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カーゼニ

更新2018.06.18

人生の残り時間は意外と短いが、それでもクルマというものを存分に堪能したい

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伊達軍曹

近頃なぜか知らねど、拙者がその昔在籍していた杉並区立西田尋常小学校6年5組の小規模なクラス会が頻繁に開催されている。

17歳か18歳ぐらいの頃にはそれなりにしばしばクラス会が開催されていた記憶があるが、その後は約30年間、ほとんど会うこともなかった級友たちである。なぜ今になって、それこそ2カ月おきぐらいのペースで旧交を温めるようになったのだろうか。

人生の残り時間は意外と短い




皆それぞれ、子育てなどにおける手と時間と気合とが必要とされるピリオドを終え、なんとなく時間ができたから?

それもあるのだろうが、時間ができたからといって、何も尋常小学校時代の級友と会わねばならぬ道理はない。皆それぞれ「高尾山に登る」「詩吟教室に通う」「英検準一級の勉強をする」「日本文化センターで包丁を買う」など、さまざまのやるべきことがあるはずだ。

死期が近いから……であろうか?



というのは冗句だが、しかし冷静かつディープに考えてみれば、まったくもって冗句ではないとも言える。確かに拙者のようなおっさんの「死期」は、若かりし頃と比べれば確実に近づいてはきているのだ。

まあね、例えばの話、この原稿を書き上げたあとに「ちょいとシュペールなマルシェまで行って、清酒のアテでも買ってこようかしらん」なんつって往来に出た瞬間、2tロングのトラックにあっさり轢かれて死亡する可能性も2%ぐらいはあるため、人の死期なんてのはわからないものである。

だが「順当にいった場合」で考えても、20歳の拙者の余命がおおむね60年ほどと予想されるのに対し、現在の拙者の推定余命は約30年。

確かに近づいているのだ。

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果たしてあと何台、どんなクルマに乗れるだろうか




そうなると必然的に気になってくるのが「拙者は今生においてあと何台、どんなクルマに乗ることができるだろうか?」ということだ。

もしも拙者がビル・ゲイツ並みの大金持ちであるなら「クルマは毎月買い替えます」なんて芸当もできるだろうが、あいにく拙者はビル・ゲイツさんの推定1000分の1ほどの資産しか持ち合わせていない。となれば、かなり頑張ったとて「2~3年に1回ぐらいのペースで乗り替える」ぐらいの結果となろう。

そうすると、あと30年生きるとして……いや80歳の拙者は、その時点で世の中のブレーキ系安全装備がよほど進化していない限り、愛車を暴走させてスーパーのガラスを突き破り、他人様に危害を加えてしまう可能性も大。とすると、好きなクルマを好きな具合に運転できるのはせいぜいあと20年か。

いやいや、その前に「内燃機関を用いる自動車の社会的な死」あるいは「手動運転の禁止」が、思いのほか早く訪れる可能性もなくはない。まぁアメリカのだだっ広い砂漠みたいな場所ではさておき、日本の混雑した道で完全自動運転が実現するのはかなり先だろうと推測しているのだが、世の中何が起こるかわからない。

実際、たった20年前のインターネット黎明期にモデムをガーガー鳴らしていた頃は、まさか「電話付きの高性能小型コンピュータ(要するにスマホ)を皆が所有し、それを中心とした購買活動やコミュニケーションが世の中のメインストリームになる」なんてことを、一部の超天才以外は誰も想像していなかったはず。とすると、完全自動運転社会が意外と早く実現してしまう可能性もなくはないはずなのだ。わからないが。

残り時間をディープに完全燃焼させる所存だ!




以上の諸々を鑑みると、結論として「あと10年」だと拙者は推測する。

拙者と、拙者と似たような世代の貴兄が「クルマ」というものを存分に堪能できるのは、今後たったの約10年間にすぎないのだ。知らんけど、たぶん。

コイツ、暗い話をしやがって……とお思いだろうか?

そう思われたならいちおう謝りたいとは思うが、拙者は特に暗い話をしているつもりはない。何につけ物事の「質」というのは、「時間」と必ずしも正比例の関係にあるわけではない。10年(かどうかはわからないが)のなかでもしもディープに燃焼し尽くすことができたなら、それで十分大勝利、大満足なはずなのだ。

薄口の10年より、たまり醤油的なまでに濃い10年である。

ということで、拙者はさっそく今後10年における己の車人生の完全燃焼を果たすべく、ちょいと横浜あたりまで空冷エンジンのポーシェを買いに行こうと思う……と思って信用金庫の通帳を見てみたところ、思いのほか残高が少なかったため、予定を変えて山崎製パン杉並工場の深夜バイトに行くことにした。

それでは、御免。

[ライター/伊達軍曹]

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