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更新2020.08.24

フェラーリ テスタロッサの価格高騰。値上がりや海外流出を止める術はないのか

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松村 透

日々、中古車ウオッチをしていると、思わぬ掘り出し物件を見つけて嬉しくなる反面(そういう物件は、大抵は即座に売れてしまいます)、なぜ、このモデルがこんなことになっているの?ということがしばしば起こります。

空冷911の中古車相場が急上昇したということは、もはや周知の事実かと思います。そして、この流れと同様の動きを示すモデルがあります。

それは「フェラーリ テスタロッサ(後継モデル含む)」です。ちなみに、同年代のフェラーリもほぼ同様です。

日本にあるテスタロッサなどのフェラーリは程度が良い個体が多い


▼テスタロッサ/TESTAROSSA



つい数年前まで、500万円台のテスタロッサも珍しくありませんでした。それがいまや1,000万円台をオーバーしているテスタロッサの個体が大半で、後継機にあたる512TRや512Mに関しては軒並み「ASK」表示です(以前、ASK表示に関する記事を書きました。ご興味ありましたらこちらもご覧ください)。

▼512TR

空冷911と同様テスタロッサは「海外からの引き合い」が主な要因といえそうです。

▼512M

考えられる要因として、
●日本にあるテスタロッサなどのフェラーリは程度が良い個体が多い
●日本のオークション会場のようなシステムが海外では確立されておらず、自国より「素性がはっきり」している
●日本のオークション会場なら「まとめ買い」ができる(日本全国の店舗を回る必要がない)

といった点で、海外のバイヤーにとっては、日本市場は格好の「漁場」となっているわけです。

▼F40
バブル絶頂期の1990年前後。クルマ雑誌だけでなく、週刊誌までもがフェラーリの価格高騰を取りあげていました。F40が2億円越え(正規価格は4,500万円)などと騒がれていたころ、テスタロッサは5,000万円(正規価格は2,800万円弱)くらい。348は3,000万円(正規価格は1,700万円弱)オーバーという、正規ディーラーが掲げる、倍近い価格で販売されていたことを記憶している方も多いかと思います。
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テスタロッサをはじめとする80〜90年代のフェラーリは、すでに上がってしまっている


正規ディーラーでテスタロッサを新車で購入した方が、初回点検を迎えるまえに売却するということも珍しくありませんでした。その結果「ディーラー車で低走行、程度良好なテスタロッサ」が市場に流通することとなりました。バブル崩壊後に適正相場で手にすることができた方は、まさに千載一遇のチャンスをモノにした方…なのかもしれません。

▼348



私自身「メディアがこういうことを書きたてるから(値上がりを)助長するんじゃん」と思っていた一人です。しかし、テスタロッサをはじめとする80〜90年代のフェラーリに関しては、すでに「上がってしまっている」状況。

次々と黒船が来航しているいまの状況は、日本人としては為す術がないのでしょうか?

テスタロッサ高騰から見る、手に入れる大変さよりも持ちつづけることの大変さ




一度、手放したモデルをもういちど手に入れたいと思ったとき、これまで以上にハードルが上がっていることに気づかされます。それは価格云々ではなく、自身を取り巻く環境が変わっている場合が多いからです。そこではじめて「手に入れる大変さよりも、持ちつづけることの大変さ」に気づかされます。

私も苦い経験がありますが、もしいまの愛車を「一生モノ」と決めていらっしゃるとしたら、今後迷うことがあったとしても、維持する気持ちを持ちつづけていただけたら…と思います。それが、空冷911やテスタロッサをはじめとする、同じ年代のフェラーリのオーナーさんであれば尚さら…かもしれません。

[ライター/江上透 画像提供/山田勇]

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