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コラム

更新2020.08.20

国産旧車のリメイクはこれからに期待!海外のリバイバルカー事情から学ぶ

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外車王SOKEN編集部

海外からのリバイバルカーが増える一方、日本のメーカーは正直そこは得意分野ではありません。そもそもリバイバルカーを出すのに必要な歴史自体に欠けているので致し方ありませんが、その歴史が積み重ねられてきたこれからの時代に向け、日本のメーカーも海外のリバイバル技術を学んでほしいものです。

「カローラ生誕50周年記念特別仕様車」に見る、コレじゃない感


2016年7月11日、カローラ生誕50周年記念特別仕様車「HYBRID G“50 Limited”」が発表されました。しかしその内容は、「初代カローラに設定されていたのと同じ色」のスポーツシートを設定し、「初代カローラと同じエンブレム」をシート背もたれやリア車名エンブレム下に配置しました、以上!

せめて、リアではなくフロントグリルに初代カローラのエンブレムを配置できなかったのか?「偉大なる普通」であるカローラ50年の歴史に、もっと敬意を払っても良かったのでは無いか?そう思ってしまうのです。現代の衝突基準や法規上の制約を考えれば、過去のデザインなんて無理!という声もあるでしょう。しかし、シートの色でお茶を濁したり、エンブレムはリヤだけ、程度で済ますならば、そもそもリリースすべきでは無かったのかもしれません。
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海外リバイバルモデルの気合たるや!?


その点、海外メーカーの名車に対する思い入れは、尋常ではありません。ボディサイズもメカニズムも何もかも違い、安全性なども最新の規制に適合させたクルマ。それなのに、「誰がどう見ても昔のあのクルマ!」なのです。しかも、それを「初代モデル」として、2代目3代目と発展させます。

日本車のリメイクのように、「途中までは似ていただろうに、何でそんな余計な事を!」と思わせてしまうような事は…フィアット500Xのように、「昔のチンクにそんなもん無かっただろ!」と言いたくなるケースも、確かにありますが。ベースがしっかりしているので、そこはご愛嬌というべきでしょう。

以下、登場するたびに驚かされる、海外リバイバルカーをご紹介します。

ポルシェ博士もビックリ?フォルクスワーゲン・ニュービートル


フェルディナンド・ポルシェ博士渾身の名作にして超ベストセラー、フォルクスワーゲンタイプI・通称「ビートル」は、空冷フラット4エンジンをリアに搭載した後輪駆動車です。それを水冷直列4気筒、あるいはV6エンジンをフロントに横置きした、前輪駆動車「ゴルフ」をベースに再現したのは驚きました。現代的なリファインで部分部分は全く異なるとはいえ、複数の円弧を切り取って繋いだようなスタイルは、全体で見ればまさに「ビートル」そのものです。

それほど完成度の高かった「ニュービートル」のデザインは、3ドアゆえに後席への乗り降りは不自由、などゴルフの実用性を犠牲にしてまで実現しました。Aピラーの丸みが原型以上のため、違和感を感じるほどの奥行が深いダッシュボードも、一輪挿しに目が止まると、「そうそうビートルと言えばこれだよ…」と、気づきます。ラゲッジスペースもザックリとミニマム化されていますが、「ビートルというデザイン」で選ぶという人なら、この程度の不便は問題とならないでしょう。

スバルも大失敗に終わったR2やR1ではなく、360にソックリだったコンセプトカー、「エルテン」をそのまま発売していれば、数少ないリメイク成功例となれたかもしれません。なお、ニュービートルから車高を下げた2代目「ザ・ビートル」も、現代的なスポーティイメージとビートルのイメージを、巧妙にミックスしています。
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メーカーが変わり、大きくなってもミニはミニ




2000年に旧ミニが生産終了した翌年、BMWがリリースした「ニュー・ミニ」も驚きでした。どうしても最初は「でかい!こんなのミニじゃない!」と思ってしまいます。しかし、空力を考慮して全体的に流線型となりつつも丸いヘッドランプ。真ん中にバンパーラインが横切るも、明らかにミニであるフロントグリル。意識的に立たせたようなAピラー上のルーフが白く染まり、ユニオンジャックが描かれればミニそのものです。

筆者の友人が所有するオースチン・ミニクーパーSを借り出して比較すると、確かにボディサイズやサスペンション、排気量の違いから、その差は歴然です。でもどこか似ている新旧ミニ、その雰囲気の原因はセンターメーターでした。ニューミニのセンターパネルには、旧ミニ以上の巨大なセンターメーターがドーン!「メーカーは違いますが、これはミニなんです!信じてください!」という想いが伝わり、旧ミニに敬意を払った事も嬉しくなります。

ニューミニは3代目でついに、メーターがステアリング奥へと普通の配置になりました。しかし、センターには同じ形状でマルチインフォメーションディスプレイが鎮座し、相変わらずミニである事を主張しています。このへんが、「これはダイハツ・コンパーノのリメイクです!ミニのオマージュじゃないんです!」と言っていたダイハツ・初代ミラジーノとの違いでしょう。さすがにミラジーノには、巨大なセンターメーターはありませんでした。

チンクの魂500まで、まさにデザインの妙




「チンクチェント」という名前は90年代に1度復活しましたが、あくまで普通のコンパクトカー。2007年に仕切り直して復活したニュー・チンクは、50年代デビューのヌォーバ・チンクと同じデザインテイストで、ルパンIII世が乗ってもちゃんと似合いそうです。しかも嬉しい事にヌォーバ・チンクと同じ2気筒エンジンもちゃんと準備!もちろん、かつての空冷2気筒479ccエンジンではありません。最新の「ツインエア」水冷2気筒875ccダウンサイジングターボです。

その「2気筒ゆえの振動」も、そうだよチンクはそれでいいんだよ!と、好き者には嬉しい事このうえありません。FFでありながら「チンクとしか言いようが無い」エクステリアデザインに、あえてヌォーバ・チンク同様の簡素な単眼メーターに見せたかった、シングルメーター風マルチファンクションディスプレイが泣かせます!日本車には「このメーター懐かしい!」と思わせるほど特徴的なメーターはありませんが、ヌォーバ・チンクでもそれは同様なはずです。それなのに、ニュー・チンクでこれだけ手間をかけて、「チンクのメーターと言えばこれでしょ!」と説得力を持たせたところが、まさにデザインの妙だと言えます。
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これからの日本車に期待したいリメイク


日本車で代表的なリメイクと言えば、名車360のリメイクを目指した、スバル・R2とR1でしょうか。R1はてんとう虫(スバル360の別名)と並べた広告も作りましたが、商業的には大失敗でした。ハコスカとケンメリを足して2で割ったような、日産・IDXコンセプトはかなりイイ線ついていましたが、市販予定が無く本当に残念です。

S30型日産・ フェアレディZならば、リメイクすれば北米のファンから大反響を呼ぶかもしれません。次期フェアレディZはメルセデス・ベンツとの共同開発ではなく、日産オリジナルというニュースも入っていますし、現代の技術で初代「Z(ズィー・カー)リメイク」、となれば面白そうです。

あとはトヨタにいつか、「ヨタハチ」ことスポーツ800をリメイクしてほしいですね。FT86のような大きくて重いFRスポーツではなく、水平対向でも最小の1.5リッターエンジンを搭載。非力でも空力に優れた軽量FRスポーツならば、かなりヨタハチらしくなると思います。

[ライター/CL編集部]

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