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更新2024.01.28

1990年代のオフィシャルガイドブックを見て思う「もしも東京オートサロンが存在していなかったら?」

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松村 透

今年も東京オートサロンが開催され、筆者も取材してきました。


その模様は姉妹サイトである旧車王ヒストリアの方にまとめたので、ぜひそちらをご覧ください。


●3日間で23万人が来場!初開催から42回目となる「東京オートサロン2024」
https://www.qsha-oh.com/historia/article/tokyo-auto-salon-2024/



幕張メッセの全館(西ホール1〜3・中ホール4〜5・東ホール7〜8・北ホール9〜11)をすべて埋め尽くす、出展者数:378社(前回実績341社)、出展車両台数:893台(前回実績789台)、ブース総数:4,329小間(前回実績3,904小間)という圧倒的な規模。ちなみに、3日間の開催期間でもっとも来場者数が多かったのは、1月13日(土)の95,081人。


10万人近い来場者がいるなかで、900台近い出展車輌を1日ですべて観てまわるのはもはや不可能な規模となりました。しかも、まだまだ拡大しそうな勢いに思えてなりません。


取材後、自宅の本棚に1990年代前半〜後半の東京オートサロン総合カタログ(オフィシャルガイドブック)があるのを思い出し、当時を振り返ってみました。


■道行くクルマが少しずつカスタムカーに置き換わっていく不思議な光景



筆者がはじめて東京オートサロンに足を運んだのは、1992年開催のとき。30年以上の前のことです。当時は高校生。運転免許はまだ保有していなったので、クルマ好きの友人と公共交通機関で会場である晴海の東京国際見本市会場に向かうことに。


選んだルートは東京駅まで出て、そこからは都バス。いまでも覚えているのが、晴海通りを走っていて、歌舞伎座を過ぎたあたりから一般車よりもチューニングカーの比率が高くなっていくのです。都バスの車内の乗客はそれだけで大興奮(笑)。


そんななか、乗客の1人が「新型のRX-7だ!」と声をあげます。つい1ヶ月ほど前に発売されたばかりのアンフィニRX-7、いわゆる「FD3S」が走っているのです。そのディーラーでは納車1号車でしょうか。初めて見るアンフィニRX-7で車内が大盛り上がり。そんなこんなで、東京国際見本市会場に到着する頃にはテンションMAXに。


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■かつて東京オートサロンの展示車は大半が「チューニングカー」だった




1990年代前半の東京オートサロンの主役といえばチューニングカー。やはりスカイラインGT-R(R32)をベースにしたチューニングカーが特に多かったように思います。あとはフェアレディZ(Z32)、ロータリー系ではRE雨宮を中心に、サバンナRX-7や、発売されたばかりのアンフィニRX-7をベースにしたチューニングカーが並んでいたり……。



RUFをはじめとする、雑誌でしか見たことがないような輸入車も展示されていて、高校生にはあまりにも刺激が強い内容でした。



当時もコンパニオンの女性はいたと記憶していますが、思わず「ここのお店は自動延長?」なんて聞きたくなるような衣装をまとった派手な演出をするブースもほとんどありません。



その様相が変わってきたのが1990年代半ば以降。いわゆるVIPカーのジャンルが東京オートサロンに進出してきたあたりから、現在の雰囲気に近いものとなっていきます。



■駐車場ウオッチも会場のひとつ?



東京オートサロンのもうひとつの楽しみが駐車場ウオッチ。ここが第2会場か!?と思うほど、レアなモデルから、原形を留めないようなフルカスタムカーまで……。ありとあらゆるクルマが見られます。北海道や九州エリアのナンバーを掲げたクルマもあったりして、本当に遠くから(しかもわざわざクルマで)東京オートサロンに来ているのだと実感します。


ちなみに、筆者は東京オートサロン会場までは私鉄とJRを使っています。つまり公共交通機関です。もちろん、クルマで行っていた時期もあります。が、取材を終えて帰宅するとき、クルマよりも公共交通機関も方が気が楽なんです。取材中にできなかったメールやチャットの返信もできますし、疲れたら眠れるところも重要なポイントです。


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■もしも東京オートサロンが存在していなかったら?



タラレバの話をします。もしも東京オートサロンが存在していなかったら……? 日本の代表するクルマの祭典がジャパンモビリティショーだけだったら……。もちろん、どこかのタイミングで東京オートサロンに近い形式のチューニングカー&カスタムカーイベントが開催されたことでしょう。



しかし、幕張メッセの全館(西ホール1〜3・中ホール4〜5・東ホール7〜8・北ホール9〜11)をすべて埋め尽くすほど、巨大な規模にはならなかったと推察します。出展する側にしてもそれなりの出展料を払い、何らかの新製品を発表しなければなりません。それには数百万〜億単位のコストが掛かります。それだけの手間とリスクを背負ってでも東京オートサロンに出展する価値があると見なした企業やショップがあるからこそ「出展者数:378社(前回実績341社)、出展車両台数:893台(前回実績789台)」という実績に結びついていることは事実。



日本発あるいは日本独自の解釈でカスタマイズされたクルマが世界から注目される。これをジャパンモビリティショーで実現するのはかなり困難だと思われます。「東京オートサロン」という受け皿があったからこそ、日本のカスタマイズ&チューニングが進化したことは間違いないなさそうです。


[画像/Adobe Stock、ライター・撮影/松村透]

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