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ライフスタイル

更新2023.09.24

実用性と存在感。時には華も感じる。もう一度乗りたい「麗しの四角いクルマ」たち

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柴太郎

バスやロングセラー国産車であるトヨタ ハイエースを見れば、多くの人を乗せられ、物もたくさん積めるという実用性が如実にわかる、「あのカタチ」。そこまでの角柱形ではなくとも、「四角いクルマ」の現行モデルラインナップ数は激減している状況だ。


2023年夏に発表されたトヨタ ランドクルーザー250やメルセデス・ベンツGクラス、ランドローバー ディフェンダーなど、国産車&輸入車の現行モデルや発売を控えるモデルのなかには「四角いクルマ」はあるが、かなりの少数派。


四角いカタチのクルマは四隅がわかりやすいので運転がしやすく、室内がスクエアなので乗員も快適。さらに、荷物を数多く積めて積みやすいという実用性もある。「これほどまでにクルマとしての役割を果たしている四角いクルマ、なぜ増えないのじゃ~!」と柴太郎は嘆く日々です。



……が、昔は違った。歴代の輸入車を振り返ってみると、ステキな「四角い輸入車」は多く存在していた。なかには世界のクルマ界に、「爪痕」を残したインパクト強かったモデルもある。ここはもう……、今でも印象に残る四角いクルマたちの魅力を追うしかないですね!


■立ったAピラーがいいね! 「四角いクルマの代名詞」ボルボ240シリーズ


▲ボルボファンが泣いて喜ぶ、240シリーズ・エステートの雄姿


四角い輸入車でパッと頭に浮かぶのは、そう、ボルボ240シリーズ。ワゴンのV60やSUVのXC40、XC90など、現行モデルもどこかカタチは四角いが、今、ボルボ240シリーズを改めて見ると「よっ、四角いね~!」と声がけしたくなるほどだ。


1974年から1993年まで発売されたシリーズで、上と下で紹介する写真のようにワゴン(エステート)も4ドアセダンもスクエアなデザイン。立ったAピラーに加え、ヘッドライトも四角。フロントグリルを含めた顔もスッと真下に落ちて、スタイル全体で四角さを強調している。


 「当時の風潮があるからこのような四角いデザインなのでは?」と感じるかもしれないが、この約20年間でも240シリーズは異彩を放っていたカタチといっていい。歴代輸入車のなかでも、「四角いクルマの代名詞」と位置付けたいクルマたちだ。


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■このカタチで思い出すのが「空飛ぶレンガ」。ボルボ240はセダンもカクカク!


▲その四角さで風格すら漂う240セダン。2ドアモデルがレース参戦していた!


ボルボの要といえる衝撃吸収ゾーンの拡大によりフロントとリアが長めではあるが、全長4700mm超えは、今のボルボV90の全長4935mmからすれば短いほう。四隅がつかめやすいスクエアデザインもあり、扱いやすかったはず。……それにしても、現行のボルボV90の全長、長いっスね(汗)。


当初モデルはSOHCの2.2Lエンジンを搭載し、時代を経ながら2.4Lディーゼルなどを搭載するモデルもあった。


さらに、2ドアセダンベースの240ターボがETC(欧州ツーリングカーレース選手権)に参戦していたことも思い出される。欧州の並みいる強豪を相手に健闘し、1985年、1986年と2年連続でチャンピオンを獲得! その外観から「空飛ぶレンガ」という愛称を得た。


「空飛ぶレンガ」という粋なフレーズを考えた方に称賛を贈るとともに、四角いボルボがサーキットで躍動する姿。今でもシビれる。


現在、世界的に販売が好調なボルボ。この先、エステート(ワゴン)やセダンの新モデルに、この240シリーズのデザインテイストを取り入れた、「もう少し四角いクルマ」を発売してほしいなぁ~。そう切に願う私(筆者)なのでありました。


■コンパクトモデルのなかでも白眉の出来。四角をまとった初代パンダ


▲うおおお! この四角さがいいね~。ジウジアーロが手がけた初代パンダ


欧州コンパクトモデルのなかでフッと浮かんでくるのがフィアット パンダ。2代目、3代目は丸みを取り入れたデザインになっているが、上の写真を見ていただきたい。初代モデル(1980年登場)はカクカクしている! 


筆者自宅近くの駐車場にもこの初代パンダを見かけるが、まわりに並ぶ現行のSUVやセダンたちとは確実に「別物感」が漂っている。やはり四角いカタチ、直線で作られたカタチは存在感が際立っているといえよう。


あのジウジアーロ率いるカロッツェリア・イタルデザインが開発担当と聞けば、なるほどと思ってしまうほど、線がきれいな印象。開発にあたり製造コストを抑えるという条件があり、すべての窓を平らなものにしたという。


それに合わせたようにボディも直線や平らな面で構成されており、室内のスペース効率がいいモデルに仕上がっている。シンプルながら、クルマとして華があるのは、やはりジウジアーロの成せるワザか。


当初の搭載エンジンが空冷2気筒OHV、652ccと非力さは否めなかったが、それを補って余りあるステキな四角いクルマ。今改めて見ても、そう感じる。パンダの次期モデルは原点回帰していただき、この初代のようなカクカクしたデザインで誕生すれば、世界中がざわつくと思う!


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■走りの四角いデザインといえばBMW M3初代モデル。ブリスターフェンダーに萌える!


▲疾走感あふれるスクエアデザイン。初代M3の姿にザワつくのは筆者だけではないだろう


ドイツ御三家のひとつ、BMW。このブランドのラインナップも最近では丸みを帯びたスタイルのモデルばかりだが、以前は「四角いクルマ」もある程度揃っていた。それらのなかから取りあげたいのがBMW M3の初代、上の写真だ。


1985年登場したこのモデルは、E30型3シリーズ(2ドアセダン)をベースに、MのDNAそのまま注入とばかりに走りに磨きをかけたモデル。直4、2.3Lエンジンは最高出力195psを発揮。欧州各地のツーリングカー選手権での大活躍を、市販モデルでも体感できるところが最大の魅力といっていい。


そして、この四角いカタチ。ブリスターフェンダーの絶妙なデザインとリアウィング(標準装備とのこと)が、存在感を盛り立てている。流線形のスタイルではなく、角張っていても速さが伝わり、それがなんとも「萌える」……。初代M3はいつまでも脳裏に残るクルマである。


……「四角いクルマ」と聞いたら、下写真のようなメルセデス・ベンツGクラスやJEEPラングラー、ハマーなど、誕生した初期モデルからスクエアなボディをまとうSUVやクロカンをイメージしがちだが、取り上げてきたようにセダンやコンパクトの歴代モデルにも、いつまでも印象に残る四角いクルマはある。


これから誕生する新モデルに「四角いクルマ」があるとするなら、注目度は格段に高いはず。世界のクルマ好きの心が、ときめくに違いない!



▲上からメルセデス・ベンツGクラス W460型(1983年)、Jeep初代ラングラー(1994年)、ハマーH2(2002年)。「四角いクルマ」と聞いて思い出すのは、これらのようなSUVやクロカンが多い


[画像:Volvo,Fiat,Bmw,Mercedes-Benz,Jeep,Hummer・ライター/柴太郎]

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