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よもやま話

更新2023.11.22

積載車を持つ歓び・・・。そのクルマの車重や重心位置までも楽しむことができる!

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中込 健太郎

積載車を購入して間もなく10か月。事業用での購入ではなかったにせよ、いろいろな人間関係の中でクルマを運んであげる必要性も出てきて結構フル稼働状態です。こんなに走るなら、もう少し距離の薄いクルマを買っておけばよかったと思っています。28万3千キロで購入した日野デュトロ、10か月であっけなく30万キロを超えました。



さて、そんな積載車を所有し、乗っていると、いろいろな歓びがあるものです。その一つが「積載しているクルマの重さを味わう歓び」です。私のクルマは、日野デュトロに極東開発工業の「フラトップ」という、水平レベルまで荷台が降りるタイプの車載専用車です。

最大積載量は2,000㎏。最近のクルマは重いものも多いのでどうかなあ、と思いましたが、今のところ、重量オーバーで積めなかった、ということは一度もありません。背後にテーブルがあってそこにクルマを載せて走行すると、実はその車重もさることながら、重心の高さや重量配分のようなものが、ステアリングおよびシート、そして加速制動時のアクセルワークをして行く上でのレスポンスに少なからず影響するものです。今回はそんな話を書いておきたいと思います。



そもそも積載車は、専門家は「車載車」というそうですが、(当たり前ですが)クルマを積んで運搬するためのものです。ですので、負荷である積載状態が、クルマの設計の基準になっていて、空荷の状態だからといってそれほど快適でも軽快でもないというのは面白いところです。軽い分だけ回転数をあげなくても走るので、うまくすると、燃費が8km/Lを超えることもあります。500mから1kmくらい、同条件では燃費がいいようです。それ以外はむしろ、クルマを積んでいた時よりも挙動やパフォーマンスが著しく上がるということはあまりないようでした。むしろ、後ろに何か積んでいた時の方が乗り心地は落ち着くのは興味深いところです。



水冷のポルシェ911(996型997型あたり)を積んでいる時が一番トラック全体の挙動は「塊感」は強い気がします。確かに重すぎず、しかし軽すぎるわけでもない。そして車高も低くて、運転席のあるキャビンのルーフの高さを大きく超えないことも奏功しているのかもしれません。また緩すぎないサスペンションのおかげで、しっかりと固定しておくと、ぴょこぴょことボディが動くこともありません。すべての条件が私のデュトロとあっているのでしょう。ちなみに、こういうこともあるので、固定が甘かったりするとすぐにわかります。車体全体に妙なうねりのようなものがあるのです。小まめにリアの積載状況についてはチェックしますが、ひどいときは途中で下して積みなおすこともあります。ただ、軽いクルマほど難しいのです。はねやすいので、はねた際にクルマが荷台の上で移動してしまうことがあるからです。



こんな事情がありますから、積載車にクルマを積んで、運転していると、トラック自体の挙動はもちろん感じますが、それと併せて、積み荷のクルマの重量、重量配分、サスペンションの硬さ、重心の高さ。こんなことも味わうことができるのです。

おおお、やはりあのクルマよりも重いんだなあ、サスペンションのストロークやはり大きいなあ、などいろいろな所感が芽生えてくるものです。フロントエンジンのクルマを前向きに積み込むと、ホイールベースの真ん中にエンジンルームが来ます。もともとフロントにエンジンがあり、キャビンという空荷状態における最も重心の高いものを備えるデュトロですので、リアのタイヤの上あたりに重量物であるエンジンが来るのが収まりはいいようです。

先ほどご紹介した水冷の911のほかに、フェラーリのF360など、そこそこ重量のあるミッドシップモデルも収まりがよくなります。逆に昔のイタリア、フランス車、フォルクスワーゲンやスバル360のような軽量なRR車はあまり関係ありません。おそらく、重心の位置、重量配分以前に、十分に軽いことの方がが効いているのだと思います。



バックミラー越しに後ろに積んでいるクルマを観ながら、アクセルに、ハンドルに、そして変速タイミングなどもにも若干その時々で変化を感じることができるさまを味わいながら旅をする。これはまさに「積載する喜び」。クルマの楽しみ方の一つだなあと思いながら運転しています。



運送業ではありませんので、皆さんのためにとはいかないですが、送り出してくれる方、そのクルマを待っている方、その道中での様々な出会いなどはやはり旅の醍醐味であり。このクルマとともに走ったからこその財産だと思います。そんな、かけがえのない出会いを紡ぐような積み荷のクルマごとに異なる手ごたえ。積載車を運転する喜びである以上に、クルマを囲んでの人生の醍醐味を観るような気持ちさえいたします。ドライビングプレジャーだけがクルマの愉しみじゃない、と、そんな風に思っています。購入後10か月、2万kmほどを走って、ずいぶん破れかぶれな老体のデュトロですが、労りながら旅をするのは楽しいものです。ネタで面白かろうと買ったクルマでしたが、思いがけずいいクルマ。そんな思いがしています。



[ライター・カメラ/中込健太郎]

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