここでの項目を参考に、後悔のないクルマ選びを行いましょう。


車のメンテナンス状態は、中古車購入時に確認すべきポイントです。車は定期的に部品を交換したり、オイルの補充をしたりすることで、良好なコンディションを維持できます。中古車を購入するときは、記録簿に記載されている点検記録を確認して、メンテナンス状態を把握しておきましょう。


メンテナンスの状態


クルマのメンテナンス状態は、中古車購入時に確認すべきポイントです。クルマは定期的に部品を交換したり、オイルの補充をしたりすることで、良好なコンディションを維持できます。中古車を購入するときは、記録簿に記載されている点検記録を確認して、メンテナンス状態を把握しておきましょう。


販売店の信頼度


中古車の購入は、中古車販売業者の信頼度も大切です。良好な車輌であっても、納車整備やアフターサービスといったサポート体制が整っていないところで購入すると、点検や不具合などが起きたときに対応してくれない可能性があります。中古車販売業者を選ぶときは、万が一のときの対応や車の整備環境が整っているか確認しましょう。


定期点検整備記録簿の内容


定期点検整備記録簿は、法定12ヶ月・24ヶ月点検の記録をするメンテナンスノートです。記録簿は、指定工場や認証工場でなければ発行できません。整備内容だけでなく、どこの指定または認証工場が行ったのか確認しましょう。


まとめ


中古車選びにおける年式と走行距離の重要性について詳しく解説してきましたが、どちらを重視すべきかは購入者の価値観と使用目的によって決まります。最新の安全装備や燃費性能を重視する方は年式を、コンデションと長期使用を重視する方は走行距離を判断基準としましょう。


ただし、どちらかに偏ってチェックするのではなく年式と走行距離のバランスを総合的に判断するのがベストです。加えて、メンテナンス状況や販売店の信頼度にもしっかり着目することで、後悔なく中古車を購入できるでしょう。

外車王編集部

執筆者: 外車王編集部


輸入車において総合的にサービス展開する外車王の知見を活かし、中古車の購入やお乗り換え、売却に関わる様々なノウハウをプロの視点でお届けしています。

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