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更新2022.11.05

レストモッドは正義なのか?避けて通れない「7つの大罪」とは

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Mt.T

「レストモッド」という言葉聞いたことありますか?


聞いたことはあるけれど、意味はよくわからない、聞いたことがない・・・という方に向けてちょっと説明しておきましょう。


■「レストモッド(restmod)」とは?



「レストモッド(restmod)」とは、「レストア」と「モディファイ」が合わせた言葉です。つまり「レストアしてモディファイする」ということですね。旧車のボディーをレストアしたうえで、現在の新車と同等レベルの走行性能を与えてあげる。これがレストモッドが意味するところです。


例えば1969年のシボレーカマロ、ボディーには錆などもあり、フレームにも腐食が見受けられます。普通にドライブするには問題ないですが、やはり現代の新車と比べるとブレーキ性能やサスペンションには劣るところがあります。50年前の技術ですから、それは差があって当然のことです。このクルマをレストモッドにしようとすると、まず行うのはボディーのレストア。フレームも外してボディーの錆なども鉄板で溶接し、新車同様のボディコンディションまで仕上げていきます。このレストアに重きを置くのがレストモッドの特徴です。


レストアが終わったら、ブレーキ性能を上げるために、ドラムブレーキからディスクブレーキに変更し、十分な制動力を確保するためディスクサイズが収まるようなホイールにインチアップ。タイヤも安全に配慮した性能の良いものを入れておきたいですね。そして、エンジンも必要に応じてインジェクション化したり、新しいものに載せ替えたり、サスペンションもコイルオーバーを入れるなどして乗りやすさ、安全性を高めるモディファイを加えていきます。これが、レストモッドのいじり方になります。


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■「プロツーリング(pro touring)」とレストモッドの違いは?



さて、レストモッドの解説が終わったところで、ちょっとアメ車とか好きな方なら聞いたことがあると思いますが「プロツーリング(pro touring)」なんて言葉をご存知でしょうか。


これがまた、レストモッドとどう違うのか、ちょっとわかりにくいところです。基本的にはクルマをみてもそれがレストモッドなのか、プロツーリングなのか一見しただけではわからないことも多いです。


プロツーリングもボディーのレストアを行います。そして、性能のアップを図ることを目指すのですが、この性能アップのレベルがレストモッドとは異なるのです。レストモッドでは日常使いにおいて、現代の新車レベルの安全快適な走行性能を手に入れることが主な目的でしたが、プロツーリングはそこが違います。


プロツーリングが目指すのは、クローズドな環境、つまりサーキットなどで行われる走行においても十分な性能を発揮できることが目標になるのです。レストモッドに比較すると、より大きなブレーキや、よりパワフルなエンジン、そしてフレームごとサスペンションシステムを交換するなど、より大掛かりなモディファイが行われることになります。


レストモッドとプロツーリングを分かりやすく例えると、こんな感じでしょうか。


●レストモッド=レストア:モディファイ=2:1


●プロツーリング=レストア:モディファイ=1:2


■ここからが本題。レストモッドにおける「7つの大罪」とは?



さあ、レストモッドとプロツーリングの違いが分かったところで本題に移りましょうか。レストモッドの大罪とは、果たしてどんなことなのでしょうか。分かりやすいように7つに大別してご紹介したいと思います。


1.新車当時のオリジナルペイントではなくなる


2.ブレーキがオリジナルパーツではなくなる


3.ホイールがオリジナルパーツではなくなる


4.シートがオリジナルパーツではなくなる


5.エンジンがノーマル状態ではなくなる


6.サスペンションがノーマル状態ではなくなる


7.マフラーがノーマル状態ではなくなる


いかがでしょうか。つまり、7つの大罪はすべてオリジナル、新車状態から異なる状態になってしまうというのがそのすべてです。これは賛否両論、評価の分かれるポイントですが、私はセンスの良いモディファイであればレストモッドには反対ではありません。


すべてがオリジナルで、生き残ってきたサバイバー車両には、それは素晴らしい価値がありますし、自動車文化遺産として後世に引き継ぐべき貴重な資料であると考えます。


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■現代における「適切なレストモッド」の定義とは?



個人的には、いかにこの「フルオリジナルコンディションを保っているのか」が、クルマのコンディションの良し悪しを見極める際には重要な部分でもあると考えています。


しかし、クルマは金属と樹脂の塊であり、経年劣化には耐えられないような部分も多く存在します。そういった部分を放置しておけば、走行にも支障をきたすようになりますし、場合によっては安全にも大きな影響を及ぼしかねません。


ですから、一定の部分については、レストアをしつつ、適したパーツによりモディファイすることも大変重要であると考えます。特に旧車の場合は、パワステが存在しないようなクルマも多々ありますので、そのような場合は現代に乗るためにはに乗るためには、危険をスムーズに回避するためにもパワステの後付け、それからパワーブレーキでない場合はパワーブレーキの装着なども必須ではないでしょうか。


つまり、適切なレストモッドは現代社会で旧車を楽しむためには最低限必要不可欠な部分ではないかと思っています。しかし、例えばキャブのエンジンをインジェクション化することは独得の雰囲気を保てないこともあり、どちらかといえば否定派です。シートについても、シートベルトを2点式から3点式に変更するレベルであればよいですが、セミバケットシートなどへの変更はインテリアの雰囲気を大きく変えてしまうので好きではありません。


ただ、今、世の中でレストモッドが求められているのは、クラシカルな見た目で快適に乗りたいという需要がそれだけあるということでもあります。ですから、レストモッドは世の中的にいえば正義であり、むしろフルオリジナルにこだわり続けることの方が、罪なのかもしれません。あなたにとっては、レストモッドは正義なのかそれとも・・・?答えは、そのクルマのオーナーが決めればいいのです。


■まとめ:何よりも重要なのは「とにかく点検整備をケチらない」ことに尽きる



最後に、私の個人的な見解をまとめますとこのようになります。


基本的にはできるだけオリジナルの状態を残したい。ただし、ブレーキ性能やパワステなど安全面については最低限のレベルは確保しておきたい。ブレーキは大径化しなくてもパッドの材質をを変更するなどでも対処できますからね。


そして何より重要なのは、レストモッドしてもオリジナルでも、とにかく点検整備をケチらないことです。


旧車に乗るならやはり最低でも年に1,2回は点検をしてもらって、コンディションの確認をするべきでしょう。そうすることで、常に安全な走行性能を得られます。どんなに高性能なパーツを組んでいても、5年もほったらかしていたらそれはもう役に立たないものになってしまっているかもしれません。旧車のメンテナンスでお困りの場合は、どうぞお気軽に編集部にお問い合わせされてみてください。


結論、レストモッドは大罪ではない。それを決めるのはあなたご自身ということではないでしょうか。


●お問い合わせ先
https://www.currentmotor.co.jp/contact/


[画像/Chevrolet・ライター/Mr.T]


 

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