2021年06月11日

自動車保険の内容はどれを選べばいいの?自分に合った保険内容の選び方

自動車保険には、強制保険とも言われる「自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)」と、任意で加入する「任意保険」があります。自賠責保険は、どの車も必ず加入しなければならない保険です。一方、任意の自動車保険は、自分に合った保険を選択できます。今回は、自動車保険の内容や、決めるときのコツを分かりやすく紹介すると共に、おすすめの補償も解説します。

自動車保険を正しく選ぶための予備知識



自動車保険の内容を正しく決めるためには、保険の基礎知識が必要です。そのため、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)と任意保険の違いを確認しておきましょう。

また、自動車保険によって、補償対象の範囲が異なります。補償対象ではない人には補償が適用されないため、補償対象の範囲を正しく理解しておきましょう。




自賠責保険と任意保険の違い



自賠責保険は、法律の定めにより加入が義務付けられている保険です。一方、任意保険は自賠責保険で補いきれない損害をカバーするための保険で、加入の義務はありません。しかし、多くの自動車が任意保険である自動車保険に加入しています。その理由は、自賠責保険では補償内容が十分ではないためです。

自賠責保険の補償内容は、「被害者」のみが対象となっており、傷害が120万円まで、死亡が3,000万円まで、後遺障害が4,000万円までとなっています。一見すると補償内容として十分かと思うかもしれませんが、実際の交通事故では、被害者だけでなく車や建物、車に乗っている同乗者なども負傷するため、自賠責保険の内容だけでは交通事故の損害賠償をカバーしきれません。

また、交通事故による損害賠償の判例では、約3億9,700万円(後遺障害)の判決が下された事例があります。つまり、自賠責保険だけでは、被害者に対する補償も十分ではありません。そのため、任意保険への加入が必要なのです。

任意保険は、自賠責保険の限度額を超えた賠償請求をされたとき、その超過分をカバーする保険です。任意保険では、事故の被害者に対する補償だけでなく、車や建物などのモノ、事故を起こしてしまった本人まで手厚くカバーしています。そのため、任意保険への加入は法律で義務づけられていないものの、必要性が非常に高いと言えるのです。


補償対象の範囲



自動車保険の補償対象の範囲には、「運転者」と「年齢」の2つがあります。

運転者の範囲は、「運転者限定特約」とも呼ばれ、保険会社により範囲の違いがあるものの、主に「限定なし」、「本人・配偶者限定」、「家族限定」の3つに分類されます。

【運転者限定の内容】
・「限定なし」:保険の契約者本人(記名被保険者)や記名被保険者の家族をはじめ、親戚や友人などが運転しても補償されます。
・「本人・配偶者限定」:記名被保険者とその配偶者のみが保険の対象です。
・「家族限定」:記名被保険者の家族が保険の補償範囲です。
※保険会社および契約内容により補償範囲が異なる場合があります。

年齢の範囲は、「運転者の年齢条件特約」とも呼ばれ、運転者の年齢により保険の適用範囲を限定します。年齢条件には、「限定なし」、「21歳以上補償」、「26歳以上補償」、「30歳(35歳)以上補償」の4つがあります。

「運転者限定特約」と「運転者の年齢条件特約」は、補償範囲が狭いほど保険料が割安になります。




自動車保険の選び方のポイント



自動車保険の任意保険を選ぶときには、どこに注目すれば良いのでしょうか。ここからは、任意保険の補償内容を決めるときのポイントを解説します。


自分に必要と考えられる補償を絞り込む



任意保険は、自分に合った補償内容か確認のうえ、比較検討しましょう。ここでは、代表的な自動車保険の補償をピックアップし、それぞれの必要性を説明します。


対人補償



対人補償は、契約した車の事故により、他人を死亡させたり、ケガをさせたりしたときに、自賠責保険で支払われる補償額を超えた分の損害額が補償されます。実際の交通事故の裁判では、自賠責保険の補償額を大幅に超え、約5億2,800万円の損害賠償が請求された事例あるため、「無制限」を選んだ方がよいでしょう。


対物補償



対物補償は、契約した車の事故により、車や塀など他人の財物を壊したり、公共交通機関などの運行を不能にしたりしたときの損害賠償金を補償します。対物は、自賠責保険で補償されない部分であり、実際の交通事故では、物の破損が伴うことが多いため、どの車も「無制限」で加入しておくとよいでしょう。


車両保険



車両保険は、衝突や当て逃げ、盗難やイタズラなど、契約している車に損傷を負った時に保険金が支払われます。車両保険には、自分の車に負った損傷を手厚く補償する「一般条件」や、自損事故などを対象外にした「車対車」といった条件の選択が可能です。車両保険は、自動車保険の中でも保険料が高額になりやすい補償のため、頻繁に車を運転する場合には、加入しておくことをおすすめします。


人身傷害補償



人身傷害補償は、契約している車の事故により、乗車中の乗員が死亡したりケガをしたりした場合に、治療費や休業損害・逸失利益などを補償します。自損事故などにより、乗員がケガをした際に必要となるため、加入しておくとよいでしょう。


無保険傷害補償



無保険傷害補償は、無保険車(対人賠償保険がついていない車)との事故で死亡または後遺障害が生じ、相手方から十分な補償を受けられない場合に保険金を受け取れる補償です。事故の相手の保険内容が十分ではないときに、必要になる補償であるため、付帯しておくことをおすすめします。


保険料とのバランスを踏まえて補償額を選ぶ



自動車保険の内容は、手厚いに越したことはありませんが、補償を手厚くすると保険料が高額になります。車を運転する環境や頻度に応じて、適切な補償額を設定しましょう。

ただし、対人補償と対物補償は、無制限がおすすめです。交通事故の損害賠償の判例で、数億円の判決が下されていることからも、対人補償と対物補償は無制限でなければ、損害賠償金を支払えなくなる事態が想定されます。




使用する可能性が高い特約を選ぶ



自動車保険には、さまざまな特約を付帯できます。ここからは、おすすめの特約をご紹介します。


弁護士費用特約



弁護士費用特約は、弁護士に相手方や保険会社との交渉を委任したり、相談したりする際にかかる費用を補償する特約です。弁護士は、過失割合に納得ができない、相場よりも高い損害賠償を請求されたなど、交通事故に関するさまざまなトラブルをサポートできます。


自転車障害特約



自転車傷害特約は、自転車に乗っているときの事故やケガを補償する特約です。自転車で転倒し、ケガや入院をした場合や、歩行中に自転車とぶつかって後遺障害が生じた場合などに補償されます。歩行中のケガも補償されるため、付帯しておくのがおすすめです。


ロードサービス特約



ロードサービス特約は、契約している車が事故や故障・トラブルなどにより走行不能となったとき、応急処置費用、運搬費用、宿泊費用、移動費用などが補償される特約です。万が一の時の心強い味方であるため、付帯しておくことをおすすめします。保険会社によって付帯条件が異なるため、それぞれの保険会社に確認しましょう。

外車王編集部

執筆者: 外車王編集部


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