更新2022.03.08
VWなどが生産休止、ウクライナからの部品供給停止
外車王SOKEN編集部
独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)やBMWが生産休止に追い込まれている。ロシアのウクライナ侵攻により、ウクライナからの部品供給が停止したため。
独ワイヤーハーネス大手のレオニは、ウクライナ西部のストルイとコロミアの2工場を閉鎖した。2工場では計約7,000人が勤務していた。
ウクライナでは、仏ネクサンズ、日本の矢崎総業と住友電気工業、米アプティブ、独クロムベルク&シューベルトもワイヤーハーネス工場を持つ。独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』などが報じた。
メディア報道によると、BMWは来週から、ドイツのミュンヘンとディンゴルフィング、オーストリアのシュタイヤーにあるエンジン工場で生産が休止する。英オックスフォードにあるMINIの工場も生産を休止し、ドイツのライプチヒとレーゲンスブルクの2工場も生産調整が必要になると見られている。
また、ロシアのアフトトル(Avtotor)は1999年からBMWのモデルをノックダウン方式で受託生産しているが、BMWはロシアへの輸出および現地生産は当面休止する方針を示している。
VWは、ドイツのツヴィッカウ工場が1日、ドレスデン工場は2日に生産を休止し、労働時間の短縮(時短)を申請した。両工場では差し当たり、来週末まで生産を休止する。
ボルフスブルクの本社工場でも来週から生産を縮小し、14日からは生産を完全に休止する可能性があるという。ハノーファーの商用車工場も来週以降、生産を休止する見通しという。エムデン工場はまだ検討中だが、生産調整が必要になるもよう。
■ポルシェ、シュコダ自の生産にも影響
VW傘下の高級スポーツカーメーカーのポルシェは2日、同日午後から差し当たり翌週末まで生産を休止すると発表した。従業員2,500人については時短を申請している。業界筋によると、ポルシェはウクライナ西部からワイヤーハーネスの供給を受けていたもよう。
VWのチェコ子会社シュコダでも電気自動車「エンヤックiV」など複数のモデルの生産に影響が出ている。複数のサプライヤーがウクライナからシュコダに部品を供給していたため。
同社では、ウクライナ出身の従業員600人超がチェコに勤務しているという。同社は従業員やその家族に対し、ビザの申請や宿泊施設の確保、医療面などでサポートしている。また、難民支援組織や自治体に約50万ユーロを寄付した。
[画像/Adobe Stock 提供元/FBC Business Consulting GmbH]