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更新2019.09.30

平成生まれの20代のクルマ好きから見た、令和時代の日本のクルマ事情とは?

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長尾孟大

はじめまして。長尾 孟大(ながお・たかひろ)と申します。

都内に住みながら年間2万キロ、運転するのが日課なほどクルマが好きな24歳の社会人です。ドライビングスキルの差が顕著にでるカートにのめり込み、自分でチームを結成し、通年の耐久レースに参加しています。普段の生活では、学生時代より地域おこしの一環ではじめた古民家をリノベーションした田舎暮らし体験施設の運営と、法人向けに福利厚生のサービスを提供するスタートアップの立ち上げを行っています。

長尾孟大

今回、連載のお話をいただきとてもうれしく思っています。それは、以前からカーライフメディアの読者の方々に、クルマの魅力を知ってもらいたいと考えて活動している若者がいることを知っていただきたかったからです。

”若者のクルマ離れ”を食い止めたい


しかし、そんな僕は昔からクルマ好きだったわけではなく、教習所に通っているときには、クルマに強い興味をもてず免許を取るには半年以上の時間をかけていました。

転機になったのは5年前、赤城山へキャンプにいった際、バイクの走り屋に遭遇したときのこと。このとき、まったくバイクに追いつけなかったものの、クルマをアップテンポで走らせたときの秘めた面白さに気づいてしまったのです。

それ以降、クルマにのめり込むにつれ、同世代の「クルマ好き」が極端に少ない現状があるのに、なにもしていない自分に強い焦燥感を感じるようになりました。

周りには親の英才教育のもとになるべくしてなったクルマ好きが多いなかで、後天的にクルマ好きになった自分だからこそ気づいている、伝えられる、クルマの魅力があるのではないか?と思うようになりました。

そこでクルマ好きの20代4名で立ち上げたのが、"CARKICHI"(カーキチ)です。
https://www.carkichi.com/

この活動では「愛車文化の継承を目的」に、クルマ好きではなくても、クルマに興味を持ってもらえるようになること。さらに、カーライフに主眼をおいた映像発信をとおして、クルマ好きを増やす活動に力を入れています。

"CARKICHI"の由来は、今後5年以内にカーライフの魅力を知ってもらえるクルマの基地(複合施設)を作りたいという想いを込めおり、さらに「CARの基地」という意味を含めて"CARKICHI"と名付けました。

長尾孟大

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このままでは、クルマは残っても"クルマ好き"は残らない…


なぜ僕がこのような活動をしようと思ったのか?

それはいまの自動車業界が、消費者にクルマ本来が持っている魅力を提案ができていないと感じたからです。

「マーケットイン」といえば響きは美しいですが、業界がユーザーの声だけを聞き、まだ気づいていない、新しい価値を提案するような商品開発や情報発信をできていない現状が招いてしまった結果と感じています。

僕ら消費者に広告やさまざまなメディアをとおして伝わってくるクルマの価値は、単なる”移送手段”としか映りません。

それこそがクルマ好きが減ってしまった原因のひとつではないかと思います。しかし、移動手段のコストだけで比較したときに、駐車場代・保険代・修理代などの維持費や、税金のかかるクルマは他の移動手段に比べて割高です。目に見える必要性だけを訴えても、クルマを保有する理由にはなりません。

そこで、僕がもっとも伝えたいのは、クルマの価値は"移動手段"だけのつまらないものではない、ということです。

…と同時に、クルマは自分たちを新しい世界に繋いでくれる"相棒のような存在"であることを、もっと多くの人に知ってほしいのです。

クルマの魅力は"人との出会い"にこそあるはず


僕のなかでクルマを所有する一番の価値は、"人との出会い"です。

クルマという媒体を通して、いままでまったく出会う機会がなかった人たちや、電車やバスでは行けなかったところへ足を運んでみる。そんなクルマが中心にある体験こそが、僕ら若い世代を成長させてくれているのではないかと思っています。

そして、改めてこのクルマが秘めているこの魅力をもっと伝えていくことができれば、若者のクルマ離れの活路があるはずだと信じています。

"CARKICHI"の活動をしているなかで、地域や車種を問わず沢山のクルマ好きの方と出会い、インタビューさせていただく機会があります。その際、改めてクルマの魅力を伺ってみると、ドライブの楽しさだけではなく、クルマを媒体としたコミュニケーションや人との出会いに価値をおいている人が多いことを実感します。みなさんがオフ会に行かれたりするのも、仕事など普段の人間関係にとらわれない人との出会いを求めているからではないでしょうか?

長尾孟大

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気がつけば、いつの間にか"遠い存在"になってしまったクルマ...


僕がここまで危機感をもっているのには理由があります。

それは、若者のクルマ離れが読者の方々が想像以上に進んでいると感じているからです。

同世代の友人を誘ってドライブに行くと、クルマの魅力をしらないどころか、長距離を移動するのは初めてということも珍しくないのです。

学生時代、ゼミ合宿に行った際も、20名いたゼミの同期でもストレスなく運転できる人は5名しかいませんでした。かつて学生だった方々は、この現状が想像できるでしょうか?

クルマの所有を考える前段階で"若者のクルマ離れ"や"維持費が高い"というネガティブな情報を聞いて、自分たちとは縁もゆかりもない存在と思い込んでしまっている人が多いです。

しかし、そんな彼らだって、夜中に江ノ島までドライブしたり、車中泊で関東圏をグルッと回り、紅葉を楽しんで、牧場でアイスを食べて、温泉に入って、満喫したあとの帰り道では、俺「どんなクルマかおうかな?」「稼いだら俺もクルマほしいなー」と、興味を持ってくれます。

そして僕は思うのです。

「クルマ好きは減ってしまったかもしれないけれど、クルマ自体の価値は減ってないし、スマホやネットをはじめとしたコンテンツにはない魅力が確実にある。ただ、その価値を知ってもらえていないだけだ」と。

魅力さえ伝えることができれば、以前のようにクルマ好きが増えるのではないか?そんなふうに思うのです。

長尾孟大

自ら動かないで誰が動く?


ただ1つ、昔と異なる点は、以前のように情報源が限られ、選択肢が少なかった時代ではないことです。

選択肢が多い時代だからこそ、伝わりにくい魅力を伝える努力を積極的にしなければならないはずです。しかし、短期間で目に見える成果を求めているのか、大企業はそれをしようとはしません。

また、クルマは趣味の対象でありながらも、必需品であったというという特性から、"+ αの魅力"を伝えなくても売れてしまう。そもそも魅力を伝える必要が少なくなかったのだと思います。

大企業が行動しないなら、クルマ好き同誌が力を合わせて、最初は草の根の活動であっても、地道にクルマの魅力を伝えていくことが必要です。

それでは数が少ないし、そんなことやっても仕方ない…。クルマ好きの僕らがそう思ってしまったら最後です。クルマの魅力は後世に残らなくなってしまいます。

誰かが動いてくれる。誰かが変えてくれる。それを待っていては遅いのです。

沢山の選択肢があるなかでも、クルマの魅力を知ったら、はまり込んでしまう人、そんな人に秘めた価値を届けることで、クルマの魅力を次世代に繋いでいくことが自分たちの使命だと思っています。

長尾孟大

少しでも多くの人が愛車と休日を過ごす社会を作り、その喜びを皆と共有していくことが、僕たちがクルマにできる恩返しだと思っています。

[ライター・カメラ/長尾 孟大]

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