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よもやま話

更新2023.11.22

クルマが呼ぶ。大分県日田市でのトヨグライドのコロナとの出会い

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中込 健太郎

絶賛発売中の660マガジン最新号。私も寄稿させていただいております。軽自動車の雑誌ですが、単に経済性の高い乗り物というのではなく、いろいろある選択肢の中で、もっと自由に、もっと幅広い可能性を見出してみませんか?という提案をしていきたい。そんな内容になっています。私は例によって(!!)軽自動車であちこち旅に出る。そんなことをさせていただいています。

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今回は九州黒川温泉まで行ってみました。昨年の震災で、黒川温泉もだいぶ被害があり、それ以上に客足が遠のいたとのこと。それを打開するために、クラウドファンディングで、湯めぐりの手形を売っていたので、以前から一度訪ねてみたかった筆者は、行く当てもないのに、とりあえず買ってみたのでした。その手形でお風呂に入りに行く。それだけの理由で飛び出したというわけです。(そのあたりのことは誌面で読んでいただけたら嬉しいです。)

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しかしそんなざっくりした旅でも出かけてみるといろいろな出会いがあるものです。今回もありました。出会いが。しかも面白いもので「クルマが呼ぶ」のです。誌面では、軽自動車の雑誌なので、この部分が割愛されていますが、今回は「トヨグライドのコロナ」が私を呼んだというのが実のところなのです。

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我が家から熊本の黒川温泉、距離はちょうど1200kmほど。1100kmを超え、あと40kmほどという大分県日田市内を走っていたところ、少し山間にクルマを進めたところで古風なモータース風のクルマ屋さんの前を通ると、店内に古いクルマが多数並んでいるのが見えました。初代キャロルが2台、フロンテクーペ、3輪トラックや、ダルマセリカなど、いわゆる「#看過できない」かんじなわけです。

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当初一旦は通り過ごしました。しかし、です。ふらふらと走り回っている小生でもせっかく1000km以上走ってやってきて、もう一度来るといってもなかなか今日の明日で来られる場所ではありません。500mくらい行ったところで引き返し、このよもやま話で紹介するのでもいいし、写真だけ撮らせてもらおうと思いました。

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クルマをお店の前につけ「こんにちは!ちょっと見せていただいてもいいですか?」というと中からどうぞどうぞと見せていただけることに。どれも綺麗。そして「みんなエンジンもかかりますよ」と、いろいろエンジンをかけて見せてくださいました。そこは日田市内でクルマ屋さんを経営する「奥谷自動車商会」さん。聞けば「先代がここで開業しましたが、今は市内に拠点を移しました。ここにあるのは皆僕と同い年のクルマなんです。この集落の古くからのお客さんもオイル交換したい、車検はどうしたらいいかと持ってくるので今も閉められないので開けてますが、ここは窓口だけな感じですかね。」とのこと。お話してくださったのは奥谷社長。その心意気がほっこりするではありませんか。

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店内をぐるっと見回すと、その一軍とは反対側にもう一台きれいな旧車がいます。トヨペット・コロナです。とてもきれいな一台。これは素敵だ、と思い「これも見せてくださいというと」奥谷社長は、クルマ磨きの作業の手を停め開けてくださいました。「実はこれトヨグライドなんです。」今では当たり前ですが、2ペダル。ノークラッチ。いわゆるオートマチックのはしりとでも申しましょうか。トヨタはこのころ各車にトヨグライド仕様を設定していましたが、そのクルマの価格(コスト)や性能に見合った仕様のオートマチックがありました。2000GTにも設定があったほどです。中を開けていただくと、セレクターはステアリングの奥にあります。セレクターインジケータはアクリルでしょうか、透明の板に文字が刻まれています。とてもしゃれています。外からはエンブレムが付くだけの違いしか判別するすべはありません。

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とてもいいものを見た。こういうものにふらっと出くわしたりするのも旅のいいところだななどと思っていると、奥谷社長が話しかけてきて、取材で訪れているということをお伝えしていたので、「中込さん今晩宿はもう決まってるのですか?日田に安くていい宿知ってますよ。ゲストハウスなんで気楽ですし。そこどうですか?」とおっしゃいます。「このコロナにそんなに注目する人いませんよ。宿取れば、クルマも置いて飲めるでしょ。いいところ、鶏のお店あるんです。案内しますよ。」とのお誘い。私からするとコロナを見過ごせばクルマ好きの名が廃る、くらいのきれいなクルマですよ。そんなものなのかなあと思ったくらい、自分では普通のことなのですが、そんなにまでおっしゃってくださりうれしいですよね。

実は誌面で紹介されているエピソードは、フックがこのコロナだという部分が、軽自動車専門誌だということもあって抜けてるんです。クルマで出かけたから出会った縁。こういうことが醍醐味ですよね。

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一旦黒川温泉に向かいゴールしてから向かいますと伝え、距離感がわからずかなり遅刻してしまったのですが、その宿によってお店に走っていくと、奥谷さんすでに始めておられました。「日田は水もいいし食べ物もおいしいいいところです。鳥はよく食べますよ。」といろいろ薦めてくださいます。

鳥刺し、あとはお店の名前のメニュー。いわば看板メニュー「お店のタイトルロール」ですよね。『一番鳥』というメニューは、九州の甘いお醤油にワサビを混ぜたものを鳥刺し絡めていただきます。なんでもないものが一番うまい。これこそがごちそうですね。「中込さん遅いからもう売り切れちゃったじゃない。またこないとだめですね。」仕方ありませんよね、ぜひまた伺いたいと思います。

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九州というと焼酎というのは早合点ですね。北九州の南限付近、かなり標高もあって寒い場所なので日本酒もあります。大手が工場を構えるのは水が言い証ですが、サッポロビール九州工場は日田にあります。いわば地ビール、というくらいのノリです。天領日田は伊達ではありません。

日田と言えば、高校の修学旅行でガイドさんが教えてくれました。「水がいいので九州三大美人の産地」だという話、ですね。あの時には知識で聞いただけ、でもたちまちファンになってしまいました、九州の奥座敷であります。

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あくる朝、宿から外を見ると、霧に包まれた日田の街。川のせせらぎ。涙が出そうなほどに美しい幻想的な風景。心の中で「お大尽か」と突っ込んだものです。そんなこんなで、旅に出ればクルマが呼んできます。とっておきのご縁や、風景に恵まれます。だから私は申し上げるのです。「旅に出ましょう!」愛車は何のためにあるのですか?せっかく車庫代を払ってるならその分楽しみませんか。春の九州がまた最高ですよ。僕もまた訪れたいと思います。

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天領日田洋酒博物館も行きましたね。それは次回だな・・・

▼参考リンク
奥谷社長の奥谷自動車商会(日田市)
ゲストハウス「やすらぎ」
日田市 鶏料理「一番どり」

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