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中古車の豆知識

更新2022.10.05

ボルボは本当に事故に強いのか。事故に対する考え方と安全性について

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外車王SOKEN編集部

質実剛健なデザインと、安全性が高いというイメージから、ボルボを購入したいと考える方も多いと思います。何故ボルボは安全性が高いと言われるのか、近年ではデザインも洗練されてスマートになったボルボは昔のイメージのまま安全性が高いのかを解説します。また、事故を起こしてしまった場合のボルボの修理費なども紹介していきます。


ボルボが事故に強いとの噂は本当?



ボルボが事故に強いという噂はよく聞くかと思いますが、実際にボルボで事故の体験をされた方は少ないはず。では何故ボルボは事故に強いと言われることが多いのでしょうか。


その理由の一つとして、最近発生した事例をあげてみましょう。韓国で高速道路を飲酒運転で逆走していたトラックとボルボが正面衝突する事故がありました。


トラックは大破し、運転手は足の骨折などの大怪我をしましたが、ボルボに乗車していた家族は首部分や手首の痛み、腹痛のような軽度の怪我で済みました。
ちなみに、事故にあったボルボXC90は、イギリスの調査機関の2018年の調査結果で、2002年に発売されて以降1人の車両事故死亡者も発生していないことがわかっています。


参考:もっと!コリア


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ボルボの事故に対する考え方


「一部の顧客を失ったとしても、安全のために」これは、ボルボのセーフティ・センターの責任者の言葉であり、ボルボのアイデンティティとも言える安全哲学に基づく、事故への考え方です。


ボルボは、2020年以降発売のボルボ全車に180km/hの最高速度制限と、2021年以降発売のボルボ全車に ケア・キーを採用しました。「ケア・キー」とは、高齢のドライバーや経験が浅いドライバーが運転する場合を想定して、各個人ごとに任意制限速度の情報をキーに記憶させるものです。


また、ドライバーの酩酊具合をドライバーモニタリングカメラとその他のセンサーで判断し、死亡・重傷事故のリスクがある場合は車両を停止させる機能も導入予定です。


これらは、各国の道路交通に伴う法律の制限を超えた対応となるため、そこまでの権利が自動車メーカーにあるのかという意見も多く寄せられ議論となりました。しかし、ボルボは「自動車メーカーには、交通の安全を向上させる責任がある」として方針を変更しませんでした。この頑なまでの安全へのこだわりを含めて、これまでのボルボの安全への取り組みを紹介します。


Vision2020を宣言


ボルボ・カーズの社長兼CEOであるホーカン・サムエルソンは、2007年に「Vision 2020」を宣言しました。その内容は「2020年までに、新しいボルボ車に搭乗中の事故による死亡者、そして重傷者をゼロにする。」というものです。


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日本の交通死亡者数は、世界と比べて少ないと言われており、2019年には1948年からの統計開始以来、最も少ない3215人となりました。


また、世界の交通事故死者数は2016年の統計で135万人だとされています。ボルボ車限定とはいえ、死亡事故をゼロにするというのはかなりの困難な目標であることがわかるかと思います。それでもボルボは「交通死亡事故ゼロ」にこだわり、自分たちの安全への哲学を貫き通すべく研究・開発を行っています。


参照:警察庁 統計表 2019年 交通事故死者数


E.V.A.プロジェクトの立ち上げ


「クルマはすべての人を守るべき」というスローガンのもとに、ボルボはE.V.A.プロジェクトを立ち上げました。E.V.A.とは“Equal Vehicle for All”の略で「平等に安全なクルマ作りのために」という合言葉を表しています。


他の多くの自動車メーカーは、男性の衝突実験用ダミーを使った実験データに基づいてクルマの設計をしています。しかし、車のユーザーは男性だけではありません。1970年代から実際の事故データを収集しているボルボの事故調査隊は、衝突中に男性だけではなく、女性や子どもにも何が起きるのかを調査しています。その調査結果をもとに、体の小さな女性や子どもであっても、むち打ち症などを軽減できる車作りに取り組んでいます。


この「E.V.A.プロジェクト」には、非常に画期的な点があります。それは、ボルボが独自の事故調査やその他の研究・調査によって蓄積してきた安全に関する情報を、自車の開発だけに活かすのではなく、デジタルライブラリーとして公開し、誰でも容易に利用できるようにするという取り組みです。この「誰でも」には、ほかのライバル自動車メーカー・サプライヤーなども含まれており、ボルボ自身が「利用を推奨したい」と呼びかけをしています。


参照)ボルボ公式「E.V.A.プロジェクト」


ボルボ の買取相場についてチェックする >

ボルボの事故で重傷者と死亡者が少ない理由



「ボルボの設計の基本は、常に安全でなければならない」


これはボルボの創業者アッサル・ガブリエルソンとグスタフ・ラーソンの言葉です。ボルボの車作りは、安全性を何よりも優先しており、けっして揺らぐことのないボルボの哲学となっています。ボルボは、この安全哲学に従い、今では当たり前の安全装備の数々を他メーカーに先駆けて導入してきました。


その結果、ボルボの死亡事故の件数は非常に小さいものとなっています。ボルボが導入している安全装備の歴史を簡単に紹介します。


3点式シートベルトの採用


3点式シートベルトは、世界中で装着が義務付けられています。この3点式シートベルトは、ボルボが今から60年前の1959年に初めて導入しました。当時は、腰回りだけの2点式シートベルトが主流でした。


そのため、導入当初は装着が面倒くさい・上半身が拘束されて運転しづらいなどと、散々な酷評をされたそうです。しかし、ボルボはこれを世界で初めて導入しただけではなく「誰もがこの技術の恩恵を得られるように」と、何と特許を無償で開放しました。このことが、3点式シートベルトの普及のきっかけとなり、世界中で採用されて事故時の安全性が大きく向上することとなりました。


ボルボは、この3点式シートベルトによって100万人以上の人の命を救ってきたと言われ、ドイツの特許登録機関は「1885年から1985年の100年間で人類に大きく貢献した8つの最も重要な発明のひとつ」に、この3点式シートベルトを挙げています。


3点式シートベルト以外に、ボルボが開発・いち早く採用してきた技術について詳しく紹介します。


・1972年 - 後ろ向きチャイルドシート
ロケットの打ち上げ時に、身体や首にかかる大きな力を分散させるために宇宙飛行士たちが背中を下にして飛び立つ姿に着想を得て、ケガのリスクを最小限に抑える後ろ向きチャイルドシートとして採用しました。


・1978年 - ブースタークッション
子どもたちが正しい位置でシートベルトを着用できるようにするためのブースタークッションを開発し、保護力と快適性を高め、4歳からの子供たちが前向きに座り安全に移動できるようにしました。


・1990年 - 世界初のインテグレーテッド・ブースタークッション
インテグレーテッド・ブースタークッションは、体重15~36 kg、身長97 cm以上の子どもの安全を守るために特別に設計されたものです。シートベルトと共に使用することで、着座位置が高くなり、腰回り・胸・肩にシートベルトが正しい位置になります。


・1991年 - SIPS(側面衝撃吸収システム)
ボルボはSIPSで安全性を大きく一歩前進させました。車体構造の一部として組み込まれたこのシステムは、内部の高強度構造と衝撃吸収素材・フロアのクロスメンバー・強化シートによって構成されていました。


・サイドエアバッグ
1994年には世界初のサイドエアバッグを開発し、それを採用したボルボ850シリーズはメディアから「世界で最も安全な車」と称され大成功を収めました。


独自の事故調査チームを編成


ボルボは1970年から活動を開始し、2020年で設立から50周年となる「ボルボカーズ・アクシデント・リサーチ・チーム」と呼ばれる「事故調査チーム」を持っています。事故現場調査員は24時間体制で待機し、本社のあるイェーテボリ周辺でボルボ車が関係する事故が発生すると、昼夜を問わず出動し、発生原因から天候・乗員の様子など詳細に記録し分析を行います。


詳細データは、製品開発チームと共有され、次期モデルの新技術の開発と実装に活用するというサイクルが確立されています。


City Safetyの導入


「City Safety」とボルボが呼ぶ、完全停止までブレーキをアシストする衝突回避・軽減フルオートブレーキシステムを日本で初めて設定したのはボルボだということをご存知でしょうか。


これは、ウインドスクリーン上端に装着されたレーザーセンサーにより車両前方の交通の感知を行い、衝突の危険性が差し迫るとブレーキをかける機能です。この技術は、国内メーカー各社も実現できていたものの、導入を躊躇していました。しかし、ボルボは事故統計データを元に所管の国土交通省との数多くの折衝を行うことで、初導入を果たしました。


その後の普及ぶりを見れば、いかに有用で望まれた機能であるかは語るまでもないでしょう。


むち打ちのリスクを軽減するシート


自動車事故において、骨格や身体の強度の違いから、男性と比較して女性がむち打ち症になるリスクが高くなっています。しかし、ボルボは独自の頑丈なヘッドレストに頭部と脊椎の両方を保護する独創的なシート構造を組み合わせたWHIPS(後部衝撃吸収リクライニング機構付フロントシート )を採用しているため、むち打ち症になるリスクの男女差をなくしています。


インテリジェントな安全シールド


女性の場合、胸部の骨格や強度の違いから、自動車事故の際に胸部に怪我を負うリスクも男性よりも高くなっています。


ボルボは、最適な保護機能を目指してクルマの構造やシートベルト、サイド・エアバッグの開発を重ねています。乗員が受ける衝撃を最小限に抑えられるようボルボが開発した画期的なSIPS(側面衝撃吸収システム)は、衝撃を分散・吸収するインテリジェントな構造です。


また、SIPSがサイド・エアバッグと連動することで、性別や体格を問わず、胸部に重傷を負うリスクが50%以上も低くなっています。


頑丈な設計


ボルボはよく「ボディが頑丈な車である。」と言われます。「頑丈」と言われるボルボ車と日本車の「頑丈」は何が異なるのでしょうか。それは、想定している速度域と衝突する対象の違いと言えるでしょう。


日本車の想定している速度域は、制限速度の最高である時速100km+アルファです。また、衝突する対象は歩行者で、成人男性であれば70kg前後となります。この想定に対しての事故で安全に保つためには、いかにクラッシャブルゾーンをうまく潰すかと、それによって歩行者と運転者双方への衝撃をいかに吸収するかが重要になります。


対して、ボルボは欧州のアウトバーンでの時速200kmで走り続けるという日本にはない速度域での衝突での対応を想定しています。また、特徴的なのは、本社のあるスウェーデンに多く生息する体重250~850kgにもなる超大型ヘラジカとの衝突を想定した設計にもなっていることです。


これらの条件に対応するには、衝突したときにクラッシャブルゾーンがうまくつぶれなければなりません。ただし、それ以上にドライバーや家族が乗車しているキャビンの周りがつぶれることのない頑強な作りであることが求められます。このような方針での設計になっているため、結果的に安全性が高くなっているのです。


それを証明するように、崖から自車を落下させつつも、ドライバーや家族が乗車しているキャビンは変形もせずに無事というTVCMを放映しました。そのことからも、ボルボが、ただのイメージで「頑丈な車」と言われているわけではなく、本当の意味で「頑丈な車」と言えることが理解できるでしょう。


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ボルボの事故にかかる修理費の相場



これまで、ボルボがいかに事故に強いか、事故を起こしにくいかということを紹介してきました。事故には誰しもあいたくないものですが、万が一事故をしてしまった場合に、ボルボはどの程度の修理費がかかるのかを紹介します。


軽い傷を修理する場合


外国車は、修理費が高額そうというイメージがあるかと思いますが、再ペイント程度の軽い傷であれば同クラスの日本車の料金と比べてほとんど変わらず、30,000円から50,000円程度となるケースが多いようです。ただし、修理費用の総額には時間あたりの工賃単価が大きく影響します。


修理工場によっては、外国車ということだけで国産車よりも2〜3割割高な料金設定になっていることもありますので、しっかりと見積をしてもらってからの修理をおすすめします。


深い傷を修理する場合


壁や電柱などに擦って凹みまでできてしまったような、板金やパテでの修理も必要となる深い傷の場合でも、軽い傷と同様に修理が出来るケースが多いようです。また、同クラスの日本車の料金と比べてほとんど変わらない50,000円から100,000円程度で修理できるケースもあります。


バンパーやフロントの大破を伴う修理の場合


追突などをしてしまい、バンパーやフロントの大破を伴う修理の場合には、各パーツが輸入されるもので高額となるケースが多く、国産車よりもかなり割高な500,000円から2,000,000円程度となるケースが多いようです。また、ボルボの年式・パーツの種類によっては日本国内に欠品しているなどで、修理までに時間を要するケースもあります。


ただし、先に紹介したようにボルボはボディが頑丈なため、フレームをしっかり修正することで、事故前と同等の走行性能に回復できることが多いです。そのため、大切な愛車を修理する場合には、十分な技術がある修理工場を調べて修理を依頼することをおすすめします。


事故のリスクを抑えたい方はボルボを検討しましょう


車選びにおいて安全性が重要なポイントだと考えているのであれば、ボルボは非常におすすめの自動車メーカーです。安全性への高い理想と意識を持ち、事故が起きてしまった場合に運転者の怪我のないようにとのパッシブセーフティー技術だけではなく、事故を起さないようなアクティブセーフティ技術も合わせて磨いてきたボルボは、事故のリスクを抑えて楽しいカーライフを送りたいユーザーのみなさんに最適です。


今乗っている車を売却して、安全性の高いボルボへの乗り換えを検討されているのであれば、創業より20年間輸入車に特化して買取を行っている外車王での売却をおすすめします。外車王は、どんな輸入車でもその価値を適切に査定を行い、納得の売却が可能です。ぜひご検討ください。

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