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更新2020.08.19

クルマが好きだからこそ。10年後も続くよう自動車メディアを盛り上げていきたい

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松村 透

先日、「雑誌が生き残るために必要なこと」という記事を読んでいて感じたのですが、2005年から2014年の統計でテレビ/新聞/ラジオ/雑誌/インターネットの各メディアで、広告費が伸びているのはインターネットだけでした。他のメディアはほぼ横ばいか減少方向です。


出典:電通「2014年(平成26年)日本の広告費」から

スマートフォンが普及したことで、自宅や職場だけでなく、移動中や出先でも手軽にインターネットが利用できるようになりました。クルマに関する情報収集の在り方も大きく変化がでてきた今、どうしたら、より読者の方の琴線に触れる記事が配信できるか、日々試行錯誤しながら編集部内で議論しています。

カレントライフは出来る限り、他の自動車メディアでは真似できないオリジナルコンテンツを発信することにこだわっており、それが読者に楽しんでもらえるのはもちろんのこと、クルマに対する新しい気付きのキッカケとなる、とも考えているのです。


現在、クルマ雑誌の発行部数は、平均すると数万部単位です。インターネットの記事の場合、拡散するとその数を軽く超えてしまうことも珍しくありません。現在、大半のweb版自動車メディアの記事は無料で閲覧することができます。しかし、紙媒体は売り物です。情報の深度や裏付けの度合いなど、記事の完成度で比べたら、紙媒体にはまだまだ及ばないのが実態ではないかと思うのです。

紙媒体は、いちど印刷を始めてしまったらやり直しができません。もう1回印刷することがないとは言いませんが、原則ほぼありえません。発売日ギリギリまで作業を進めて、ようやくどうにか店頭に並んだ・・・そんなスケジュールで進行していることも少なくないはずです。再度印刷するとなると、発売日が確実に遅れるばかりか、印刷費をはじめとする金銭面でのダメージも大きいでしょう。



その点、webの記事作成や修正は格段に容易です。極端なことをいえば、自身のSNSやブログをアップする感覚と紙一重というほど手軽に記事が作成できたり、公開後の修正や削除も可能です。

雑誌をはじめとする紙媒体の場合、新人のライターがいきなり巻頭の特集記事やカラーページ等の記事を執筆することは皆無といって良いでしょう。記事の書き方や暗黙のルール、編集部との関係作り等、さまざまなノウハウの積み重ねで仕事の幅が広がっていくものだと思います。

反面、Webの場合、いきなりライターとしてデビューできてしまいます。よくいえばイコールコンディションなのですが、記事の中身はライター個人の裁量に任されることも少なくないようです。なかには、専門家に取材してはじめて記事として成立するような難しい内容でも、インターネット上に公開されている記事から引用して、それらしくまとめてしまうことも可能です。



仮に、配信した記事が、きちんとした裏付けがなされないまま、数万人単位の方に読まれているとしたら・・・メーカーや開発者など、関係者が意図するものとは別な形、あるいは正しい情報が伝わっていない可能性もありえます。

Webで記事を書かせていただいていると、読者からの反応がダイレクトすぎて怖くなるときがあります。それくらい、読んでいただいている方の眼は非常に厳しく、「これくらいでいいかな」という甘えを許してくれません。紙媒体とWebでは、求められる要素や目指す方向が異なるのかもしれませんが、一度でも「ネットにあがっている記事なんてろくでもない・・・」と思われてしまったら、その信用を取り戻すのは並大抵ではありません。

クルマが好きで、なおかつメディアに関わらせていただいている一人として、締め切りに追われて思わず投げ出したくなる(正直、そういうこともあります)ときにこそ、自分を戒めるようにしています。

それは、わざわざ時間を割いて記事を読んでいただいている方に、少しでも有益な、例えば「この記事を読んだことがきっかけでクルマを買ってしまった」や「売るのを踏みとどまったよ」といっていただけるような情報をお伝えしていけたら・・・ということです。

いまから10年後、Web版の自動車メディアが信用に足るものであり続けるよう、その一助となれたら・・・と思う次第です。

( ※当記事は過去配信した記事の再編集版です)

[ライター/江上透]

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