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コラム

更新2015.10.19

エンジン・ドアなどスペックから見る「BMW i8」の魅力

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外車王SOKEN編集部

2009年のフランクフルトモーターショーでのコンセプトモデル発表から待つこと5年、終にBMW i8が日本でも販売されました。CMでのあまりにカッコ良すぎる勇姿に眼を奪われた方も多いのではないでしょうか。話題のECOスポーツカー、BMW i8の魅力に迫ってみたいと思います。

bmw i8
(写真はドイツ駐在員が現地ディーラーで撮影)

まず眼を引くのは、停止していても流れるようなスピード感を覚えるボディーフォルムと特徴的なシザードアでしょう。シザードアとは聞き慣れないかもしれませんが、車体に直行する1点ヒンジで斜め前方に持ち上がるドアのことで、ランボルギーニでも採用されています。2009年のコンセプトモデルで見た時には、まさかそのまま市販車版にも採用されるとは誰も想像しなかったのではないでしょうか。流線的なプロポーションは、当然エアロダイナミクスも検討し尽くしたもので、空気抵抗係数(Cd値)をたったの0.26に抑えています。

注目の駆動システムですが、エンジンは驚きの1.5L3気筒です。0-100km/h加速性能4.5秒を誇るBMW i8が、排気量だけ比べればプリウスよりも小型とは信じられません。もちろんツインパワー・ターボとPHVモーターのサポートの成せる技ですが、やはり根底にあるのは、世界に先駆けてダウンサイジングエンジンの開発に取り組んできたドイツメーカーの技術力でしょう。最大トルク320Nmのエンジンと最高出力96kWのモーターを搭載しながらも、BMWらしいほぼ50:50の前後重量配分にに作り上げられています。

bmw i8
(写真はドイツ駐在員が現地ディーラーで撮影)

カタログ燃費2.5L/100km、CO2排出量わずか59g/kmというECOスポースカーの実現には、もちろん徹底した軽量化も貢献しています。4689x1942x1293サイズで1.5tを下回る軽量ボディの秘密は、簡単に言えば下部のドライブトレーン、ドライブモジュールには徹底的にアルミニウム合金を使用し、ルーフをはじめとする上部部品にはカーボンファイバー強化樹脂(CFRP)を多様したことです。スチールの10倍の強度を持ちながら、重量が軽いCFRPは、車両の下部重心化による安定にも一役買っています。

CFRPといえば、東レとタッグを組んだレクサスのLFAの軽量化にも重要な役割を果たしました。ボーイング787への採用でも話題になりましたが、実は日本のカーボンファイバーメーカーは世界の生産の70%を占めるトップランナーです。ただ、SLGオートモティブ・カーボン・ファイバーズと組んでいち早くカーボンファイバーの量産体制を整えたBMWにはお呼びではないかな、と思いきや、BMW i8のCFRPを製造する素材は、三菱レーヨンの広島工場で生産されているそうです。それがUSAのSLG社でカーボンファイバー化されてドイツに輸送され、ライフ・モジュール部品として再び日本に戻ってきているんですね。

bmw i8
(写真はドイツ駐在員が現地ディーラーで撮影)

もう一つ、おそらく車好きには開発者の気持ちは分かる、i8の面白い仕掛けをご紹介します。走行中の実物に遭遇した経験がないので実際に聞いたことは無いのですが、BMW i8の加速時にはまるでV8エンジンをふかした様な迫力あるエンジン音が響くそうです。あれ、でも実際の駆動は3気筒+モーターのはずでは?と思いますよね。種明かしは実際のエンジン音に加えて、スピーカーでエンジン音を足すという、マニアックなギミックが施されているのです。これには賛否両論の様ですが、そういえば、HONDAもわざわざ苦労をして、エンジンルームからエンジン音だけは遮断せずにキャビンへ届ける様に、特殊な防音設計をしていると聞きます。やはり車はエンジンを気持ちよく唸らせて走りたい、というドライバーへのBMWの気遣いだと受け止めたいです。

さて最後にBMW i8の気になる日本販売価格ですが、1917万円からとのことです。買える人には安いのかもしれませんね。

[ライター/CL編集部 カメラ/ドイツ駐在員]

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