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カーゼニ

更新2017.06.19

ウン千万円級スーパーカーを、次から次へと乗り替える方法を発見セリ?

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伊達軍曹

自分は100万円とか200万円とか、せいぜい300万~400万円ぐらいまでのクルマを主たる守備範囲とする自動車ライターだが、時おり、諸般の事情によりスーパーカーの正規ディーラーや超高額中古車を中心とする販売店などへも取材に行く。

そして、いかにもゼニを持っていそうな男らが次から次へと来店し、次から次へと契約書にハンコをついている様を見て、愕然呆然とする。

そんなわたしでもウン千万円のクルマが買える方法が?




「同じ人間として生まれ、片や平日昼日中から(美女連れで)高額車販売店を訪れハンコを押し、片や135円(税込み)で買った中華三昧とかをこしらえて食べながら、1文字10円の原稿を書く毎日。……もしも前者が“人間”で、後者が人間に非ずというのであれば、嗚呼、わたしは早く人間になりたい」

過日もわたくしはそんなことを思いながら、妖怪人間ベムのエンディングテーマを独り口ずさみつつ世田谷の町を歩いていた。

すると、見知らぬ男がわたくしに声をかけてきた。年の頃は推定40代。仕立ての良さそうな背広を着ている。

「あなた、スーパーカーとか欲しいですか? もしも欲しいなら、手に入れる方法をお教えしましょう」

……宗教かネットワークビジネスか何かの勧誘であろうか? あるいは北朝鮮の拉致担当。そうであるならば、あいにく当方は間に合っている……と伝えるが、背広の男は「そうではない」と言う。しからば貴殿、何者?

「さすがにお金を与えることはできませんが、スーパーカーを欲しいと思っている方に、その“買い方”にまつわる情報を与える者です。情報料は無料です」

無料であるならば、話を聞いてみても良い。もしも途中で「やっぱり情報料を取る。さあ払え、今払え」と出てきたならば、通信教育で習得した極真カラテの正拳突きを一発おみまいし、その隙をついて逃走すれば良い。そう考えたわたくしは、「では聞きましょう」とその男に言った。

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富裕層もローンを活用。しかしわたしに高額ローンが組めるか?




……男の話を聞くこと約10分。わたしは愕然呆然とした。

なるほど、そうだったのか。その方法であれば、こんなわたくしでも高額車販売店でしばしば見る光景、すなわち「3000万とか4000万とか5000万円ぐらいのクルマを、半年ごとぐらいのペースで乗り替える」という荒業を実現させられるのかもしれない。これはもう、さっそく実践するしかない。

男から聞いた話はこうだ。

わたくしは、ランボルギーニやらポルシェ911のRSRやらを半年とか1年ごとぐらいで買い替えている人は、「資産ウン十億円とか持ってる人が、ウン千万円のキャッシュで買っている」とばかり思い込んでいたが、男いわく「それがそもそも勘違いです」と。

もちろん全員ではないが、多くの富裕層は「ローン」でそれらを買っているらしい。なぜならば、どうせすぐ買い替えるモノであり、またリセール価格も基本的には強烈に高いため、わざわざ全額をあらかじめ払う意味がないからだ。

なるほど。しかしアレだ、ローンとはいえ、普段わたくしが守備範囲としている100万や200万円の世界と違い、“敵”はウン千万円。そう簡単にローンが組めるわけでもなかろう。

例えば、出たばかりのランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテを買うとする。車両価格は税込み3416万9904円で、オプションまで含めるとなんだかんだで4000万円ぐらいだろうか。縁がない世界なので詳しくは知らないが。

で、早く人間になりたい妖怪人間のわたくしが「4000万円貸せ。ちゃんと返すから」と言っても、当然ながら金融機関や信販会社の答えは「No」であろう。そりゃそうだ。

ではどうすればいいのか……というと、「実績」を積むのである。

まずは1000万円の借入→短期完済で「実績」を作る




まずは1000万円ぐらいの何かをローンで買う。その際は極力値落ちしなさそうなモデルを選ぶことが重要だ。で、それをしばらくの間所有し、当然ながらその間は毎月しっかり返済し、そして半年後とかにサクッと売却する。で、その売却益でもって残債を一気に清算する。

これで、わたくしは晴れて「1000万円のオートローンをビシッと返済した優良なる人物」と信販会社等から判断される。人間に一歩近づくことになる。

それを踏まえて次は2000万円の何かをローンで買い、同じ方法でサクッと完済し、そして3000万円のクルマでも同様のことを行う。

……すると、気がついてみるとわたくしは、いつの間にか総額4000万円也(推定)のランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテのローンが組めるだけの男に成り上がっているのである。わはは。おほほ。うくく。素晴らしいではないか。

だが問題は「そもそも払えんのか?」ということである。

たとえ半年ぐらいの短期間とはいえ元金1000万円や2000万円、あるいは3000万円、4000万円に対する月々の支払いを遅延することなく行わなければ、計画のすべては水泡に帰す。ていうか絵に描いた餅となる。

公文式で鍛えた暗算で、わたくしは支払額を計算してみた。その結果はおおむね以下のとおりであった。ちなみに下記はすべて金利3.9%の120回均等払いで計算している。

●1000万円の場合(例:フェラーリF355):10万771円/月
●2000万円の場合(例:ポルシェ911ターボS):20万1541円/月
●3000万円の場合(例:フェラーリ488GTB):30万2312円/月
●4000万円の場合(例:ウラカン ペルフォルマンテ):40万3082円/月

極力値落ちしなさそうなクルマを選んだつもりだ。で、この計画のとっかかりとなる1000万円のF355ぐらいだったら、現状のままでもなんとかイケそうである。もちろん日々食べている中華三昧をチャルメラにダウングレードさせるなどの工夫は必要だろうが、ギリギリ実行可能なはずだ。

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さらにウン千万円級のローンが組めるよう起業したが…




しかし2000万円以上となると、さすがに現状のままでは厳しい。しかもこのクラスのクルマを所有するとなれば、今現在のボロ長屋に住み続けるというのもアレなので、もうちょっとちゃんとしたとこに引っ越す必要もあるだろう。

今「SUUMO」で調べたところ、ウチの近所でそれなりのマンションというと、毎月の賃料はおおむね40万円前後となる模様。もちろんそれ以上にスーパー高い物件もゴロゴロしているわけだが、無意味な見栄を張ることもなかろう。節約の観点から「40万円ぐらいで十分」としたい。

するとランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテを所有する場合、

「ローン約40万円+家賃約40万円+その他モロモロ100万円」

という計算で毎月180万円、まぁキリのいいとこで「毎月200万円ぐらい」の収入が必要だということが判明した。

……これはさすがに、1文字10円の原稿をちまちま書いているだけでは達成できない月収である。ここを、自分はなんとかせんければならない。

ということで自分は過日起業し、筆名が軍曹ということで「サージェント」なる法人を設立して、その代表に収まった(実話)。零細個人営業のライター業から、レバレッジを効かせたビッグビジネスへの転換を図るのである。

しかしウラカン ペルフォルマンテの購入をさしあたっての目標としたサージェント社は利益を出す前に大幅赤字となり、そして赤字は延々と続き、多額の負債を抱えたわたしは結局、小豆島方面へと夜逃げをした(非実話)。

[ライター/伊達軍曹]

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