更新2023.04.15
絵描き屋の独り言「カーイラスト旅日記」vol.23:スーパーアメリカンガレージ2023
きもだこよし
4月のはじめ、埼玉県は朝霞の森に特徴的なドロドロという排気音が響き渡り、1台また1台とその広大な森の中に吸い込まれていきます。絵描きはそんなアメリカンOHVのエキゾーストがこだまする只中に来ています。
■クラシカルアメリカンが埼玉県朝霞市に大集合!
スーパーアメリカンガレージ2023は今回で4回目を向かえ、埼玉県でも知られるカーイベントのひとつになりつつあります。
最後に開催されたのはコロナ禍になる前ですので、3年ほどブランクがありました。しかし、再開された同イベントは、かつてと変わらないほどの盛況さを見せる参加台数になりました。
主催はアメリカンスーパーフェスティバル事務局、そして埼玉県朝霞市が後援として名前を連ねております。つまり、会場である朝霞市の公認イベントということになるのです。そのこともあって開会の挨拶には現朝霞市長も舞台に立ち、若いころ自らもトランザムのステアリングを握っていたとアメ車愛を熱く語っておられました。
■里帰りしてきた旧きアメ車
会場にはさまざまなオールドモデルから新車の現行モデル、またヘッドだけですが大型のトレーラーまでが参加。
絵描きも正直その迫力に圧倒されました。そんな中、入場口からほど近いところに並ぶジープが3台。そこだけがまるで米軍キャンプのようになっておりました。もちろん、これらは本物の軍用ジープ。現役で使われていたのが1940年代ですから、80年以上前のクルマです。
所有者の方にお話を伺うと、この朝霞の森自体が元々は米軍基地の跡地であり、キャンプ・ド・ドレイクと呼ばれた場所なのだそうです。どことなく背景に違和感を感じさせなかったのは、ある意味で里帰りとも言える場所だからかもしれません。余談ですが、もちろん載せてある機関銃はダミーです。
■クルマがムービースターだったアメリカ
アメリカといえばカーアクションムービー。そう思うのは絵描きの偏見でしょうか?
会場にも50代には覚えがある黒いトランザム「ナイト2000」の姿も確認。もちろん他にも無改造でかつてスクリーンの中に登場した車両も会場内に多数ありました。
その中で、改造を施されてはいるものの、撮影のために施されたものではない改造車がありました。一見パトカーの様ですが、こちらはアメリカで実際に使われていた本物のパトカーを輸入しています。そんなことをどうやって?もちろん普通に入れることはできません。
これは出荷する前にパトカーとしての装備を一度すべて外し、日本国内にて登録後に再架装をおこなって復元したのだそうです。映画の中ではすっかりやられ役のイメージですが、こちらは日本に来てからはTV番組「THE突破ファイル」などの警察ドラマなどで活躍中とのこと。警察を退官後も意外によい生活を送っているようです。
■今日の1枚
お世辞にもアメ車には詳しくない筆者ですが、これだけ集まると圧倒されます。
物販コーナーではケータリングカーも並び、ホットドッグやハンバーガーとこちらもアメリカン。そんなスペースに止まっていた1台のクルマ。薄ピンクの60年代くらいだろうか?というその時代にしては小さめのクルマに目が留まりました。
そのクルマの名は「コメット」正しくはマーキュリー・コメットとなるのですが、1962年に正式にマーキュリーブランドとなったため、1961年式のこちらはただコメットと名称がなっていました。
フォード・ファルコンと共通のプラットフォームを持ち、こちらはより上級ブランドとして位置づけられていました。2365㏄の直列6気筒エンジンを持つ当時としてはコンパクトな車体。面白いのは、アメ車としては珍しいラリー参戦経験を歴史に持つクルマということです。1964年にマーキュリー・コメットカリエンテがサファリラリーに出走。6台中2台が完走しています。
■アメリカを満喫した1日
薄曇りの中に時折晴れ間が見える朝霞の森でおこなわれたスーパーアメリカンガレージ。
次回はお台場にて開催が予定されています。そちらの方が開催歴は長いようですが、こちら朝霞の地の方が旧きアメリカの休日のように思えるのは絵描きの気のせいでしょうか?
絵描きが子供のころに観たアメリカの映画やドラマのようなアメ車に囲まれた1日。あの頃見たあのお話は、どんな物語であっただろうか?参加した車両から思い出しながら絵描きは旅を続けます。
*2023年のスーパーアメリカンフェスティバルお台場のスケジュールは10月22日。エントリーの受付は7月よりスタートとのことです。
http://amefes-since1992.net/
■きもだ こよし プロフィール
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[ライター・撮影/きもだ こよし]