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中古車の豆知識

更新2025.04.25

輸入車のvinコードとは?調べ方やコードの読み方、利用シーンを解説

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外車王SOKEN編集部

欧州や米国の輸入車では、個々の車輌を識別できる「VINコード」が採用されています。VINコードを知っているだけで、正確なモデル年式がわかるだけでなく、パーツの適合確認や車輌履歴の調査まで可能になります。この記事ではVINコードとは何か、記載箇所や読み方、利用シーンなどについて詳しく解説します。


VINコードとは


フォルクスワーゲン ポロ


VINコードとは、個々のクルマに割り当てられる車両識別番号(VIN=Vehicle Identification Numberの略称※以下、VINコードのことです。主に欧州や米国のクルマで採用されており、国産車における「車台番号」がVINコードに相当します。


VINコードは国際標準化機構(ISO)によって定められており、17桁の英数字で構成されています。この17桁の英数字に生産国やメーカー、ボディタイプや年式、組立工場などの情報が付与されており、同一のVINコードは存在しません。同じ年式のモデルでもそれぞれ異なるVINコードを持ち、個々の車輌情報を判別できるようになっています。


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VINコードの記載箇所


フィアット 500


VINコードは車輌のいくつかの箇所に記載されています。輸入者メーカーやモデルによって異なりますが、下記のいずれかの箇所で確認できます。


フロントガラスの下部(運転席側のダッシュボード):一般的な記載箇所
運転席側のドア開口部:ステッカーや金属プレートに刻印されている
フロントエンジンのボンネットの下部や内装パーツ:一部の車輌で刻印されている


記載箇所がわからないときは、メーカーのサイトやクルマの取扱説明書などで確認してみてください。


VINコードの読み方


VINコードの読み方


VINコードを構成する17桁の英数字にはそれぞれ意味があります。


メーカーによって違いはあるものの、多くの場合、下記の要素で構成されています。


例:JN1PKD81GCA123456


(3桁のWMI)+(6桁のVDS)+(8桁のVIS)の計17桁の英数字で構成されます。


1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

WMI

 

 

VDS

 

 

 

 

 

VIS

 

 

 

 

 

 

 

国・メーカー

 

 

車輌属性

 

 

 

 

チェックディジット

モデル年式

工場

各車輌の製造連番

 

 

 

 

 

J

N

1

P

K

D

8

1

G

C

A

1

2

3

4

5

6


 


・1~3桁目(WMI:World Manufacturer Identifier):世界各国のメーカーに割り当てられる世界製造業者識別コードで、生産国やメーカー、製造部門を表す。1桁目のコードは国を表し、米国製は1・4・5、日本製はJで始まる


・4~9桁目(VDS:Vehicle Descriptor Section):ボディタイプ、エンジン形式や車輌モデルのシリーズといった詳細な車輌属性を表す。各社が独自の方式でコードを使用しており、メーカーにより見方が異なる。9桁目はVINを検証するための記号


・10~17桁目(VIS:Vehicle Identifier Section):当該車輌を特定するために使用される識別コード。10桁目はモデル年式(モデルイヤー)、11桁目は組立工場、12~17桁目は各車輌固有の製造連番を表す


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VINコードのモデルコード表


VINコードのモデルコード表


VINコードのうち、生産国とモデル年式のコードはおおむね共通しています。


生産国のコード表


VINコードの1~3桁目は世界製造業者識別子(WMI)で、1桁目は生産国に割り当てられています。WMIの最初の文字を見ると、クルマの生産国を判別できます。


1桁目

145

アメリカ

2

カナダ

J

日本

L

中国

K

韓国

W

ドイツ

V

フランス

Z

イタリア


モデル年式のコード表


年式コードは1980年がAで始まり、2010年になるとまたAから始まります。同じコードが異なる年式を示す可能性があること、I・O・Q・U・Zと数字の0は使用されない点に注意が必要です。正確な年式を特定する際は、他の情報とあわせて確認してください。


10桁目

年式

10桁目

年式

10桁目

年式

A

1980/ 2010

L

1990/2020

Y

2000

B

1981/ 2011

M

1991/2021

1

2001

C

1982/ 2012

N

1992/2022

2

2002

D

1983/ 2013

P

1993/2023

3

2003

E

1984/ 2014

R

1994/2024

4

2004

F

1985/ 2015

S

1995/2025

5

2005

G

1986/ 2016

T

1996/2026

6

2006

H

1987/ 2017

V

1997/2027

7

2007

J

1988/ 2018

W

1998/2028

8

2008

K

1989/ 2019

X

1999/2029

9

2009


なお、輸入車のモデル年式とは製造されたおおまかな年を表します。米国ではその年の半ばから、欧州では9月頃から翌年のモデル年式が切り替わる点に注意しましょう。


輸入車のVINコードの利用シーン


輸入車のVINコードの利用シーン


 


日本車国内で販売されている輸入車では、車検証を見ても車輌の細かい情報を確認できないことがあります。特に下記のようなシーンでは、VINコードを利用した車輌情報の特定が役立ちます。


部品を注文するとき


輸入車の修理やメンテナンスで部品を注文をするときは、車輌の「モデル年式」がわかるVINコードがあるとスムーズです。


輸入車のモデル年式は製造年を表すため、車検証に記載の「初度登録年月(日本国内に輸入されて初度登録された年月)」とはタイムラグが生じます。輸入車はたった1年のズレでも使用パーツが異なることがあるため、部品発注時には初度登録年月ではなく、モデル年式の確認が不可欠です。


VINコードがわかれば正確なモデル年式が特定できるため、車輌に適した部品の発注が可能です。個人で部品の取り寄せをすることも容易になるため、古い輸入車をカスタムする際にも役立つでしょう。


中古輸入車を購入するとき


中古輸入車を購入するときもVINコードは役立ちます。


上述したように、輸入車の初度登録年月とモデル年式にはズレがあります。特にズレが生じやすい並行輸入車では初度登録に代えてモデル年式の表示が定められていますが、正規輸入車ではそのような定めがありません


たった数年のズレでも部品が異なる可能性があるため、中古輸入車の購入時には正確なモデル年式の把握が重要です。


また、VINコードによって正確なモデル年式のほか、エンジンの形式や組立工場といった情報も確認できます。欧米の検索サイトで個別車輌の情報を入手することも可能です。海外のサイトで「VIN lookup」「VIN Decoder」などと検索し、VINコードを入れて情報をチェックしてみてください。


【VINコードを活用できるサイト例】
NHTSA
AutoZone


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まとめ


まとめ


VINコードは、輸入車におけるマイナンバーのような役割を持つ識別番号です。車検証だけではわからない個別の車輌情報を特定できるため、部品の発注や中古車の購入時に役立ちます。


VINコードはフロントガラスの下部など車輌に記載されていますが、わからなければメーカーや販売業者に問い合わせる方法もあります。輸入車を検討している人は事前にVINコードを把握しておき、詳細な車輌情報を取得しておくと安心です。

外車王SOKENは輸入車買取20年以上の外車王が運営しています

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