2021年08月05日

カーシェア(カーシェアリング)は、マイカーを保有するよりお得なのか。各社の利用料金を解説

近年耳にするようになった「カーシェア(カーシェアリング)」は、マイカーを保有するよりお得なのでしょうかここでは、カーシェア業者の料金比較、どのような条件ならカーシェアがお得なのか、マイカーの所有やレンタカーとの違いを解説します。


主なカーシェア業者の料金比較


カーシェアとは、コインパーキングや駅の駐車場などに設置されているカーステーションに出向き車を借りるレンタカーサービスです。まずは、現時点(2021年6月)での主要カーシェア業者の基本料金や時間料金・距離料金、ステーション数を比較してみましょう。


【オリックスカーシェア】




【タイムズカーシェア】




【カレコカーシェア】



 


【d car share】




【TOYOTA SHARE】




【アースカー】




【カリテコ】




【エコロカ】




主要8社を比較してみると、基本月額料金800円前後、15分あたりの利用料金200円前後、1kmごとの距離料金15円前後が多いと言えるでしょう。


ここからは、各社の料金詳細や特徴を解説します。



オリックスカーシェア


オリックスカーシェアは、長時間の利用が業界最安クラスで、ユーザーの利用シーンに合わせて最適なプランを選べることが特徴です。長距離の移動だけではなく、ちょっとだけ乗りたい時にも使うことができます。さらに、居住地点の近くのカーステーションだけでなく、旅行先など全国約1,600拠点全てのステーションを利用することが可能です。


【料金システム】


基本的な料金システムは、「月額基本料+時間料金+距離料金-サービス料金」となっています。料金プランは、月に45分以上使う人に最適な「個人Aプラン」、使わない時の支払額が0円の「個人Bプラン」、月額基本料金が5年間無料になる学生向けの「学生プラン」の3つです。また、車の種類ごとに、「スタンダードクラス」「ミドルクラス」「デラックスクラス」「EVクラス」と分けられています。さらに、法人向けプランも用意されています。


【初期費用】


入会時に「ICカード発行手数料」が1,050円かかりますが、「IC登録手数料」は無料です。


【こんな人におすすめ】


オリックスカーシェアは、使った時間に応じて料金が請求されるシステムで、長時間パック料金を用意していることから、普段はあまり乗ることがなく、時々長時間レンタルをしたい人に最適です。


※オリックスカーシェアホームページより一部引用


タイムズカーシェア


タイムズカーシェアは、予約時に利用時間を指定するだけで、自動的に最大時間料金が適用されるため、利用時間が長くても料金がかかりすぎる心配がないことが特徴です。ステーション数は、国内最大規模となる1万ヶ所超です。


【料金システム】


料金システムは、「個人」「家族」「学生」「法人」の4つです。利用料金は車種によって「ベーシック」「ミドル」「プレミアム」の3つになっています。また、予約時に利用時間を指定するだけで、自動的に最大時間料金が適用される「最大時間料金」、一定の条件に該当している場合は、2時間分の時間料金の請求となる「ミニマムチャージ」を導入しているのも特徴です。


【初期費用】


初期費用は、入会時のカード発行料を1度支払うだけです。


入会時のカード発行料
法人以外:1,650円(1人/1枚)
法人:660円(1人/1枚)


【こんな人におすすめ】


最大料金や最低料金があるため、予約時間を長めにとっておけば追加料金を気にすることなく乗ることができます。また、ステーション数が多いため、日本全国どこに行っても手軽に借りることが可能です。出張や外出が多い方におすすめと言えるでしょう。


※タイムズカーシェアホームページより一部引用


カレコカーシェア


カレコカーシェアは、買い物や送り迎えなどの普段使いから週末のレジャーに至るまで「気軽に使えるカーシェア」であることが特徴です。カレコカーシェアは、予約時間が6時間以内の場合の時間料金は予約開始時間から利用終了時間までの使った分だけとなります。また、予約時間が6時間以内の場合の距離料金は発生しません。さらに、10分料金とパック料金を組み合わせて、自動的に最安の時間料金を適用するという最安料金の自動適用がされます。


【料金システム】


料金は「月会費+利用料金+距離料金-980円割引」で算出されます。


■月会費:980円(入会初月:0円)
■利用料金
・時間料金:6時間以内の予約・利用なら使った分だけの請求
・距離料金:6時間以内の予約・利用なら0円
・980円割引:月会費が0円の月は980円割引なし


時間料金は、車種によって「ベーシック」「ミドル」「プレミアム」「プレミアムプラス」の4つがあります。予約は、最短30分からとなっており、10分単位で時間の調整が可能です。料金プランは、一般的な使用頻度を想定した「ベーシックプラン」と数ヶ月に1回程度の利用者向けの「月会費無料プラン」があります。


【初期費用】


乗車カードの登録の登録が必要になりますが、SuicaやPASMO、おサイフケータイなどのFeliCaなどであれば、登録料が無料です。ただし、カレコカーシェアにてカードを発行する場合には、1,020円(1枚)の費用がかかります。


【こんな人におすすめ】


6時間までの利用であれば、距離料金が発生しないため、短時間で長い距離を走る人におすすめです。また、6時間以内の返却であれば、利用した時間分の請求になるのも嬉しいポイントでしょう。


※カレコカーシェアホームページより一部引用


d car share


dカーシェアは、ドコモが提供するカーシェアリングサービスで、複数のカーシェア・レンタカーの中から自分に合う車を選ぶことができます。また、ドコモユーザー以外の人も利用することが可能です。


【料金システム】


dカーシェアは、選択するカーシェア業者によって利用料金が異なります。dカーシェアが提携するカーシェア業者は、「オリックスカーシェア」「カレコカーシェア」「カリテコカーシェア」「トヨタシェア」です。詳しい料金は、各社の料金プランを参照してください。


【初期費用】


初期費用は無料となっています。dカーシェアを利用するためには、事前登録が必要になるものの、スマートフォンで免許証を撮影するだけであるため、非常に簡単です。また、会員審査は最短5分で完了するため、すぐに利用を開始できます。


【こんな人におすすめ】


スマートフォンから簡単に登録・利用できるため、手軽にカーシェアを始めたい人に最適です。また、初期費用や月額が無料であるため、カーシェアの使用頻度が低い方にも向いているでしょう。


※dカーシェアホームページより一部引用


TOYOTA SHARE


トヨタシェアは、スマートフォンひとつで簡単に使用できるカーシェアサービスで、トヨタの安全・安心と快適なサービスを受けられます。また、借りる車が全てトヨタであることも特徴です。


【料金システム】


料金は、「月会費+利用料金・距離料金」となっています。料金プランは、最低限の装備の車がラインナップされている「カジュアル」と最新の車両や先進安全装備が装着されている車を借りられる「ベーシック」の2つです。また、利用料金は「コンパクトクラス」「スタンダードクラス」「ミドルクラス」「ラグジュアリークラス」の4つに分かれています。


■月会費:0円(2021年6月時点はキャンペーン中のため無料)


【初期費用】


トヨタシェアは入会金が無料ですが、「TOYOTA SHARE」のアプリケーションをダウンロードし、会員登録しなければなりません。また、登録完了には1週間ほどの時間がかかるため、トヨタシェアを利用したい場合には、事前に登録を済ませておく必要があります。


【こんな人におすすめ】


トヨタシェアは、最新モデルや先進的な安全装備を装着したトヨタ車を借りられるため、新しい車に乗りたい場合に最適です。安全性の高い車を借りたいときにはトヨタシェアがおすすめと言えます。


※トヨタシェアホームページより一部引用


アースカー


アースカーは、シンプルな料金プランで使いたい時に格安で利用できることが特徴です。また、アースカーの共通会員ID(earthID)で、駐車場シェアサービス「特P」の利用できます。


【料金システム】


料金料金は、「時間料金+距離料金」というシンプルな価格設定です。


■時間料金:1,000円〜/6時間
※利用した時間と車種により料金が変わります。


■距離料金:10kmまで無料、以降10kmごと150円~。
10km以上走行した場合、10km単位で距離料金が発生します。


【初期費用】


アースカーは、入会金と月会費が無料です。カーシェアを利用した料金のみ請求されるため、毎月の出費を最小限に抑えられます。


【こんな人におすすめ】


アースカーは、月額料金がかからずに格安で借りられるため、短い走行距離で長時間利用したいのであればおすすめです。例えば、走行距離は家からショッピングモールまでの往復のみで、買い物に時間をかけ、多くの荷物を車で運びたいときに適しています。


※アースカーホームページより一部引用


カリテコ


カリテコは、名古屋を中心とした東海エリアに広がる名鉄協商パーキングにサービス拠点を置くカーシェアリングです。カリテコの車をレンタルしている最中は、車内に搭載されているMKPビジネスカードで名鉄協商パーキングが無料となるサービスを展開しています。その他にもポイントが2倍になるサービスやカーシェア連携サービスを提供しているため、一度登録すれば、さまざまな場所で車を借りられます。


【料金システム】


カリテコの料金プランは、「個人」「学生」「法人」の3つです。また、個人のユーザーには、「デラ乗り」と「チョコ乗り」の2つの利用プランを用意しています。


【初期費用】


インターネットでの入会金は無料ですが、ICカード発行には990円の費用がかかります。


【こんな人におすすめ】


カリテコは、名鉄協商パーキングが無料となるサービスを展開しています。車で買い物に出かけたときに必要な駐車場が無料になるのは、ユーザーにとってのメリットが大きいサービスです。名鉄協商パーキングを頻繁に利用する方におすすめです。


※カリテコホームページより一部引用


エコロカ


エコロカは、少人数で1台の車をシェアするカーシェアサービスも行っている業者です。利用料金も大手カーシェア業者よりも割安であるため、お得に車を借りられます。また、最短15分から借りられるのも特徴です。


【料金システム】


利用料金は、「基本使用料+譲渡料金+距離料金」の合計です。車両クラスによって譲渡料金が異なります。


具体的には、マーチであれば通常料金の15分あたり170円、パックでは6時間3,700円〜利用できます。プリウスの場合は、通常料金の15分単位あたり300円、パックでは12時間11,300円〜となります。


【初期費用】


エコロカの初期費用は「ICカード発行手数料」のほか、毎月「月会費」がかかります。費用は次の通りです。


・ICカード発行手数料:1,995円
・月会費:500円(利用料金に充当)


【こんな人におすすめ】


エコロカは、大手カーシェア業者よりも安い価格設定となっているため、短時間・短距離の使用がメインの場合に最適です。また、利用者の人数を限ったカーシェアサービスを展開していることから、車を雑に扱われる心配がなく、状態がよい車に乗ることができます。不特定多数の人が乗った車が苦手な場合には、エコロカが最適でしょう。


※エコロカホームページより一部引用


学生におすすめのカーシェアリングサービス



学生向けプランを用意しているカーシェア業者は、「オリックスカーシェア」「タイムズカーシェア」「カリテコ」です。各カーシェア業者の学生向けプランの料金は次のようになっています。


【オリックスカーシェア】




・クラスごとの料金



 


【タイムズカーシェア】




・クラスごとの料金



 


【カリテコ】




いずれのカーシェア業者も通常の個人契約より割安の価格設定になっていたり、月額基本料金が無料になったりします。


特に学生におすすめなのは、拠点数が多く月額基本料金が無料になる「オリックスカーシェア」と「タイムズカーシェア」です。


法人契約ができるカーシェアリングサービス


本記事で取り上げる8社の中で法人契約ができるカーシェア業者は、「オリックスカーシェア」「タイムズカーシェア」「カリテコ」の3社です。


各社の料金は次のようになっています。


【オリックスカーシェア】



 


【タイムズカーシェア】



 


・クラスごとの料金



■ミニマムチャージ



 


【カリテコ】




法人向けカーシェアでは、オリックスカーシェアがコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。


カーシェアリングは本当にお得?



カーシェアリングは、月々の費用の安さや点検・整備費用がかからないことからお得に感じるかもしれません。マイカーの購入やレンタカーの利用と比べて、本当にお得なのか比較してみましょう。


マイカーとの比較


カーシェアリングとマイカー購入を比較してみましょう。毎週末6時間ほど車に乗ることがあると仮定して比較をしてみると次のようになります。


【カーシェアリング】
■月額:17,160円
(内訳)
・月額基本料金:800円
・利用料金:17,160円(4,290円×4週間)
・無料利用料金:-880円
※タイムズカーシェアの例


【マイカー】
■月額:66,499円
(内訳)
・車両ローン金額:56,250円(元金:300万円、返済期間:5年、年利率:5%)
・自動車税:2,541円(排気量:1500cc=30,500円÷12ヶ月)
・自賠責保険:833円(24ヶ月:20,010円÷24ヶ月※2021年6月時点)
・自動車重量税:625円(車両重量:1.5トン=15,000円÷24ヶ月※継続検査2年)
・ガソリン代:6,250円(年間走行距離1万km、ガソリン単価150円、燃費20.0km/L)


車をローンで購入すると、毎月の返済額だけでカーシェア月額を上回ります。一方、一括購入した場合は、維持費だけで10,249円となるため、カーシェアの月額を下回ります。ただし、ここでの試算は点検・メンテナンス費用を加算していません。マイカーは、オイル交換や消耗品交換などが発生するため、カーシェアの月額と同等もしくは上回るでしょう。


結論としては、週末のみ車を使用する場合、マイカーを購入するより、カーシェアリングの方がお得と言えるでしょう。


レンタカーとの比較


カーシェアリングとレンタカーの料金を比較してみましょう。こちらも毎週末6時間ほど車に乗ると想定して試算します。


【カーシェアリング】
■月額:17,160円
(内訳)
・月額基本料金:800円
・利用料金:17,160円(4,290円×4週間)
・無料利用料金:-880円
※タイムズカーシェアの事例


【レンタカー】
■月額:27,560円
(内訳)
・基本利用料金:21,560円(6時間まで5,390円×4週間※通常料金)
・ガソリン代:6,000円(1回200km、ガソリン単価:150円、燃費:20.0km/Lで試算)
※タイムズレンタカー普通車コンパクトの参考数値、追加オプションなし


レンタカーは、カーシェアリングよりも時間単位が高いため、利用料金も高くなります。また、レンタカーの場合、満タン返しになることがほとんどです。そのため、借りるたびにガソリンを入れる手間やガソリン代がかかります。


結論として、借りる都度ガソリン代がかかるレンタカーよりも、短時間から借りられてガソリン代込みのカーシェアリングの方がお得と言えるでしょう。

外車王編集部

執筆者: 外車王編集部


輸入車において総合的にサービス展開する外車王の知見を活かし、中古車の購入やお乗り換え、売却に関わる様々なノウハウをプロの視点でお届けしています。

お車の買い替え」を
検討中のオーナー様へ
  • 買い替え時のお車のご売却は、
    下取りより買取専門店が断然オトク
  • 外車王なら輸入車専門だから、
    価値を見極めるノウハウで高額査定