2021年07月21日

車両を売却するときの仕訳はどうすれば良いのか。法人・個人の仕訳や勘定科目を解説

車両を売却するときの帳簿での仕訳はどのようにするべきなのでしょうか。ここでは、記帳するときの仕訳のポイントを解説します。また、法人・個人、税込・税抜など、さまざまな仕訳の具体例も紹介していますので、帳簿に記帳する際の参考にしてみてください。

 



車を売却する際の仕訳のポイント


車両を売却したときは、自分の会社でどのような記帳方法を採用しているのか確認しましょう。まずは、帳簿へ記帳する前に確認しておくポイントを解説します。


法人か個人か


自分の会社が法人か個人か確認しましょう。法人の場合には、車両を固定資産として扱うため、「車両運搬具」という勘定科目で仕訳をします。また、時間の経過と共に価値を償却していく「減価償却」の対象です。


減価償却は、購入価格を法定耐用年数で割って算出します。法定耐用年数は、普通乗用車が6年、軽自動車が4年です。例えば、300万円で普通乗用車を購入した場合、50万円(300万円÷6年)が1年間の減価償却費となります。


個人が車を売却する場合は、「事業主貸」または「事業主借」という勘定科目を使って仕訳をします。「事業主貸」とは、個人が事業主へお金を貸すという意味で、車の売却損が出たときに使います。一方「事業主借」は、個人が事業主からお金を借りるという意味があり、車の売却益が出た場合に使う勘定科目です。


直接法か間接法か


記帳方法には、車両の価格を減額させていく「直接法」と、車両の価格はそのままに減価償却させていく「間接法」があります。どちらの方法を使っても問題ありませんが、記帳方法を統一しておかなければ、計算にズレが出てしまうため注意が必要です。


税込か税抜か


車の売買を記帳するときは、消費税を「税込」にするか「税抜」にするか悩むでしょう。どちらを採用しても問題ないものの、課税事業者の場合には消費税の納付や還付を受けることがあるため、「税抜」での記帳をおすすめします。なお、「車両運搬具」を税抜で記帳した場合、消費税を「仮受消費税」として「貸方」に仕訳をします。


売却益か売却損か


車を売却したときは、帳簿に記載されている車両価格よりも売却額が上回る「売却益」または、下回る「売却損」が発生します。売却益の場合と売却損の場合で勘定科目が異なるため、注意が必要です。


法人の場合、売却益が発生したときは「固定資産売却益」として記帳し、売却損が発生したときは「固定資産売却損」として記載します。


個人の場合、売却益が発生したときは「事業主借」として記帳し、売却損が発生したときは「事業主貸」として計上します。


法人の場合の仕訳


法人が車を売却をした場合の直接法・間接法の記帳方法と、それぞれの税込・税抜の仕訳方法を見ていきましょう。なお、ここでは売却損が発生した場合を想定して計算しています。


直接法


直接法は、車両価格から減価償却費を減じた額を記帳する方法です。法人の場合には、車両を固定資産として扱うため、購入価格を耐用年数で割った減価償却費を経費として計上します。


税込


直接法・税込で記帳している法人が、車を売却したときの仕訳は次の通りです。


【条件:3年後に車両を売却】
・車両購入価格:普通乗用車150万円(税込・リサイクル預託金別)
・売却額:57万円(税込・リサイクル預託金込)
・減価償却費:75万円(税込)
・リサイクル預託金:2万円
・消費税:10%




税抜


直接法・税抜で記帳している法人が、車を売却したときの仕訳は次の通りです。


【条件:3年後に車両を売却】
・車両購入価格:普通乗用車150万円(税込・リサイクル預託金別)
・売却額:57万円(税込・リサイクル預託金込)
・減価償却費:75万円(税込)
・リサイクル預託金:2万円
・消費税:10%



間接法


間接法は、車両の価格をそのまま帳簿に残して減価償却させていく方法です。そのため、減価償却累計額を記帳します。


税込


間接法・税込で記帳している法人が、車を売却したときの仕訳は次の通りです。


【条件:3年後に車両を売却】
・車両購入価格:普通乗用車150万円(税込・リサイクル預託金別)
・売却額:57万円(税込・リサイクル預託金込)
・減価償却費:75万円(税込)
・リサイクル預託金:2万円
・消費税:10%



税抜


間接法・税抜で記帳している法人が、車を売却したときの仕訳は次の通りです。


【条件:3年後に車両を売却】
・車両購入価格:普通乗用車150万円(税込・リサイクル預託金別)
・売却額:57万円(税込・リサイクル預託金込)
・減価償却費:75万円(税込)
・リサイクル預託金:2万円
・消費税:10%



個人事業主の場合の仕訳



個人事業主が車を売却をした場合の直接法・間接法の記帳方法と、それぞれの税込・税抜の仕訳方法を見ていきましょう。なお、ここでは売却損が発生した場合を想定して計算しています。


直接法


直接法は、車両価格から減価償却費を減じた額を記帳する方法です。個人事業主の場合、車両の売却損が発生すると「事業主貸」という勘定科目になります。


税込


直接法・税込で記帳している個人事業主が、車を売却したときの仕訳は次の通りです。


【条件:3年後に車両を売却】
・車両購入価格:普通乗用車150万円(税込・リサイクル預託金別)
・売却額:57万円(税込・リサイクル預託金込)
・減価償却費:75万円(税込)
・リサイクル預託金:2万円
・消費税:10%



税抜


直接法・税抜で記帳している個人事業主が、車を売却したときの仕訳は次の通りです。


【条件:3年後に車両を売却】
・車両購入価格:普通乗用車150万円(税込・リサイクル預託金別)
・売却額:57万円(税込・リサイクル預託金込)
・減価償却費:75万円(税込)
・リサイクル預託金:2万円
・消費税:10%



間接法


間接法は、車両の価格をそのまま帳簿に残して減価償却させていく方法です。そのため、減価償却累計額を記帳します。


税込


間接法・税込で記帳している個人事業主が、車を売却したときの仕訳は次の通りです。


【条件:3年後に車両を売却】
・車両購入価格:普通乗用車150万円(税込・リサイクル預託金別)
・売却額:57万円(税込・リサイクル預託金込)
・減価償却費:75万円(税込)
・リサイクル預託金:2万円
・消費税:10%



税抜


間接法・税抜で記帳している個人事業主が、車を売却したときの仕訳は次の通りです。


【条件:3年後に車両を売却】
・車両購入価格:普通乗用車150万円(税込・リサイクル預託金別)
・売却額:57万円(税込・リサイクル預託金込)
・減価償却費:75万円(税込)
・リサイクル預託金:2万円
・消費税:10%



減価償却中に車を手放す際の仕訳



減価償却の期間中に車を手放すことは可能です。ただし、売却、廃車、乗り換えによって勘定科目が異なりますが、いずれも減価償却累計額で調整するという方法で記帳します。ここからは、減価償却の期間中に車を手放したときの仕訳について紹介します。


売却した場合


車を売却した場合には、「車両運搬具」、「現預金」、「売却損/売却益」、「減価償却累計額」で仕訳をします。耐用年数6年の乗用車を150万円で購入し、3年使用して50万円で売却した場合の仕訳は次の通りです。


・車両運搬具:150万円
・現預金:50万円
・減価償却累計額:75万円
・売却損:25万円


廃車にした場合


廃車にした場合は、「車両運搬具」、「廃車損」、「減価償却累計額」で仕訳をします。耐用年数6年の乗用車を150万円で購入し、3年使用して廃車にした場合の仕訳は次の通りです。


・車両運搬具:150万円
・廃車損:75万円
・減価償却累計額:75万円


乗り換えた場合


乗り換えた場合は、今まで乗っていた車と次の車に分けて仕訳します。耐用年数6年の乗用車を150万円で購入し、3年使用して50万円で売却し、新しい車を240万円で購入した場合の仕訳は次の通りです。


【今までの車】
・車両運搬具:150万円
・現預金:50万円
・減価償却累計額:75万円
・売却損:25万円


【新しい車】
・車両運搬具:240万円
・減価償却累計額:40万円


リサイクル預託金の仕訳も忘れずに


車を購入したときに支払う「リサイクル預託金」は、「有価証券」という扱いになるため、購入時も売却時も消費税が課されません。そのため「預託金」という勘定科目で仕訳されます。


ただし、リサイクル預託金の「資金管理料」は、支出の扱いになるため、廃車をする時に消費税が課税されます。廃車するときには、リサイクル預託金の資金管理料の消費税の扱いに気を付けましょう。

外車王編集部

執筆者: 外車王編集部


輸入車において総合的にサービス展開する外車王の知見を活かし、中古車の購入やお乗り換え、売却に関わる様々なノウハウをプロの視点でお届けしています。

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