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ライフスタイル

更新2020.08.20

公開2016.08.16

あなたが突然この世からいなくなっても、大切な愛車を乗り継いでもらうには?

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松村 透

何だかヘビーなタイトルですが、この時期はご先祖様の墓前に手を合わせてきた方も多いのではないでしょうか。筆者もそのひとりです。墓前に手を合わせているとき、ふとこんなことを思ってしまったのです。

「そういえば、自分が突然この世からいなくなったら、いまの愛車はどうなってしまうんだろう?」と。いくらなんでも不謹慎かもしれませんが…。

お陰様で毎日締め切りに追われている以外は、大病もなく元気に過ごせています。ありがたいことですね。アントニオ猪木氏のあまりにも有名な「元気があれば何でもできる」という、もはや格言めいた言葉もあります。本当にそうだと思います。

ご高齢ゆえに愛車を手放す方もいる。その行方は?



若いときにどれほどエネルギッシュだった方であっても、寄る年波にはかないません。気持ちのうえではまだまだ乗り続けたくても、体力的についていけない…。遅かれ早かれ、誰でもそういう時期が訪れます。奥さまよりも長い付き合いの愛車とも、お別れしなければならないときがやってくるのです。それが突然だとしたら…。

理想的なのは親族が引き継いでくれることです。当時のナンバーもそのまま引き継いでくれるとしたら、オーナーさんとしては望外の喜びでしょう。しかし、必ずしもそうはならないこともしばしばです。

親族が引き継いでくれなかった場合、さまざまなケースが考えられます。

1.買い取り専門店が引き取る
2.街の自動車販売店が引き取る
3.オーナーの友人・知人が引き取る


「3.オーナーの友人・知人が引き取る」であれば、その後の行方や前オーナーのクセなどを理解して大切に扱ってくれるかもしれません。身近なところにある分、ときにはクルマを見せに来てくれることもあるでしょう。しかし、1や2の場合、もう手の届かないところへ行ってしまう可能性が高いのです。場合によっては、日本を離れて海外へ旅立ってしまうこともありえます。

かつて、ヨーロッパのクラシックカーが日本にやってきた時代。未亡人となった奥様が「主人の愛車がヨーロッパ大陸にあると、いつかどこかで出会ってしまうかもしれない。でも、極東の日本ならそんな心配もいらない。だから譲る」というエピソードがありました。これとは逆のパターンです。

事実、少し前なら考えられないような往年の名車や旧車たちが水面下で取引されているのです。いつか自分の手元に置きたいと考えていた方にはまたとない機会ですが、投機対象になってしまうことだけは避けてもらいたいものです。

あなたが突然この世からいなくなったとき、愛車はどうなってしまうのか?

悲しいことですが、かなりの確率で売却されてしまいます。筆者も経験しました。

経験がある方であれば想像がつくと思いますが、残された家族や親族は大変です。いわゆる生前の後始末をしなければならないからです。下手をすると、ひととおり落ち着くまで数ヶ月〜年単位で掛かることも珍しくありません。

クルマのように、置いておくだけで維持費が掛かるもの、まして車検が近い場合は真っ先に売却されてしまいます。悲しいけれど、これが現実なんですよね…。

そういったことを極力回避するため、予め引き渡し先を決めておくことをお勧めいたします。もし、引き取ってくれてもいいよという人が周囲にいるとしたら、双方で覚え書きを交わし、家族や親族に伝えておくと安心です。口約束でもいいのですが、いったいわないのトラブルの元になるので避けましょう。肝心の売却金額をどうするか、引き渡し方法など、トラブルを避けるために明文化しておくことをお勧めします。

高く買ってくれる人より、大切に乗ってくれる人を選べるか?

2つの要素を併せ持つ人が引き継いでくれるのが理想的ですが、残された家族や親族の経済的な事情などもあるでしょう。泣く泣く高く引き取ってくれる人や、買取り業者に引き渡さざるを得ないかもしれません。

オーナー自ら、遺言という形で自分の意思を書面に残しておく方法も大いにありだと思います。「俺、まだまだ健康だよ」という方でも、本当に何が起こるか分かりません。実は先日も、筆者が大変お世話になった方が長期入院中で、愛車を保管しているガレージに立ち寄り、久しぶりにエンジンを掛けて暖機運転をしてきたところです。コンクールコンディションで優勝するくらい愛車を大切にする方なので、入院中も気になって仕方がないようです。家族の方を通じて、こちらでエンジンを始動しておいたことを伝えてもらいました。

クルマという、場所を取ってなおかつ維持費の掛かるものを形見分けするのは大変です。いざというときのために(そのときが訪れるまで考えたくはありませんが)、引き渡し先だけはいまからクリアにしておいた方が良さそうです。

[ライター/江上透]