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コラム

更新2020.08.21

現行モデルのポルシェ991型は、ドイツ人技術者達の一徹さを感じる

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外車王SOKEN編集部

ポルシェ911の様に、50年間もその名を継いで製造が続けられている、通称「ナローポルシェ」と呼ばれている初代モデル(901型)。半世紀ほど前に造られたモデルを一目見ても“ポルシェ911だ”とすぐに分かり、今でも世界中で愛され、憧れの対象である名車が他にあるでしょうか?

現行モデル(991型)で7代目となるポルシェ911ですが、常に最先端の技術改良を加えながら、RR(車両の後部にエンジンを搭載した後輪駆動方式のこと、但し現在は4W仕様もあります)の水平対向式エンジン(普通は縦方向に設計されるピストンが横向きに寝ている構造のエンジン。ポルシェと富士重工業のみが採用しています)という特徴を頑なに守り、活かし続けています。

そんなポルシェ911の現行モデル、991型の種類をご紹介したいと思います。(※2016年現在)

ちょっと脱線しますが、VW(フォルクスワーゲン)の部品を多用していた、全く新しいタイプの新モデルへの社運をかけた開発は1956年に始まりました。そして1963年にフランクフルトモーターショーでデビューし、翌年から量産生産を開始します。この新モデルとなる901型のエンジンの開発主任は、あのフェルディナンド・ピエヒ氏。後に1993年から2002年までVW会長を務め、同社を世界で1,2を争うメーカーに発展させた人物です。ピエヒ氏は、ポルシェ創業者、フェルディナンド・ポルシェの孫でもあります。

また「911」というモデル名ですが、誕生当初は開発コード「901」がそのまま車名に採用されていました。ところが、プジョー社が中央が0の3桁数字のすべてを商品登録して押さえていることがわかり、仕方なく0を1に変えたというエピソードはあまりにも有名です。

さて、7代目911ですが、21種類のモデルが販売されています(日本市場/2016年4月現在)。カブリオレタイプ、タルガトップ。全輪で駆動する4WDタイプといった派生車を集約すれば、エンジンを基に区分すると、以下に分類することができます。

新世代となる3Lツインターボエンジンを載せたモデル


カレラ、カレラ カブリオレ、カレラS、カレラS カブリオレ、カレラ4、カレラ4 カブリオレ、カレラ4S、カレラ4S カブリオレ
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3.4L/350PSエンジンを搭載したモデル


カレラ Black Edition、カレラ カブリオレ Black Edition、カレラ4 Black Edition、カレラ4 カブリオレ Black Edition

3.8L/430PSエンジンを搭載したモデル


カレラGTS、カレラGTSカブリオレ、カレラ4 GTS、カレラ4 GTSカブリオレ
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3.8L/500PSエンジンを搭載したモデル


GT3RS、911R

3.8L+ツインターボエンジンのモデル


ターボ、ターボS、ターボ カブリオレ、ターボS カブリオレ

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20秒で開閉できるルーフテクノロジーを採用したタルガモデル


タルガ4、タルガ4S、タルガ4 GTS

いずれも走行性能は折り紙付きですが、貴方のお好みのポルシェ911は、どのモデルでしょうか?

ポルシェ911が誕生した頃は珍しくなかったRR方式ですが、現在はほとんどみかけません。なぜでしょうか?RRでは、後方の車軸上に重いエンジンが乗り、後方のタイヤを動かしますので、エンジンの重さでタイヤが路上に押し付けられて、トラクションが得やすいというメリットがあります。

しかしながら、それを上回ってデメリットの方が多いからなのです。まず、どうしても車両後方が重くなり前後重量バランスが偏りますので、前輪が浮きやすく、またカーブ走行も安定しません。更にエンジンに走行中にあたる空気を当てて冷やすことが難しく、トランクルームも狭くなります。911でも、過去には後部座席がエンジン熱で暑くなりすぎて座れないというトラブルがありました。

ポルシェ911の真骨頂は、技術の進歩でFF(エンジンを前方に置いた前輪駆動)方式が容易になった流れに逆らうかのように真正面からRRの問題に取り組み、技術課題をひとつひとつ解決して、更にそこから優れた性能を引き出し続けているのです。時には、フロントに20kgほどの重りを載せるという荒業を使いながらも…。多くのポルシェフリークから支持されている部分は、この頑固さといえるかもしれません。

ポルシェ911に興味がある方は、是非とも試乗でこの独特な走行性能を試してみることをお薦めします。ドイツ人技術者達の一徹さに思いを馳せながら…。

[ライター/CL編集部]

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