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更新2022.10.25

チャイルドシートの新安全基準「R129」完全移行まであと1年!R44との違いは?

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加藤久美子

■安全基準に適合しているもの以外、販売も使用も禁止



2000年4月1日に日本でチャイルドシートの着用が義務付けられて22年が経過した。義務付けの対象となるのは0〜5歳までの幼児でこれは22年経った今も変わっていない。先進国の中ではもっとも低い年齢である。


なお、6歳からはシートベルト着用の義務が後席含めすべての座席に課せられるわけだが、満6歳の平均身長は110cm前後。シートベルトは身長145~150cmを超えないと安全に使用ができないのでそこに達するまではジュニアシート(学童用)を使用して子どもを安全に守るのが大人の務めである。


チャイルドシートは育児用品ではなく、れっきとした自動車部品の扱いで日本では国連欧州基準(UN-ECE)の基準に適合したものだけが新規販売(出荷)ができる。


現在、日本で使用が認められている安全基準は以下の2つ。「完全移行」とは「その日以降の出荷(生産)はできない」という意味だ。


●1.ECE R44/04 2012年7月1日から完全移行
●2.ECE R129 2023年9月1日から完全移行


ECE R44/04は2012年7月1日よりそれまでの国交省の基準(自マーク)から国際基準であるECE R44/04(Eマーク)に完全移行する形となり、その日以降、ECE R44/04に適合しないチャイルドシートは生産・出荷ができなくなった。


それと同様に、約1年後の2023年9月1日からはR129だけになる。ECE R44/04は2023年8月末をもって生産・出荷が終了となるが、ユーザーがR44基準のチャイルドシートを使い続けることや新たに購入することは問題ない。


しばらくはR44製品の在庫がなくなるまでは販売されるだろうし、安価な価格も期待できるだろう。


では、このR44とR129。選び方や安全基準にどんな違いがあるのだろうか?


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■1.R44は体重、R129は身長を基準に選ぶとよい



※出典 コンビ「知ってる?新安全基準R129」より(https://www.combi.co.jp/products/carseat/r129/)


チャイルドシートは月齢や年齢で選ぶのではなく子どもの体格によって選ぶのが大原則だ。これはR44もR129も変わりない。ただし、世の中には自分の子どもや孫の体重を知らない人もいるようなので目安として年齢を添えておく。


・乳児用(後ろ向き装着):2500g~10kgまたは13kg、1歳~2歳前後まで
・幼児用(前向き装着):10kg~18kg、4~5歳まで
・学童用(前向き装着):18~36kg、10~11歳まで


ただし学童用はR44基準でも12歳、身長150cmくらいまで使用できるものもある


これが、R129(i-Size)になると生後15か月を超え、身長76cmまでは後ろ向きがマスト。また、身長83cmまでは後ろ向きで使える構造のチャイルドシートであることが条件だ。


欧州の試験では後ろ向き装着によって交通事故発生時の体への損傷が7割以上軽減できるという安全性が実証されているので、できる限り長い期間後ろ向きに座ることが推奨されている。


身長83cmといえば日本人の子どもの場合、1歳9~10か月位になる。R129では身長105cm、4歳くらいまで後ろ向きで使える構造のチャイルドシートもある。


■2.「新安全基準R129」では側面衝突に対応


R129で新たに加わったのは、「側面衝突」への対応だ。乳幼児の頭と首部分の安全性を高めるため、R44の前後方向に加えてR129では側面衝突試験も追加されている。


規定の数値をクリアしない限り、R129の基準を満たしたことにならないので、R129はR44よりも安全性が高いチャイルドシートといえる。


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■3.R129はISO-FIX固定だけ?


R129はISO-FIX固定だけが対象?と疑問を持つ人もいるかもしれないが、現在はシートベルト固定でもR129に適合したチャイルドシートが出てきている。なお『R129i-Size』という基準の場合はISO-FIX固定のみが対象。


また、クルマの座席も保安基準が改訂され2016年頃からi-Sizeに適合したものに改良されている。


■筆者おすすめのR129適合チャイルドシートは?


子どもの安全を第一に考えるならば安全性の高いR129適合のチャイルドシートをお勧めしたい。


◎1:コンビ ホワイトレーベル THE S plus ISOFIX エッグショック ZC-750



セパレート構造で安全性と使いやすさにこだわったチャイルドシートで同製品はメッシュ素材やCOOLMAX®を搭載したプレミアムモデル。卵を落としても割れないほどの超・衝撃吸収素材「エッグショック」を装備しており万が一の衝撃でも産まれたての赤ちゃんの"やわらかい頭"を守る。本体とベース部分が2つに分かれるので軽くて持ちやすく、カンタン・確実に取付けできる。ISO-FIX取り付け専用


・使用期間:後向き/身長40cm~105cmまで 前向き/身長76cmかつ月齢15カ月以上~105cmまで
※体重19.0kgを超える子どもには使用不可(参考:新生児~4才頃)


◎2:ブリタックスレーマー ベビーセーフ3i-Size



ドイツ車をはじめ、欧州自動車メーカーの多くが純正採用するブリタックスレーマーの人気シリーズ。ベースメント(別売り)を使ってのISO-FIX固定がおすすめだがシートベルト固定もできる。エアバギーなど対応ベビーカーとドッキングして「対面式ベビーカー」として使えるので眠ったままの赤ちゃんを下ろすのも簡単。


車載用ベースメント「FLEX BASE iSENCE」には回転機構がついておりドアからの乗せ降ろしを圧倒的スマートに行える。


・対象身長:身長40~83㎝
・対象年齢:新生児~15か月頃
・取り付け方法:シートベルトとISOFIXベースメントによる固定


◎3:エールベベ クルットR ザ・ファースト




除菌機能生地と大型サンシェードを採用した、上級モデルの日本製回転式R129チャイルドシート。
本体シェル背面には1,695個のエアーホールを搭載し通気性に優れた構造で赤ちゃんのムレを軽減し四季を通じて快適に過ごせる。使用期間をカバーする4年間の製品ロング保証がついており安心度も高い。ISO-FIX取り付け専用。


・後向き:身長40㎝~87㎝まで、前向き:身長76㎝~100㎝まで
※体重が17㎏を超える子どもには使用不可
※年齢の目安:新生児~4才頃


◎4:アップリカ フラディアグロウセーフティ+ ISO-FIX



2018年に国産ブランドで初めてR129に適合したフラディアグロウシリーズはフルフラットに近いベッド型が特徴。クルマを停めてチャイルドシートから降ろすことなくおむつ替えなどができるのも便利だ。身長87cmまで後ろ向きで使えるのも良い。


・横向きベッド:身長40cm~70cm
・後向きシート:身長60cmかつ首すわり~87cm/前向きシート:身長76cmかつ月齢15カ月以上~100cm
※17.5kgを超える子どもには使用不可


なお、チャイルドシートの安全性がどれだけ高くても、取り付けが間違っていれば衝撃から子どもを守る機能は大幅に低下する。とくに問題となっているのは子どもを座らせたあとに締めるハーネスが緩いこと。チャイルドシート自体はISO-FIXでがっちり固定されていてもそこに座る赤ちゃんのハーネスが緩いと衝撃を受けて体だけシートからすっぽ抜ける危険もある。


またこれからのシーズン、寒くなるとモコモコ、ふわふわのジャケットを着せたまま乗せるパパママも増えてくるが、厚着したまま乗せるのは非常に危険。


暖房のきいた車内ならできるだけ薄着で、クルマの座席+チャイルドシート+子どもの体が可能な限り密着するように使用するのが安全だ。


[ライター・自動車生活ジャーナリスト 認定チャイルドシート指導員 加藤久美子]

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