更新2025.02.20
車検切れのクルマの運転は重大な違反!罰則について解説
外車王SOKEN編集部
車検切れのクルマで運転すると、厳しい罰則が科せられます。道路運送車両法違反として罰金が発生するほか、免許停止処分の対象になります。
本記事では、車検切れのクルマの運転に関する罰則の詳細と、車検切れが発覚した際の対処法について、分かりやすく解説します。
車検切れのクルマの運転で科される罰則
車検切れのクルマの運転は「無車検運行」とみなされ、以下の罰則が科されます。
違反点数 | 6点 |
懲役or罰金 | 6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金 |
行政罰 | 免許停止30日間 |
前歴がある場合は、さらに重い罰則が科されます。前歴が1回の場合は90日間の免許停止、2回以上ある場合は1年間の免許取消です。なお、前歴がなくても累積点数が15点を超える場合は免許取消となります。
運転免許における前歴とは、過去3年間に免許停止や免許取り消しなどの行政処分を受けた違反歴のことです。また、違反点数の累積期間も3年間であり、その期間内に新たな違反を重ねると、より厳しい処分の対象となります。
また、無車検運行と同時に他の交通違反を犯した場合は、それぞれの違反に対する処分が科されます。たとえば、速度超過や信号無視などの違反と重なった場合、違反点数は合算され、より長期の免許停止や場合によっては免許取消となる可能性が高いです。
自賠責保険切れで科される罰則
車検が切れていると、同時に自賠責保険の期限も切れているケースが多いです。車検とともに自賠責保険が切れた状態で運転すると、以下の罰則が科されます。
違反点数 | 12点 |
懲役or罰金 | 1年6ヶ月以下の懲役もしくは80万円以下の罰金 |
行政罰 | 免許停止90日間 |
自賠責保険は、交通事故による被害者の保護を目的とした強制保険であり、すべての自動車に加入が義務付けられています。自賠責保険には、死亡事故の場合は最大3,000万円、後遺障害が残った場合は最大4,000万円、傷害事故の場合は最大120万円までの補償が定められています。そのため、自賠責保険が切れた状態で事故を起こした場合、これらの補償を受けることができず、事故の加害者が全額を自己負担しなければなりません。
車検切れのクルマの運転が発覚するケース
車検切れのクルマの運転は、さまざまな方法で発覚します。主な発覚のケースについては以下のとおりです。
車検ステッカー
車検切れの発覚方法として最も多いのが、フロントガラスに貼付された車検ステッカーです。2023年7月からは貼付位置が運転席側上部に統一され、より確認しやすくなりました。このステッカーには、表面に車検の満了年月、裏面には満了年月日が記載されており、警察官はもちろん一般市民でも簡単に車検の期限をチェックできます。
自動取締りシステム
「Nシステム」とは、全国の道路に設置されている自動でクルマのナンバーを読み取る装置です。手配車輌のナンバーと照合する機能のほか、車検切れ車輌を自動的に検知する機能も搭載されています。さらに、自動ナンバー読取装置を搭載している警察車輌もあり、通常のパトロール中でも車検切れ車輌を即座に発見できる場合があります。
交通取締り
警察による日常的な交通取締りの際にも、車検切れは発覚します。特に、速度違反や駐車違反などの取り締まり時には、必ず車検証の確認が行われます。また、交通事故の際の現場検証でも、車検の有効期限は優先的に確認される項目の1つです。
通報制度
国土交通省は、一般市民からの通報窓口として「無車検車・無保険等車通報窓口」を設置しており、誰でも簡単に通報できる仕組みが整備されています。インターネットやFAXを通じて受付を行っており、通報された情報は速やかに関係機関へ伝達されます。
車検切れのクルマの対処方法
車検切れのクルマを運転すると、重い罰則が科されます。移動させたり、手放したりしたい場合にはどうすればよいのでしょうか。ここでは具体的な対処法について解説します。
積載車による運搬
積載車で運搬することで車検切れのクルマを移動させられます。レッカー車で牽引するクルマを走らせることになるため、車体ごと載せて運搬する積載車を利用しましょう。
積載車を選ぶ際は、クルマの大きさや重量に適した車輌であるかどうかをチェックする必要があります。特に、輸入車は車高が低かったり重量が重かったりする場合があるため、事前に詳細な情報を運搬業者に伝えましょう。
仮ナンバー取得
仮ナンバーを取得すれば車検が切れていてもクルマを運転できます。ただし、自賠責保険証が必要なため、保険が切れている場合は事前に申請しなければなりません。
役所で仮ナンバーを申請すると、限定された経路での一時的な走行が認められます。申請には、自賠責保険証のほかに車検証や運転免許証、印鑑などが必要で、最長5日間の使用が可能です。仮ナンバーの申請時には、走行ルートを具体的に示す必要があり、そのルートから外れての走行は認められません。また、申請時に示した目的以外での使用も禁止されています。
廃車
車検が切れて、今後乗る予定がない場合には廃車にするのも1つの方法です。ただし、手続きの際には運輸支局に実車を持ち込む必要があるため、積載車を手配するか仮ナンバーを取得しなければなりません。車検証や印鑑証明書などの書類を用意する必要があるほか、手数料がかかる点にも留意しましょう。
買取業者への売却
車検切れのクルマに今後乗る予定がない場合は、買取業者への売却を検討してもよいでしょう。車検が切れていても問題なく売却できるうえに、出張査定に対応している業者であればクルマを自宅敷地内や駐車場から動かす必要がありません。
愛車のジャンルに特化した、たとえば輸入車を売るのであれば輸入車専門の買取業者に依頼すれば、予想以上の価格を提示されるかもしれません。多くの業者では手数料なしで出張と査定を行っているため、手放しを検討している方は売却を検討してみるとよいでしょう。
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まとめ
車検切れのクルマの運転は、重大な違反として厳しい罰則が科せられます。そのため、車検の期限をしっかりと把握し、適切なタイミングで車検を受けましょう。
車検切れのままクルマを長期間放置していて、今後の対応に悩んでいる場合には、売却を選択肢にいれることをおすすめします。
輸入車専門の外車王では、20年以上の買取実績を活かし、さまざまなおクルマの売却を丁寧にサポートします。車検が切れた愛車を手放すかどうか迷っている方は、ぜひ一度外車王にご相談ください。