
ドイツピックス
更新2017.04.13
常識を覆す次世代ミニバンが集結!ドイツから見る東京モーターショー2015

NAO
主催国である日本のメーカーもトヨタをはじめ多くのモデルがプレミア披露されましたが、自動車大国ドイツも負けてはいません。このモーターショーに関してはもちろんドイツ国内でも毎度報道され自国車、外国車問わず話題となっています。

ドイツ人の記者が選ぶ、東京モーターショー2015のハイライトはどのモデルなのでしょうか?今回は彼らレポート内容をご紹介しましょう。
日本独自の発想と開発力に高評価![第44回東京モーターショー2015]
ドイツがまず目を付けたのはホンダのFCV新モデル。こちらはすでに2016年に市販されることが決定しており、シリーズ最高傑作の燃料電池搭載車が同モーターショーで注目を集めました。
同じく燃料電池で走る電気モーター版のカブは、三輪モーターバイクの世界に「超軽量スーパースポーツモーターバイクコンセプト」とともに新しい風を吹き込みました。そしてもう一つの見どころはフランクフルトモーターショーでも紹介されていたHonda Project RC213Vでしょう。
ドイツでも人気を誇るマツダも見逃せません。今回マツダはRX-Storyの後続車として新たなスポーツカーコンセプト「マツダRX-VISION」を発表。次世代ロータリー・エンジンを採用しマツダの求める美しさを追求した「マツダのスポーツカー」です。無駄のないシンプルなフォルムとダークトーンの赤いボディカラーが」究極のプロポーションが生まれました。
日本のコンパクトカー&軽に好印象[第44回東京モーターショー2015]
ここ数年、コンパクトカーの人気が強くなってきたドイツ勢はスズキの新たなコンパクトカー、クロスオーバー「イグニス」にも強い関心を持ったようです。世界初公開となる「マイティデッキ」は、オープンデッキと2+2シーターの特徴を併せ持った、軽規格に収めつつも、多彩なライフスタイルに合わせられるように設計されています。
コンパクトなボディに無限大のアイデアを詰め込む日本の軽自動車への技術にドイツは興味津々。日産も軽EVコンセプトの「テアトロforデイズ」を世界初公開。こちらは内装が独特で自分好みのデザインを自在にカスタムできるというのが見どころです。モノトーンな色調、曲線状のシートと無機質な雰囲気ながらも、まるで宇宙船の中にいるような近未来感を感じさせるようだと、評価されています。
オリジナル性といえばダイハツも負けてはいませんでした。「ノリオリ」「ヒナタ」「テンポ」はそれぞれ特殊機能搭載の新モデル。対してDベースコンセプトは従来のコンパクトカースタイルで勝負してきました。
スバルはこの東京モーターショーに向けて5ドアのコンパクトカー「インプレッサ」に、水平対向エンジンや空力処理などの独自の技術を取り入れ、ダイナミックかつスタイリッシュなデザインで観客を魅了させました。スバルの提供する「安全と愉しさ」を叶えたコンパクトSUV「VISIV」もワールドプレミアとしてデビュー。進化したアイサイト搭載での自動運転技術を可能にしたうえ、ハイブリットシステムとターボエンジンを兼ね備えている点も魅力です。
クルマの新たな可能性をコンセプトに世界のトヨタが生み出したのはライトウェイトスポーツカー「TOYOTA S-FR」をはじめ、すでに販売が決定している次世代ハイブリットモデルの「プリウス」を初披露。そして9月のフランクフルトモーターショーで発表したコンパクトクロスオーバー「TOYOTA C-HR Concept」が日本初出展となりました。
一方ヨーロッパ勢は?[第44回東京モーターショー2015]
ポルシェは合計9台のモデルを出展し、最新世代の911、4輪駆動のカレラ4/カレラ4Sを披露。最大のハイライトは、やはりこの東京の地でワールドプレミアを飾ったマカンGTSでしょう。
アルピナは日本で再びカブリオコレクションを披露し、「B6 Bi-Turbo Cabrio Edition 50」と、日本初出展の「New B3 Bi-Turbo」が見どころ。ドイツ勢はほかにアウディから新型セダンA4やQ7を日本初公開。2016年よりガソリンエンジンモデルを導入し、のちにプラグインハイブリットモデルも出すことが発表されました。
ドイツ側からも見逃せないフォルクスワーゲンブース[第44回東京モーターショー2015]
そして今もなお問題の渦中にあるフォルクスワーゲン(以下VW)はいかに?彼らの「排ガススキャンダル」のテーマは東京モーターショーでも非常に大きな話題となりました。VWのドイツCEOディース氏は「我々は根本的に間違ったことをした。これに関しては心よりお詫び申し上げたい。」とコメント。そしてこのスキャンダルを包み隠さず隅々まで解明し、影響を受けたエンジンに関しても技術的改善を必ず見つけ対処することを改めて約束しました。
VWジャパンの社長であるスヴェン・シュタイン氏は我々消費者にさらなる歩み寄りの姿勢を見せ、モーターショー会見で日本式の深いお辞儀で謝罪の意を示した後に日本で販売されるVWディーゼル車には影響がないことを保証すると宣言しました。そして新しいコンセプトとしてVWが発表したのはフランクフルトモーターショーでも知られたガソリンエンジンと電気モーターで走る新たなプラグインハイブリットカー「ティグアン GTE」を日本初出展。スマートフォンと連携したコントロール機能「Car-Net」など最先端技術を搭載したモデルが他にも発表されていました。
最新技術を駆使し、日本ならではの斬新なアイデアやデザインが揃った今年の東京モーターショー。今回はドイツの記者たちが注目したハイライトのみを紹介したため結果日本車寄りとなってしまいましたが、ドイツもBMWやメルセデス・ベンツはじめ多くのメーカーが従来のコンセプトに基づいてハイブリット技術やネットシステムを採用した次世代へ繋ぐモデルが登場し会場の注目を集めました。全体を通して見れば世界的にエコカーブームが来ているのが各社の展示コンセプトより感じられますね。コンピューター技術も浸透し、自動運転が当たり前になる未来もそう遠くないのかもしれません。
出典・参照元:http://www.auto-motor-und-sport.de/