ライフスタイル 更新 2019.08.26 公開 2019.08.26

スーパーカーのファッションアイテム化?客層や選ばれ方が変わりつつある

最近、ボクは思うことがある。

それは「スーパーカーの客層が変わってきた」ということだ。

具体的には、「スーパーカーを購入するのは、クルマ好きではなく、セレブになった」ということである。

ただ、ボクはこれを悪いことだとは考えていない。
そういった「スーパーカー事情の変化」について、今回は触れてみたい。

スーパーカーのファッションアイテム化?客層や選ばれ方が変わってきた

以前のスーパーカーは、スーパーカーでしかできないことがあった



まず、以前のスーパーカーと、それを取り巻く環境についてだ。
以前、スーパーカーは、文字通り「スーパーなクルマ」であり、他のクルマでは到底持ち得ない馬力や、圧倒的な最高速度を誇っていた。

だから、一定以上の速度を出そうと考えると、「必ずスーパーカーを選ぶ必要」があったわけだ。

加えて、スーパーカーをスーパーカーたらしめていたのは、その「割り切り」だ。
性能のためにすべてを犠牲にしたのがスーパーカーだと言ってよく、価格はもちろんだが、維持にかかるコスト、乗り心地、日常性など、多くを切り捨てていた。

そのため、スーパーカーを選ぶのは、スーパーカー同様に、性能のために、ほかのすべてを犠牲にしてもいいと考える「よほどのクルマ好き」であったわけだ(でないと、とうてい維持や運転などできなかった)。

現代はスーパーカー以外にも高性能車がたくさんある



だが、現代では事情がやや変わってきた。
まず、スーパーカーと同等の出力を持つ「乗用車」が多数登場したことだ。

代表的なのはメルセデス AMGだが、一部のモデルはスーパーカー以上の出力を持ち、加速性能すらスーパーカーを凌駕するものも珍しくはない。

スーパーカーのファッションアイテム化?客層や選ばれ方が変わってきた

その重量や重心の関係で、サーキットのラップタイムはスーパーカーに及ぶものではないが、「乗り心地が悪く、日常の使用に適さない」類いのスーパーカーを敬遠しており、しかし暴力的な加速を求めるユーザーにとってメルセデス AMGは最適だ。

実際のところメルセデス AMGは多くの支持を集めることになり、それに追随するかのように、アウディ、BMWも相次いでハイパワーなモデルを投入してきている。

スーパーカーも変革の必要に迫られている



そういった状況の中で、もはやスーパーカーは数字上の優位性はない。
馬力、加速データのみでは、ジャーマンスリーのサルーンのほうが数値に優れ、かつ価格もずっと安い。

サーキットを走ればスーパーカーの右に出るクルマはないが、実際に走らせるユーザーはごく一握りである。

そこで、スーパーカーも「日常性、快適性」という要素を取り入れなければ生き残れない状況となってきたのだとボクは考えているが、もちろんそれらのために運動性能を犠牲にすることはできない。

だが、年々進化する技術のおかげで、たとえばアダプティブサスペンションのようなテクノロジーを採用することで、運動性能を犠牲にしなくとも日常性や快適性を大きく向上させるようになった。

ここで、スーパーカーは「スーパーなー性能を持ちながらも」乗用車の領域に踏み入れた、ということになる。
ちょうど、ハイパフォーマンスセダンが、サルーンの乗り心地を維持したまま、スーパーカーの領域に乗り入れて来たのとは真逆の状態だ。

スーパーカーのファッションアイテム化?客層や選ばれ方が変わってきた

そして、そういった状態になると、スーパーカーはこれまでとは異なる客層が新しく購入することになる。

つまりは、スーパーカーに対して走行性能を強く求めるわけではなく、しかし日常性や快適性を求め、その希少性やデザイン性を重視する、といった人々だ。

これはフェラーリの選ばれ方において顕著だとボクは考えている。

ちょっと前まで、フェラーリを購入する人のほとんどは「レッド」をそのボディカラーに選んでいたはずだ。
これはフェラーリのヘリテージに経緯を払い、そもそもフェラーリというブランドに共感していたからだと思われる。

だが、最近インターネット上で見られるフェラーリは、ブルーやグリーンなど、これまでのフェラーリには見られなかったボディカラーが非常に多い。

スーパーカーのファッションアイテム化?客層や選ばれ方が変わってきた

こういった現象は、フェラーリを購入する人々が、「フェラーリの伝統を購入する」という考え方から、「自分の持つアクセサリーのひとつとして」フェラーリを選ぶようになったためだとも考えられる。
よって、そういった人々は、そのボディカラーに「レッド」ではなく、「自分の好きな色」を選んでいるのかもしれない、とボクは推測している。

[ライター・撮影/JUN MASUDA]

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