
ドイツ現地レポ
更新2016.08.16
日本にハーブティーを広めたパイオニア!ドイツの大手紅茶会社「テーカンネ」

NAO


こちらのパッケージ、輸入食品店などで一度は見たことある方も多いのではないでしょうか。今では日本でも一般的になってきたハーブティーですが、実はハーブティーを日本で広めたのは、この「テーカンネ(Teekanne)」というドイツの紅茶会社なのです。
ドイツは実はお茶の国だった?

(筆者撮影):ドイツのスーパーにて。このレーン一体すべてお茶コーナー。
カフェ文化のドイツではコーヒーを多く飲むイメージがありますが、なんとドイツはお茶の輸入量世界第1位。その結果に納得してしまうほどドイツではかなりの種類の茶葉が売られています。紅茶をはじめ、ハーブティー、フルーツティー、中国茶や日本の煎茶も人気です。ドイツでは風邪や胃痛など体調を崩したとき、薬を出される前にまず医者に言われるのが「お茶を飲みなさい。」。ドイツでは様々な症状別に調合されたハーブティーが売っており、お茶も一種の薬として飲んで治すのが習慣になっています。

(筆者撮影):風邪などの症状別、リラックス、安眠などの効果別にハーブティーが揃っている。
世界のハーブパイオニア「テーカンネ」社とは
数ある紅茶メーカーの中でも有名なのが冒頭に紹介した「テーカンネ」社。130年以上の歴史を持つドイツの老舗企業です。1882年にドイツのドレスデンにて日本・中国茶販売を専門としていたティーショップ「R. Seelig & Hille」という小さな店舗がテーカンネの発祥です。

その後「テーカンネ」と名称を変え、幅広い種類の茶葉を販売し、世界で初めて自動でティーバッグを充填&包装する機械を発明すると、一気に生産力を拡大させました。1942年には茶葉を抽出しやすくしたダブルチェンバーティーバッグで特許を取得し、世界の紅茶市場に革命を起こした会社でもあります。第二次世界大戦の空爆でドレスデンが甚大な被害を受けた後、デュッセルドルフに大規模な製造工場を建設。現在はそちらに本社を移し、ほか7か国に製造拠点を置いています。


なぜテーカンネが世界のハーブパイオニアと言われるのか?
それは同社が世界初のハーブティー及びフルーツティーのティーバッグ製品化に成功したからでした。通常は乾燥したハーブや果実をそのままお湯に入れて抽出するハーブティーですが、ティーバッグでも同様に香りや上質なお茶を味わえるように開発されました。こうして、ハーブティーが手軽に楽しめるようになり、後にはドイツで初めて緑茶のティーバッグ化にも成功し、ヨーロッパでも緑茶が定番化するきっかけとなりました。
日本のハーブティーの歴史はまだ40年と浅く、日本緑茶センター(株)がテーカンネ社よりハーブティーとフルーツティーの輸入を始めたのが始まりです。日本ではお茶といえば緑茶が一般的ですが、たまにはドイツ流にハーブティーを楽しんでみるのも良いかもしれませんね。