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試乗レポート

更新2023.11.22

マセラティ Ghibliで陸路往復2,300キロを試乗。これは430の進化した後継車だ

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中込 健太郎

マセラティ Ghibliを拝借し、山口まで陸路往復、2,300キロを超える距離を乗ってみて、表題の予感についてだけは改めて総括しておきたいと思います。大きさの割に、煩わしい感じが少ない。伝統のブランドの高級車ではあるが、ドライバーと「呼応」し合える感じは、プレスティッジを競うのではなく、上質な麻のシャツにでも手を通したような印象を受けました。

独特の演出の効いているセラティ Ghibli


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じつは相当買い得感の高いチョイスだと思うのです。このモデルの発表の時「メルセデス・ベンツ EクラスやBMW5の上級モデル」がターゲット層という説明がありました。しかし、そういうところのクルマを選ぶ人が、同じ天秤場でこのクルマをまず「検討」するでしょうか?多分しないでしょう。伝統のブランドにある程度重きを置いて、クルマが好き。そういう人ですから、メルセデスであればAMG、BMWならMかアルピナ。可能かどうかではなく、そういうところに意識がいきそうなのではないかと思うのです。大きさと排気量のクラス分けでは説明のつかない、ハードルを超えさせることが出来る魅力がこのクルマにはあると思うのです。

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そうやって考えるとたとえばC63と比べても、一方でこちらの装備をかなり充実させたとして、まだ安価なわけです。マセラティなのに!確かにパワーも330馬力「しか」ありません。ただ、330馬力では不足…という人はもともとこのクルマのターゲットではないのです。そして、それでもこの価格帯で左ハンドルもチョイスできるクルマ、そういう意味でもこのギブリは希少です。

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実際、ボディの作りもドイツ勢のそういうものと比べると大味です。そして、430ほどではないですが、いろいろ突っ込みどころ満載な独特の演出、配置は未だ健在なのです。そしてこれらが、マセラティを見限り、選ばない理由になるかといえばそんなことではなく、それ以上にこのクルマが動かしがたいマセラティである事実を醸し出している一点をもってして、このクルマの存在意義の説明は充分なのです。



正統なコレクションの中の一台に、というわけではないマセラティ。しかし、端々に、その末裔であることは宿っており、それを噛み締めながらドライブをする。これはまぎれもなく、430と寸分違わぬ立ち位置ではありませんか!ただ、確実に時間は流れていて、四半世紀の時を経ているので、パワー、そして各部の信頼性も格段に向上していて、低燃費を実現。より快適で実用性もあわせもっているのです。そしてより快適な上に「ちゃんとつけるかしら」という不安を抱かずに乗れる低エントロピー性が備わった時点で、マセラティ的観点からすると、「理想の実用車」と言ってしまっていいのではないでしょうか。
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新たな歴史を紡ぎ始めたマセラティ


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新たな100年と歴史を紡ぎ始めたマセラティ。今までの流儀ではない車種もリリースするといわれ、それとともに拡販政策を推進していこうとしているようですが、この魅力をもっと多くの人たちに知らしめるだけで、バックオーダーを猛省することにもなりかねないほどの説得力を内包した伝統の匂いのするクルマだと感じました。

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個人的には1000万円に収まる輸入新車では、まったくカテゴリーが違うのに惹かれるクルマとしてG350ブルーテックと迷いたい。そんな一台だと感じました。一世紀を過ぎると、その重箱の隅をつつくようなあら探しのような見方は無用です。なぜなら、ジャーナリズムが一刀両断にああだこうだ言うような話ではなくなっている、という一面を感じるからです。「余録でクルマを作っている」語弊があるかもしれませんが、このことの重みはこのギブリからもひしひしと感じたように思うのです。

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430はじめビトルボ系がいたから刻めた部分もあるのよね。トライデントの100周年は。工場から連絡があり、来週あたり仕上がり、継続車検に入れそうだと言うことです。そんな今、「Ghibliで山口まで、普通に行って帰って来られる」ことの幸せと重みは筆舌に尽くしがたいものがあるのでした。比較的難なく乗れてきた430のオーナーとして「このGhibliは430の正常進化した真の後継車だ」そう思わないではいられませんでした。加えて、ディーゼルモデルも楽しみになります。

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▼マセラティのホームページ
http://www.maserati.co.jp/maserati/jp/ja/index.html

[ライター・画像/中込健太郎]

※当記事は過去公開した記事の再編集版です

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