悪者感漂うアルファ ロメオの怪物。濃いキャラクターの「アルファ ロメオ SZ」

実は結構いい奴?FRスポーツクーペ・SZの魅力とは

アルファロメオSZの元になったコンセプトカー「ES-30」が発表されたのは1989年、その同じ年にSZは発売されました。世界限定1000台、アルファロメオ、ザガート、フィアットの三社がコラボレーションして作られたモデルです。

SZだけの独立したコンセプトで企画され、前にも後にも続くモデルはないのですが、下回りの基本は75をベースにしています。ホイールベースは75と同じで、トレッドが広くなっています。

ボディパネルはプラスチックで、トランスアクスルです。また、車高が低いので、段差乗り越え用にコニのハイドロが組み込まれていて、一時的に車高を上げる機構も搭載されていました。


▲意外にもレーシーなメーター周り。ベリアのメーターに車高アップ機構のコーションランプが特徴的

アルファロメオとしては、FRはこのSZ以降15年ほども途絶えてしまいます。その意味でも一つの時代の節目を感じさせてくれるモデルといえるかも知れません。

エンジンは3リッターのV6で、NAで210PSです。1989年というと、例えばトヨタ・スープラの2リッターツインターボが210PS、3リッターターボが240PSというような時代でした。SZは当時のアルファ・ロメオでは最強のエンジンを積んだモデルだったのですが、大体国産スポーツカーと同じくらいの出力という感じでしょうか。まして400PSや500PSなんていうのが当たり前になってきた現代から見ると、そうものすごくハイパワーなスペックではないです。


▲角目六灯が醸し出す眼力。異形ライトを見慣れた目にも新鮮で強烈な印象

しかし、その見た目のインパクトは超強力です。

まるで中世の甲冑のような顔立ちは、「鉄仮面」と呼ばれたスカイラインRSをひと睨みで戦意喪失させてしまいそうな迫力を湛えています。四角くて小さくて六つも並んだ「眼」の様相もただごとではありません。香川照之さんにも、MI-6のバンコラン少佐にも負けない眼力です。そして、ほぼ垂直に切り落とされたようなテールには、横一文字の細く黒い帯のようなテールランプに、トランクリッドの細い垂直のラインが交差して、フロントに負けない斬新な存在感を醸し出しています。

幅の狭いトランクリッドは、上ではなく手前に開くタイプです。この車格のFRとは思えないほど容量は少ないです。トランクというよりスペアタイヤの収納場所で、それだけでほぼいっぱいなので荷物は入らないでしょう。


▲エレガントさの中にも厳つさを湛えたアルミホイール

全体としてはまるで塊のようにソリッドなフォルムで、華奢な部分がまったくないというか、とにかく強そうです。そして、ワルそうです。

クルマのイメージというか、キャラクターってありますよね。例えば主人公がプジョーの406だとしたら追いかけてくるコワい人は黒塗りのベンツだとか、そういうわかりやすく「いいもの」と「わるもの」が乗って似合うかどうか。そんなクルマのまとう雰囲気からいうと、SZは「絶対にいいものが乗って無さそう」な悪役感満載です。


▲短いオーバーハングのテールにはカーボンファイバー製のウイングが付く

いや、これは別に貶しているわけではありません。悪役にはとにかく「強い」という一発で伝わる強烈な印象が必要なわけですから、そういうキャラの立ったクルマということです。自動車界の悪役商会、みたいな。

「激突」というこわいこわいこわい映画がありましたね。人の居ないアメリカの荒野、主人公の乗った古いクルマが、大きな大きな大きなトレーラーに追いかけられますね……、と思わず淀川さん口調になってしまうあの映画も、もしも主人公が乗っているのがこのSZだったとしたら。きっと観客は感情移入しにくいんじゃないでしょうか。見るからに「小さく弱い乗用車」じゃないですからね。主人公もきっとあんな感じじゃなくて、蝶野正洋さんみたいな人じゃないでしょうか。多分余裕で逃げ切れるけど、敢えて逃げずに運転手をヤクザキックでボコボコにするとか、別の映画になってしまいそうな気がします。


▲Zagatoのエンブレム。車名のSZは「Sprint Zagato」のイニシャルから

最後に

そんな感じのSZですが(どんな感じだ)、クルマとしてはパワーも十分でハンドリングも自然な、良く出来たスポーツカーだと言われています。当時は新車で1000万円を超える高級車でもありました。生産開始からほぼ30年、元々が1000台限定ということもあって、いまや貴重なクルマです。

他に代わるもののない唯一無二の存在感。手に入れられる時間はもう、そう長くはないように思われます。「縁」を感じられたあなた、いかがでしょうか?

[ライター/外車王編集部]

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