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コラム

更新2020.08.24

特にドイツ車が魅力的だといえる特徴やおすすめポイントとは?

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外車王SOKEN編集部

あくまで私見ではありますが、自動車技術はこの30年間、主としてドイツ車メーカーと日本車メーカーに牽引されて大きく前進したと考えています。ハイブリッド、DCT、ダウンサイズエンジンとターボ技術、自動ブレーキ、アイドリングストップシステムなどの魅力ある新しい技術が今ではすっかり身近な存在になっています。そして日本人にとっても、輸入車の中でもとりわけドイツ車はたいへん特徴があり魅力的な存在です。なぜドイツ車はこれほど人々を惹きつける魅力があるのでしょうか?

輸入車、特にドイツ車が魅力的なポイントとは?

自動車技術はドイツ車のお家芸


まず、日本とドイツ両国にいえることですが、優れた自動車メーカーが多く存在して、互いに切磋琢磨しています。VW(フォルクスワーゲン)、BMW、メルセデス・ベンツ、ポルシェ、Audiなど、どれもが世界で名だたるブランドです。また、両国とも製造技術の高さで定評があります。日本語の「モノづくり」という単語は、そこに込められたスピリッツと共に世界に認知されつつありますが、ドイツでもマイスター制度の伝統を受け継いだ、モノづくりの技術への高いこだわりがあります。中でも自動車技術はドイツのお家芸、例えばガソリンエンジン(ドイツではオットーエンジンと呼びます)、ディーゼルエンジン、ミラーサイクルエンジンなどは、発明者のドイツ人の名前が付けられて現在に至っています。

ドイツが誇るアウトバーン(無料高速道路)の存在も大きいといえます。ドイツのユーザーは速度無制限区間が多いアウトバーンを走り回れますので、必然的に高速運転時の安定性や安全性、耐久度への要求が高くなり、それらの現実的なハードルを1つずつ超えていくことが、ドイツ車の特徴でもある、堅実で安定性のある走行性能を育てる一助になったことでしょう。

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ブランドの伝統へのこだわりがドイツ車の魅力


また、ドイツ車の特徴的な面白みの1つとして、ブランドの伝統へのこだわりがあります。最先端のテクノロジーの開拓を行う一方で、それぞれのブランドが受け継いできた持ち味は頑なに守っています。

ポルシェは、フラッグシップ車のRRの水平対向エンジンという、メリットもありながら課題も多いコンセプトを、RRのもたらすデメリットを技術力でねじ伏せながら守り続けています。

BMWは手堅い走行性能高さにこだわり続け、ここ数十年でエクステリアは驚くほど洗練されましたが、今でもインテリアにそれほど気合をいれている様子はありません。また、キドニーグリルという伝統のフロントデザインを守り続けることで、一目見てBMW車だとわかる「顔」を確立しています。これは、つい最近になって日本ブランドが取り組み始めたことです。BMWの尊敬すべきところは、足回りにこだわりを持つメーカーでありながらも、傘下に入れたMINIブランドでは、決して「良い」サスペンション性能とは言い難い、弾むような「ゴーカート」ドライブの足回りには手を出さず、あの持ち味をしっかりと残していることです。ブランドの伝統を尊重する精神があればこそ、の賢い判断だと思います。

VWのゴルフは、昨年に輸入車として初めて日本カーオブザイヤーを受賞しました。ゴルフとその弟分のポロ、この2モデルの不思議なところは、モデルチェンジ後の最新車両のエクステリアを見ても、「前よりちょっぴりカッコよくなったかな?」と思う程度なのですが、数世代前のモデルを見ると、明らかに「とても古い」のです。ハッチバックの箱型というシンプルな基本形状を守りながら、堅実なファインチューニングを重ねていく、これがゴルフとポロの凄みだと思いますし、いかにもドイツらしい堅実さを感じます。

メルセデスは相変わらず一人で我が道を行っている感がありますが、逆に、あの有名なエンブレム以外はどこまでも自由にモデルを変化させるのが伝統。最近のAクラスの突然の変貌にも驚かされました。最近は、ゴツゴツと骨格が浮き出たような独特のエクステリアデザインに凝っている様子ですが、これが文句なしに魅力的でカッコ良いのが流石です。

世界のクルマの代表的存在、それがドイツ車メーカー


世界には、多種多様な自動車メーカーがありますが、その中でもドイツの自動車メーカーは、世界的にも知名度が高いと言われます。

その代表的なのが、メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)、アウディ(Audi)、BMW(Bayerische Motoren Werke)、Porsche(ポルシェ)、Volkswagen (フォルクスワーゲン)など、どれをとっても世界的に知名度の高い自動車メーカーばかりです。他にもオペル(Opel)、ダイムラー(Daimler)、スマート(smart)など、一般的にはあまり知られていない自動車メーカーもあります。

ドイツ車の人気は、ボディ・デザインが個性的で素晴らしいことと、車両の安全性や性能を重視しているからでしょう。それは、各メーカーのエンジン・パワーの強力さ、安定したサスペンションの動きと機能性を見てとれば一目瞭然です。その背景には、速度無制限の高速道路である「アウトバーン」の存在が関与しています。この道路の存在が、ドイツ車の最優先課題は走行時の安全性と言わしめている理由です。もちろん、安全走行に対する考え方は、エンジンやサスペンションにとどまらず、エアバックやABSなど、現在では標準装備の安全装置が今までドイツ車を中心に数多く開発されてきました。

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ドイツ車各メーカーを一覧で紹介



▲1.メルセデス・ベンツ (Mercedes-Benz)
1886年創設の歴史のある、乗用車、トラック、バスの製造メーカー。日本では、高級車の代名詞ともなっています。E・C・Sの各クラスの乗用車の他、スポーツカー、ハッチバックタイプ、SUV、ミニバン、ライトバンなど、車種も豊富にあります。

▲2.アウディ(Audi)
四輪駆動(クワトロ)を他社よりいち早く取り入れ、ラリースポーツで高い走破性を誇っているメーカーです。車種は乗用車のA3、A4、A6、A8の他、スポーツクーペのTT、SUVのQシリーズ、ルマン・クワトロの生産型スポーツカーのR8シリーズなど。

▲3.BMW(Bayerische Motoren Werke AG)
車種は高級車が主で、セダン、クーペーの1・2・3・4・5・6・7シリーズのほか、スポーツ車(Zシリーズ)、SUV車(Xシリーズ)、電気自動車(i3)ハイブリッド・カー(i8)車などの自動車以外にもオートバイのメーカーでもあります。英国のロールス・ロイスとMINIの2社を傘下のカー・ブランドとして所有しています。

▲4.ポルシェ(Porsche)
ドイツの高級スポーツカーメーカーです。各種レースでも活躍しています。車種はケイマン、カレラGT、オープンカーのボクスター。また、ポルシェ911はスポーツカーの代名詞として世界的に人気があります。SUV車であるカイエンも高い人気があります。

▲5.フォルクスワーゲン(Volkswagen)
ドイツを代表する大手自動車メーカーです。フォルクスワーゲン・グループには、その他に、アウディ、ベントレー、ランボルギーニ、ブガッティ、シュコダ、セアトなどの自動車ブランドを保有しています。乗用車以外にもトラック、バン、商用車やキャンピングカーも製造しており、世界的自動車グループの筆頭メーカーとしても有名です。

「ドイツ車はトラブルなく、壊れない、故障しない」と言われる理由


壊れないクルマはありません。イタリア車だって、フランス車だって、ドイツ車だって、日本車だって、部品に寿命がきたり無茶な使い方をしたら、壊れます。では実際に故障したとき、どうしたらいいでしょうか。見事な対応で信頼のブランドイメージを築き上げたドイツ車メーカーの例をご紹介します。

最近のクルマは、かなり信頼性が高くなりましたが・・・
生きている私たちが風邪などの病気を避けられないのと同じように、クルマも故障やトラブルは避けられません。むしろ、2万点もの部品から成り立っていることを考えると、故障の少なさ、パーツメーカーやクルマのメーカーの仕事の確かさがもっと賞賛されてもいいのでは、と思っているくらいです。そのせいか、最近ではクルマがトラブルで立ち往生したりすることはさすがになくなりました。いまの時代にもしそんなクルマを売っているメーカーがあったら、クルマではなく、会社そのものがダメの烙印を押されて淘汰されてしまうでしょう。

少し前までは、ドイツ車もトラブルが多かった
日本車の壊れにくさ、信頼性の高さには定評があります。同様に評価の高いのがドイツ車ではないでしょうか。でも、ドイツ車の人気が出はじめたバブル期、1990年代ぐらいまでは、路肩でボンネットを開けて止まっているドイツ車をよく見かけました。主に、冷却系の故障、トラブルが多かったそうです。原因は、ドイツと日本の気候の差、交通状況の差にありました。ドイツは日本ほど暑くなく、そして渋滞が多くないため、エンジンの冷却にそれほどシビアにならなくてすんでいたのです。日本は、ちょっと特殊な条件だったのですね。ドイツ車だけでなく、イタリア車やフランス車、イギリス車なども、同じようにオーバーヒートに悩まされていました。

メーカーとインポーターが一丸となって
ドイツ車が違ったのは、そこからのリカバリーです。日本のインポーターと密接にコミュニケーションして、どこがどのように壊れたのか、詳細に調査を行いました。さらに本国から開発のチームがテストにきて、日本の過酷な環境を実際に体験したりもしたそうです。そうして、わずかの期間にオーバーヒート対策を施した「日本仕様」を開発し、デリバリーしたのです。このようなメーカーの姿勢が、日本のユーザーの信頼を醸成することにつながり、現在のブランド力をかたちづくる要因のひとつとなっています。ちなみに、日本で得たオーバーヒート対策のノウハウは、中東など他の暑い地域でのセールスにも大いに役立ったそうです。

「フェイルセーフ」と同じ考え方でクルマを提供
ドイツ車は一般的に、修理がしやすいのも特徴のひとつです。現代のクルマは、トランスミッションやデファレンシャルギアなどの大きな装置を除き、修理はパーツ交換やアッセンブル交換が主流です。その際、壊れたパーツやアッセンブルを外しやすく、そして新しいものを装着しやすいように、設計段階から考えられています。このため、故障したり、調子が悪くなってサービスに入庫しても、多くの場合、最小限の時間や日数で対応することができます。こうした故障対応のスムーズさも、ドイツ車の評価を高めています。

また、「フェイルセーフ」といって、機械設計の際、故障や誤作動、誤操作があってもそれをカバーする機能やしくみをあらかじめ用意しておく設計手法があります。故障やトラブルを前提に、どんなことがあっても安全を確保するという思想で、旅客機や鉄道車両などの設計や開発では基本中の基本です。そんなフェイルセーフの発想や視点を、ドイツの多くの自動車メーカーは開発段階から整備や顧客サービスに至るまで徹底しているように見えます。こうした「ドイツ品質」のモノづくりの姿勢は、イタリアやフランスなど他の国のメーカーとは一線を画しています。また、この姿勢こそ、「ドイツ車は壊れない、故障しない」と信頼されるようになった一番の理由だと考えています。

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CO2削減を目指したクルマ社会


産業社会が自動車を中心に発展していくようになることをモータリゼーションといいます。アメリカのモータリゼーションは、「T型フォードの生産」で1920年代から始まり、ヨーロッパは、ドイツの「アウトバーン(高速道路)」の整備によって1930年代に始まりました。特にドイツのアウトバーンの整備は、ヨーロッパ諸国全体のモータリゼーションを加速させるほどの影響力ありました。モータリゼーションによって自動車利用は増えることとなり、陸続きのヨーロッパ諸国の移動手段イコール「クルマ」という考え方が当たり前となっていきます。

そして、ヨーロッパのモータリゼーションは、都市部だけでなく地方の生活にも大きな変化をもたらしていきます。なぜなら、産業やそれを支える物流の形態に大きな変化をもたらし人の行き来も活発になることで、景気の上昇や経済基盤の変化が生まれていったからです。しかし、近年の世界的不況の波は、自動車関連企業も含め、数多くの企業の再編や長期的な燃料価格の高騰、そしてCO2問題の環境政策などの影響で、クルマ社会のあり方そのものが大きい変化を起こしました。

クルマと言えばドイツ車。その代名詞的存在である「ドイツのクルマ社会」

まさしく実用本位なドイツ


日本では、「クルマ」を持つことがステイタスだった時代がありました。しかし、最近はクルマを持とうとしない若者が増えています。価値観の多様化により、クルマに対する優先順位が変化してきた結果です。限られた収入の中で、自分らしいライフスタイルを追求するやめには費用を節約できて、環境への負荷が少ないカー・シェアリングが、日本国内でも注目を浴びています自動車王国・ドイツにおいても、クルマよりも携帯電話が生活必需品と考える若者が増えつつあります。また、かつての日本がそうであったように「若いうちはMT車に乗ってナンボ」という考えも変わりつつあるようです。

また、就職後、ある程度の企業の役職に就くなど、状況に応じて「カンパニーカー」が会社から貸与されます。自宅と職場が、日本のクルマ通勤では考えられないくらい離れた距離であるケースも珍しくありません。そこで企業側と自国(ドイツ)のディーラーの両者が提携し、従業員に2年間のリース方式でクルマを貸し出す制度です。自分の嗜好よりも、税制面や実用面(あとは、世間体も)を優先・重視したクルマ選びが重要になってきます。

さらに、2008年1月1日より施行された「環境ゾーン(Umweltzone/ウンヴェルツォーネ)」により、都市にとっては排ガスシール規制の色区分(赤、黄、緑の3種)によって、走行可能な地域が法令で定められているなど、環境に対する意識が高いドイツならではの制度があります。

クルマと言えばドイツ車。その代名詞的存在である「ドイツのクルマ社会」

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BMWやフォルクスワーゲンも参入するカー・シェアリング


現在、新たなクルマの利用法として注目されているのがカー・シェアリングと言うシステムです。カー・シェアリングの歴史は、実際古く1980年代頃とされています。つまり、昨今の燃料価格高騰や世界不況が、カー・シェアリングを生んだのではなく、環境問題に取り組む社会機構が、よりよい街づくりをしていこうという動きにあったわけです。

今や、カー・シェアリング市場には、ドイツの自動車メーカーの雄であるBMWやフォルクスワーゲンなどの企業も参入しています。BMWはリース会社と提携して、カー・シェアリング「ドライブナウ」をミュンヘンとベルリンで発足しました。その利用法は、スマートフォンで近くにあるクルマを検索して利用し、使用後は市内であれば乗り捨てることができるという流れです。フォルクスワーゲンは「クィッカー」と言うシステムを行っています。こちらは、クルマを所定の駐車場に戻す必要があるものの、将来は100ヵ所ほどに増やして利用者の使いやすさを狙っていくそうです。

カー・シェアリングは、単にクルマを所有しないと言うことではなく、環境を第一に考えた新しいモータリゼーションの形であろうと思うのです。ドイツの自動車2大メーカーが、カー・シェアリングに乗り出しているのも、新たなモータリゼーションの軌跡を残していくのであろうと思います。カー・シェアリングは、クルマ所有のエコロジーの提案という、新しい選択肢として車社会の礎となることでしょう。

世界からみたドイツ車の今後は?


2020年には世界で1億台の自動車が生産されると予測されます。日本メーカーもその中のパイ取りに負けてはいられませんが、ドイツ車の技術革新もまだまだ続くことでしょう。ドイツ車の人気は、「デザイン性と安全走行」にあるというのが筆者の見解です。今でも魅力的なドイツからの輸入車ですが、これからもきっと私たちを魅了し、驚かせてくれるモデルが海を超えてやって来ることでしょう。

[ライター/CL編集部]

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