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カーゼニ

更新2017.04.03

悲惨な交通事故を極力ゼロにするため、不眠不休で考えた解決策を発表する

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伊達軍曹

前回、自分はここカレントライフで「クルマというのは大変素晴らしい乗り物であると同時に、どえりゃー危険な凶器でもある。そこで自分は、悲惨な交通事故を極力ゼロに近づけるための方策を不眠不休で考えた」という旨の文章を発表した。

しかしクルマの危険性をアッピールする文章に注力しすぎた結果、肝心の「不眠不休で考えた解決策」を発表する前に紙幅が尽きてしまったのは不徳の致すところだ。そこで今回は、その「肝心な部分」をここにご報告申し上げたい。

NHKの朝ドラを通じて交通事故の悲惨さを周知徹底


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前回わたくしが申し上げた趣旨は「一部のドライバーはクルマっつーものが本来備えている危険性をナメている。だから、たわけた運転をしやがるのだ」ということであった。まぁ正確にはナメてるだけでなく「忘れてる」というのもあるのかもしれない。

そこでわたくしがまず提案したいのが、自動車が遺憾ながら備えている危険性・残虐性を「ニッポンの全国民にひたすら周知徹底する」という施策である。

軽微な違反をした者は、運転免許証の更新手続きをする際に試験場などで『贖いの日々』みたいな暗~いドラマを見ていることと思う。あれはあれで官による周知徹底活動のひとつなわけが、わたしに言わせればぜんぜん甘い、甘すぎる。もっと徹底してやらなければ、たわけ者には何も伝わらないのだ。

まず、本邦の公共放送局である日本放送協会(NHK)に全面協力を求め、つーか正確には官の力でゴリ押しし、8時から放送の朝ドラは必ず「ちょっとの油断が引き起こした交通事故による悲惨な人生」を題材としたドラマを放送するものとする。試験場で見る『贖いの日々』なんて目じゃない、一流の監督と脚本家が練りに練り、一流の俳優陣が熱演しまくる、最高に悲惨なドラマだ。

ドラマのタイトルは何でもいいのだが、例えば『ぜつぼうさん』とか『じこ姉ちゃん』などが良いのではないかと、小生は小生なりに愚考する。まぁ細かい部分は一流の制作陣にお任せしたいところだが。

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だが絶望的な朝ドラの義務化は逆効果か?


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あと、冷静に考えると『じこ姉ちゃん』が終わったと思ったら即座に『ぜつぼうさん』が始まるというのもさすがにアレなので、交通事故を題材とする朝ドラは「1クールおき」ぐらいが良いのかもしれない。間に1回、“のん”こと能年玲奈さんとかが主演する明るいドラマをはさむのが、大局的に見れば有効な施策となるだろう。

……しかし、不眠不休で『ぜつぼうさん』全150話の大まかな脚本を考えていたところ、自分はこの施策の重大な欠陥に気づいてしまった。

それは「強くイメージしたものはたいてい実現する」という、ナポレオン・ヒルも言っている世の中のやっかいな真実である。

朝ドラ『ぜつぼうさん』や『じこ姉ちゃん』には、悲惨な交通事故のシーンが数多く登場する。もちろん朝ドラなのでそのものズバリの画像などは出さないが、一流の制作陣が、交通事故の悲惨さを人々が壮絶にイメージできるよう、オブラートに包んだうえで見事に表現することになる。

そうすると何が起きるかというと、その朝ドラを観た人は頭の中で「交通事故」を非常に強くイメージすることになる。で、そうなると「強く明確にイメージしたもの」はたいてい実現してしまうので、結論として世の中は今以上に「悲惨な事故だらけ」になってしまうというわけだ。なんたること……。

不眠不休で考えた朝ドラ計画は完全に破綻した。これはダメだ。もっと何かほかの有効なプランを考えなければならない。

次に自分が考えたのが「インセンティブ・システム」の活用である。

「プラスの点数」が累積すると佐々木希とのデート権が発生


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人々に『じこ姉ちゃん』とかを朝から見せるというのは、ざっくり言ってしまえば物事の負の側面を強調したうえで、それのよって人々に何かを「強制的に」やらせようという考え方だ。しかし平成の世も二十九年を数えた今、そんな昭和テイストな何かは流行らないのではないかと我ながら思う。

今の時代は、マイナスではなくプラスの側面を動機づけの源とすること、つまり「やらなくちゃいけないから」ではなく「これをすると自分にいいことがある(インセンティブがある)から自発的にやる」という方向に人心を持っていくことが、おそらくは肝要であるはずなのだ。

つまりは「スマートな安全運転をした者に対する報奨制度」を拡張充実させ、その結果として悲惨な交通事故の発生件数を抑制する……という試みである。

それを実施するうえで自分が考えたのは「逆点数制度」だ。

現在の運転免許制度においては、違反点数がかさむほどに行政罰の度合いが上がっていく。例えば普通自動車の場合、携帯電話使用等(保持)の違反を犯せば点数が2点減ぜられ、6000円の反則金を国庫に支払う必要がある。そういった違反が累積すれば30日、60日、90日間などの免許停止となり、しまいには免取りになったり、麻薬等運転【特定違反行為】で3年以下の懲役またはは50万円以下の罰金に処せられたりする。

これはこれで当然残しつつ、インセンティブ・システムに基づく新制度、すなわち「安全運転をしている時間が増えるごとにプラスの点数が累積し、点数に応じて何らかの褒美がもらえる」というシステムも導入するのだ。

最初は「無事故・無違反の時間が延びるごとに報奨の度合いが増す」という設計を考えたが、そうすると「免許は持ってるけどぜんぜん運転してない、たまに運転するとめちゃめちゃ危ないペーパードライバー」が報奨の道の中心を歩むこととなり、却って問題が噴出する。あくまでも飛行時間ならぬ「運転時間」を基準とするべきだろう。

肝心の報奨の内容は、男性ドライバーであれば、現在の反則点数1点に相当するのが「AKBの後ろのほうにいるよく知らない人とドトールで20分間お茶する権利」で、15点に相当するのが「佐々木希と丸1日デート」みたいなもので十分かと思う。女性ドライバーの場合は西島秀俊やジャスティン・ビーバー、嵐の二宮くんなどを適宜ちりばめればよかろう。細かな設計は優秀な官僚諸君に任せるつもりだ。

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だが根本的な解決策は「アレ」しかないのかも…


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しかしここで問題となるのが、「でもそのドライバーが安全運転してるかどうかってのを、どうやって計測して、どう計量するのさ?」という大問題である。

自分は付け焼き刃で心許ない理系IT知識をベースに、不眠不休でそれを実現させるための技術がないかググってみた。しかし残念ながら、現時点における人類の科学技術ではそれを実現させる方策は皆無のように思えた。

その他、さまざまな施策を5000種類ほど考えてみた自分だが、結論としては、人間というこの不確かな、ちゃんとした奴もいればロクでもない奴も絶対にいる生き物が、自動車という素晴らしくもあり危険でもある機械の主導権を握っている限り、「事故を極力ゼロに近づけるのは不可能」ということになってしまった。

となれば、残る施策は一つしか残されていない。

「完全自動運転社会の実現」だ。

……運転という行為を心から愛し、そして手動運転にまつわるさまざまのことを文章化することで禄を食んでいる自分から、まさかこのような結論が出るとは、我ながら驚愕している。そして完全自動運転社会が実現すれば、自分のような者は真っ先に失職して野垂れ死ぬことになる。

だが、それもやむなしだ。

完全自動運転社会の実現が先か、それともわたしの職業的な寿命が尽きるのが先かは、今のところ不明だ。だが少なくとも、覚悟だけはすでに決めている不肖自分である。

[ライター/伊達軍曹]

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