アイキャッチ画像
中古車の豆知識

更新2025.06.11

車庫証明シールが2025年に廃止決定!廃止の理由とは?

ライター画像

外車王SOKEN編集部

SP_目次下バナー

クルマを購入する際に必要となる車庫証明の手続きで交付される車庫証明シール。このシールについて「どこに貼るのか」「剥がれた場合はどうすればよいのか」といった疑問をお持ちの方は多いでしょう。なお、2024年5月に車庫証明シールの廃止が決定し、2025年5月に施行されました。


この記事では、車庫証明シールの基本的な知識から、廃止の背景、正しい貼り方や剥がし方、再発行の方法まで詳しく解説します。廃止が決定した今だからこそ知っておきたい情報をお伝えします。


車庫証明シール(保管場所標章)とは?


車庫証明シール(保管場所標章)とは?


まずは車庫証明シールのそもそもの役割や詳細について解説します。


車庫証明シールの役割


車庫証明シールの正式名称は「保管場所標章」といい、クルマの保管場所が適切に確保されていることを証明する円形のシールです。このシールは「自動車の保管場所の確保等に関する法律」に基づいて交付されるもので、1991年に導入されました。


保管場所標章は、クルマの所有者が法律で定められた保管場所の確保義務を果たしていることを示すものです。警察は路上駐車されているクルマを発見した際、このシールの有無や記載内容を確認することで、違法駐車かどうかを判断していました。


車庫証明書の交付を受ける際に同時に交付されるため、一般的には「車庫証明シール」と呼ばれています。クルマを新規登録する際や保管場所が変更になった際に、新しいシールが交付されます。


シールに記載されている情報


保管場所標章に記載されている情報によって、クルマの保管場所や管轄警察署を特定できるようになっています。具体的には、9桁の標章番号、保管場所の位置を示す都道府県および市区町村名、保管場所標章を発行した警察署長の3つの情報が記載されています。


標章番号は各クルマに固有の番号で、警察のデータベースと連携してクルマの保管場所情報を照会する際に使用されていました。保管場所の位置情報により、そのクルマがどの地域で保管されているかが一目でわかります。発行元の警察署長の記載により、車庫証明の申請がどの警察署で行われたかも確認できます。


これらの情報は全て後方から見やすいように記載されており、違法駐車の取り締まりの際に警察官が迅速に確認できるように作られています。シール自体は耐久性を考慮した素材で作られており、屋外での長期使用に耐えられるよう工夫されています。


外車王バナー外車王バナー旧車王バナー旧車王バナー

2025年に車庫証明シールが廃止された背景


1991年に導入された車庫証明シールの制度ですが、2025年5月に交付が終了しました。ここでは、車庫証明シールが廃止された背景について詳しく解説します。


廃止が決定した理由とシステムの変化


2024年5月17日の参議院本会議で「自動車の保管場所の確保等に関する法律」の改正案が可決・成立し、車庫証明シールの廃止が正式に決定しました。この改正法は公布から1年以内に施行されるため、遅くとも2025年5月までに車庫証明シールの交付は終了します。


廃止の最大の理由は、警察のチェックシステムの大幅な改善にあります。車輌の保管場所情報に関するデータベースが整備され、現在では車輌のナンバープレート情報だけで保管場所情報の確認が可能になりました。従来は車庫証明シールを目視で確認し、記載された標章番号から所有者や保管場所を照会する必要がありましたが、この作業が不要になったのです。


また、違法駐車の減少も廃止の理由の1つです。都市部を中心とした駐車場の整備や駐車監視員制度の導入により、違法駐車の件数は年々減少傾向にあります。車庫証明シールが導入された1991年当時と比較して、その必要性が薄れてきたことも廃止の背景にあります。


廃止によるメリットと注意点


車庫証明シールの廃止により、クルマの所有者にはいくつかのメリットがあります。まず、車庫証明シールの交付手数料500円が不要になります。


手続き面でのメリットも大きく、シールを貼る手間や剥がす手間がなくなります。特に引越しなどで保管場所が変更になった際の貼り替え作業は、シール跡が残るリスクもあるため、この心配がなくなることは所有者にとって嬉しいポイントでしょう。


なお、シールは廃止されますが、車庫証明制度自体は継続されます。クルマの新規登録時や引越しで保管場所が変わった際には、引き続き警察署での車庫証明の申請が必要です。軽自動車については自治体により対応が異なるため、事前に確認しておきましょう。


▼関連記事
車庫証明とは?必要書類から取得方法まで初心者にもわかりやすく解説
車庫証明の住所変更ガイド|必要書類と手順について詳しく解説


車庫証明シールの正しい貼り方と貼る場所


車庫証明シールの正しい貼り方についても確認しておきましょう。綺麗に貼る際のコツもあわせて紹介します。


法令で定められた貼付位置と条件


車庫証明シールは、表示されている事項が後方から見やすいように、クルマの後面ガラスに貼り付けることが義務付けられています。


後面ガラスに貼り付けができない場合の例外規定も設けられています。トラックやオープンカーなど後面ガラスがないクルマの場合、後面ガラスに貼り付けても表示内容を後方から見ることが困難な場合、その他保管場所標章を後面ガラスに貼り付けることが適当と認められない場合には、車体の左側面に貼り付けることが認められています。


失敗しない貼り方の手順とコツ


車庫証明シールを貼る際は、まず貼付場所をきれいに清拭しましょう。汚れや油分が残っていると粘着力が低下し、剥がれやすくなってしまいます。中性洗剤を薄めた水で清拭した後、乾いたタオルで水分を完全に除去してから作業を開始しましょう。


貼付位置は慎重に決める必要があります。車庫証明シールは一度貼ると剥がして再利用できないため、位置を間違えると再発行しなければなりません。後面ガラスに貼る場合は、熱線や他のステッカーとの重複を避け、後方からの視認性を最優先に考えて位置を決めます。


実際の貼付作業では、まず裏面の保護紙を剥がして貼り付け、気泡が入らないようしっかりと押さえて密着させます。その後、表面の保護シールを剥がし、透明の保護用シールを上半分、下半分の順に貼り付けます。最後にタオルなどで上から軽くこすって完全に密着させると、長期間の使用に耐えられます。


車庫証明シールの上手な剥がし方


車庫証明シールの廃止に伴い、クルマからシールを剥がす方は多いでしょう。失敗するとシール跡が残ったり傷が残ったりしてしまうため、慎重に剥がさなければなりません。


シール全体に水をかけた後、スクレーパーを使って全体を剥がします。シールが剥がれたらパーツクリーナーとウエスを使用して糊を綺麗に拭き取ります。この手順で車庫証明シールを剥がすことが可能です。


外車王バナー外車王バナー旧車王バナー旧車王バナー

まとめ


車庫証明シール(保管場所標章)は、クルマの保管場所が適切に確保されていることを証明する重要なシールとして、1991年の導入以来30年以上にわたって役割を果たしてきました。警察のシステム高度化と違法駐車の減少により、2025年5月までに廃止されることが決定しています。


廃止により車庫証明シールの交付手数料が不要になり、貼付や剥がしの手間もなくなるため、クルマの所有者にとってはメリットが大きいといえます。ただし、車庫証明制度自体は継続されるため、クルマの新規登録や保管場所の変更時には引き続き警察署での手続きが必要です。クルマの購入時や引っ越しの際には、忘れないように車庫証明の申請を行いましょう。

輸入車のご売却を検討中の方へ

意外と知らない
自分の愛車の相場を知ってますか?

乗り換えやライフスタイルの変化で
ご売却を考えているなら
受付時間 9:00~22:00

一括査定とは一味違う、
外車王のサービスの流れは?