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ドイツ現地レポ

更新2022.06.29

30%以上が点検は半年に1度程度?窒素ガス充填は○○?ドイツの「タイヤの空気圧事情」とは

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守屋 健

「勤勉でまじめ、合理的」といわれるドイツ人。しかし現地で彼らと一緒に生活していると、勤勉というよりは「休暇のために働く、時間外労働と残業を極端に嫌う」、まじめというよりは「頑固」、合理的というよりは「面倒くさがり」と感じることのほうが多い(もちろん個人差はありますし、あくまで筆者の感想です)のですが、それを裏付けてしまうようなアンケート結果がちょっとした話題となりました。



みなさんはクルマの空気圧、どのくらいの頻度でチェックしていますか?


ドイツで行われた調査結果によると、「半年以内に1度だけチェックする」という人の割合がなんと34%にのぼり、ADAC(ドイツ自動車連盟)が注意喚起をうながす、という事態となっています。まじめといわれるドイツ人が、なぜこれほどまで空気圧のチェックを怠っているのでしょうか? 今回のドイツ現地レポは、ドイツの意外な空気圧チェック事情についてお伝えします。


■ドイツでは「半年に1度しかタイヤの空気圧をチェックしない人」が3割を超えているという事実



今回の空気圧チェックに関するアンケートは、2022年1月にガソリンスタンドチェーン「HEM」により、18歳以上の男女3,104人を対象として実施されました。


それによると、「半年に1度だけチェックする」という人は34%、「1年に1度」「数年に1度」という人がそれぞれ3%ずつとなっており、空気圧のチェックの頻度が極端に少ない人は全体の約4割にのぼります。


ADACは「2週間に1度の空気圧チェックを」と呼びかけていますが、「1か月に数回チェックする」という人の割合はわずかに16%という結果に。推奨されているよりも少し頻度が低いですが、「1か月に1度」という人の割合が44%と、もっとも多数派となっています。


■タイヤ空気圧監視システムに頼りきり・・・は御法度



どうしてこれほどまでに空気圧をチェックしないのでしょうか。HEMは「なぜあなたは空気圧のチェックをしないのか」をアンケートで調査したところ、興味深い結果が浮き彫りになりました。


もっとも多くの回答があったのは「タイヤ空気圧監視システムが付いているから、自分で空気圧をチェックする必要はない」というもので、全体の27%を占めました。2014年11月以降、EUではすべての新車にタイヤ空気圧監視システムの装着が義務付けられていますが、あくまで補助的なシステムであり、ドライバーによる定期的な空気圧チェックに取って代わるものではありません。多くのドライバーはシステムを過信して、定期的なチェックを怠っていたのです。


次点の理由は「時間がない、時間を割きたくない」というこの上なくシンプルなもので、18%を占めました。また、このアンケートでは「自分のクルマの適正空気圧を知らない」という人が15%もいることや、「空気圧はタイヤが冷えている時にチェックする、ということを知らない」人が42%もいることがわかりました。


■空気圧は誰がチェックする?


空気圧チェックを誰がするか、については男女間で大きく異なります。男性は85%が「自分でチェックをする」と答え、12%がタイヤ空気圧監視システムの数値に頼っています。人にやってもらう、という人は全体の3%に過ぎません。


一方の女性はというと、「自分でチェックする」と答えた人は52%で、パートナーや家族にやってもらうという人が33%、ガソリンスタンドの店員にやってもらうという人が7%となっています。女性は「2人に1人だけが自分で空気圧をチェックする」という結果になりましたが、ドイツで女性が空気圧をチェックしている場面は日本よりも多く見かけるので、個人的には意外な結果に感じられますね。


■ドイツにおいて、窒素ガス充てんは「メリットなし」とバッサリ



今回のアンケート結果とは無関係なのですが、日本とドイツで違いがあると感じるのは「窒素ガス充てんに関する考え方」です。


ドイツでは、全輪に窒素ガスを充てんすると、約10ユーロ(約1,400円)かかるのが相場です。日本でもドイツでも「窒素ガスは抜けにくい」と宣伝されていますが、ADACは「抜けにくい、と思い込む方が危険」と一蹴しています。


ADACによると、窒素ガス充てんは航空機・レーシングカー・危険物や重量物の輸送車のタイヤに対して行われるものであり、一般のクルマに充てんするメリットはほぼ存在しないとしています。それに、窒素ガスを充てんしていても、定期的な空気圧のチェックは欠かせません。タイヤの損傷や摩耗により、空気の漏れが発生する場合があるからです。


結論として「窒素ガス充てんなどしなくても、空気圧チェックを定期的に行えば、乗り心地・燃費・走行安定性は十分に保てるし、なによりお金がかからない。窒素ガス充てんに、価格につり合うメリットはない」としています。この結論がADACのオフィシャルサイトに堂々と掲載されているあたり、日本とは捉え方・考え方が違うと思うのですが、みなさんはどう感じますか?


■結論:定期的な空気圧チェックで安全・快適なドライブを



制動距離が長くなる。コーナリングが安定しない。パンクの危険が高まる。タイヤが偏摩耗する。燃費が悪くなる。


これらはすべて、タイヤの空気圧不足に起因する問題です。ドイツでは、空気圧不足のまま走行してしまう事態をきわめて深刻に捉えています。なぜなら、年間約1,000件の交通事故は空気圧不足などによるタイヤの欠陥が原因で、死者も10人を超えているからです(ドイツ連邦統計局による)。


「空気圧のチェックになんて時間を割けない」「タイヤ空気圧監視システムが付いているから、わざわざ自分で空気圧のチェックをしなくてもいいだろう」という人々の考えを改めなければ、こうしたタイヤ欠陥由来の事故が今後も起こり続けるのは明らかです。少し考えれば、速度無制限区間のあるアウトバーンを空気圧のチェックもせずに運転するのは非常に危険な行為だと、誰もが気付くと思うのですが……。


ドイツのこうした実情を見習うまでもなく、定期的な空気圧チェックを行うことで、みなさんが安全で快適なドライブが楽しめるよう祈っています。それでは、また次回のドイツ現地レポでお会いしましょう!


[ライター/守屋健]


 

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