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よもやま話

更新2023.11.22

はからずも、グランツーリズモ。(日産ジュークアーバンセレクションに乗る)

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中込 健太郎

車検前の連休はマセラティと一緒のはずでしたが・・・
半年ほど前に私の元にやってきたマセラティ430。実はこのゴールデンウィーク明けに車検のタイミングを迎えます。ということで、当初、この連休はマセラティとちょっと遠くに、と思っていたところでした。それが先刻ご報告した通り、実は接触事故にあってしまい、入院(機関系の入院は一度もないくせに、先に板金とは、滑稽であるとすら言いたい気分ですが・・・)してしまったため、私の駐車場は寂しいことになっていました。この機会に、確かにヴァリエッタは最高のシーズンを迎える訳ですが、しかし、真夏も過ぎ、越冬もしてみて案外「年がら年中シーズンよね」ということに気づいてしまった私は、何か機会があったらあまり乗ったことのないクルマに乗ってみるというのもよいかな、と、いつもお世話になっているメーカーの広報の方にご相談をさせていただいたところ、案外「連休中は貸し出しをしておりません」というお答えを立て続けに頂きました。たしかに、何かあったら、休日返上、対応がすぐできない場合もありますね。しかし、そんな中「茅ヶ崎にあるものでよければどうぞ、このジュークとか」ということで、全高を1550ミリに抑え、立体駐車場を利用する際、大幅に有利になった、都会派のための選択肢「アーバンセレクション」をゴールデンウィーク中お借りするなったと言う訳です。

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「どうせ車庫に入るようにしただけなんでしょ?」

日産ジューク、人気ですよね。街でもよく見かけます。クルマ好き歴の長い方とお話ししていると、このクルマに厳しい意見の方も少なくないようです。「一見キャッチーなああいうデザインで人気取りをしようったってそういうもんじゃない」的な。でも個人的にはワールドワイドなNISSAN顔で「愛嬌系」の12系マーチを、さらにデザインに振り切ったようなかたち、そんなに嫌いではありませんが。昔と違うので、確かに海外向けには標準装備の安全装備が省かれていたり、ここをこうしたらいいのに、という内容は声に上げてよいと思いますが、台数の正義も無視してはいけないと思います。絶対数が少ない市場になっている自動車において、一般に受け入れられているということには一定の評価はしてもいいのではという考えもあるのです。

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ただ、このジュークしっかり乗ってみたことがなく、特にこの「アーバンセレクション」は未経験でしたので実に楽しみでした。オーテックジャパンのあつらえた車高を落とすサスペンションを装着しているというので、うすうすは感じていましたが、茅ヶ崎で拝借、まずは箱根の大観山まで上ってそこから下りてきたあたりで「ん?」このクルマのただならぬ片鱗に気づいてしまったのです。結果、もしかすると普通の方は一年かけて乗るかもしれない、そんな距離を二週間で走ってしまった訳ですが、このときすでにその「嫌な予感」は過っていたのでした。

その前に、奇抜なパーソナライゼーションは必要か。
拝借したクルマはオレンジのさし色が施されている仕様です。パーソナライゼーションというオリジナルのコーディーねーとが楽しめるプランも設定されているジューク。最初は「なくてもいいかしら」と思わなくもありませんでした。しかし、何回かパーソナライゼーションのジュークとすれ違うと、ドライバーさんはこっちを見てくるのです。そして中には手を振り合ったことがありました。こういうところで「ジュークとパーソナライゼーション・ジューク」の違いが明確にあるなと感じました。今時こんなコミュニケーション、なかなか輸入車でもできないでしょう。ただし、シトロエンBXどうしや、マセラティ430がビトルボ系とであったりするとき、またローバーミニを借りたときもありました。そういうレベルのカーライフの質が楽しめるクルマだと言うことなのでしょう。もし、お気に入りのコーディネートができるなら、ぜひパーソナライゼーションは試した方がよいとおもいました。ただ試乗車はオレンジのさし色が入ったもの。このオレンジはないようですが。しかしながら「さし色の入ることの歌舞き」。その存在感、効果はかなり無視できないという点はご報告しておきたいところです。

 

顛末はあらためて。しかしどこまでも走っていたいクルマ。

このクルマエンジン自体は1500ccの4気筒エンジン。不足はないですが、ゆとりをことさら主張できるほどのパワフルさはありません。それに組み合わせられるのが高効率のCVTというのがせめてもの救いといえるかもしれません。ただ、比較的小振りなクルマですが、けっして軽量なクルマと言う訳でもなく、平地を100キロ巡航するときに2000回転を切ってクルージングできる点は褒めたいと思いました。

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ドライブモードが選べ、エコノミー/ノーマル/スポーツの3つのモードで、CVTやエンジンのレスポンス、エアコンの稼働状況などにオペレーションを介入させる機能がついています。しかしまずスポーツモードに関しては、よほど山間ルートの高速を全開で急がねば行けないとき以外は使いたくないと思いました。ちょっと踏むと過剰にエンジンが反応し、高回転にたちまち到達するのですが、かといってCVTのほうにつきものの「リニアさの欠如」を埋めるまでには至らず、エンジンばかりが勇ましく、しかし加速はそれなりという印象でした。正直どこか子供染みた感じ、落ち着きのなさぼかりが目立つモードでした。エコノミーモードは逆に、最小限の燃料消費でじわりと加速していく感じ。実に緩慢。遅いのですが、今回のように、国道メインで長距離をのんびり走るなら、これもわるくないかもしれません。ここに入れて広いながれがそこそこいい国道を流すと15キロを難なく超える燃費。悪くないのではないでしょうか。

しかし、このクルマで目が覚める思い、二度見のよさは、高いボディ剛性と、アーバンセレクションですこしだけさらに前傾になったことでの荷重バランスの移動で鼻先を支点にカーブをひらりひらりと下りることができるハンドリングではないでしょうか。

そして加えて、フロントまわりから、ごつごつ、ごろごろとステアリングに伝わってくるような「ばたつき」「がたつき」がかなり押さえられている。これが250万円以下の価格帯で日本で選べるというのは喜ばしいことではないでしょうか。

これが長い距離を運転したときの疲労をかなり低減してくれて、私のようなものが運転すると「少しだけ遠回り」をしたくなるということをこの連休中に確認できました。

はじめてのクルマを買うという若者には是非ススメたい1台。

このクルマに乗って、すでに4000キロほど乗って感じたこと。それは「初めてクルマを買おうと思うんだけれど・・・」という若者にはこのジュークアーバンセレクション。ぜひ薦めたいです。それはまず、このクルマなら、納車後いろんなところに出かけ、時には帰省でも活躍するといったことも含めて、使えるし、しかもそういう中で「クルマがあるって楽しいなあ。クルマがあってよかったな」と実感できると思うからです。普段使いでも、1500cc程度のサイズで外から見るよりはよほど居住性も高いので、やや座面は短いながら仲間内で出かけるときにも重宝することでしょう。そして、この「155センチ」い収まった全高が、普段使いを考慮するときの最後の一押しで聞いてくると言えるでしょう。

いや、最初にもっとマニアックなクルマ、エンスーなブランドに乗っておくべきだ、という考えもあるでしょう。しかし、クルマ嫌いになってはもともこもありません。まずは「そのクルマとともに思い出は紡げるか?」これは重要な命題だと思います。中古でいいじゃない、確かに筆者自身も中古車でいい方です。しかしそうではダメな人にとってはそこはきっと譲れないことでしょう。このクルマが『新車で』250万円以下の価格帯にあることはとてもよいことだと感じます。正直名だたるエンスーブランドのクルマで、この倍もして、このクルマよりも「とっととお家に帰って風呂入って寝たい」と思わせるクルマなくはないでしょ、というのは私の見解ですが。そういうものは、どうしても好きな方で、予算に制限がある場合に選べば良くて、必ずしも、エントリーカーとして薦められないと思うのです。

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要は日産の中では「シルビアのたち位置」?

そんな風に感じました。『カテゴリ』『クラス』は全く違います。でもセダンじゃない、ハッチバックじゃない。ちょっとスペシャルなクルマ、、、今ではクーペではなくSUVではないでしょうか。そして、身の丈にあった、そしてマイカーは毎ルームの延長で、デートにも通勤にも使う。そういう立ち位置のクルマなんじゃないだろうか、そう感じたものです。

とにかく日産の量産コンパクトカー、もっと粗野で金太郎飴な感じを想像していましたが、このクルマには、ドライブを始めようと言う意欲だけではなく、このクルマとカーライフをスタートさせようか、という若々しくアクティブなスタンスを感じるのです。

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一つだけ苦言を呈するとすれば、今時のクルマにありがちな窓の小ささ、後方、斜め後ろの視界の悪さでしょうか。CADで線引いただけじゃなかろうか?ここに開発者は座ってみてみたのであろうか?今のクルマ全般に言えるのは、電子デバイスで勝手にクルマを停める仕組みより「今このピラーの向こうで起きていること」を見せてほしいということです。だから項目で緊急停止機能付き運転支援装置の有無とかで安全への姿勢の評価をすることに極めて強い違和感を覚えるのです。このクルマもそう。でも車格に比してずいぶん大振りなドアミラー、そしてその裏側に内蔵されたウィンカーで、車外の様子を伺うことに努力の跡が見られるし、自車の存在をアピールする点にも配慮を感じる点は評価したいと思いますが。
とにかく、こういうクルマでゆっくりのんびり旅をすること。そして運転にもなれ、普段で気ない体験、かけがえのない出会いに多く触れることで、クルマと暮らしていくことの価値を実感してくれたらどんなにいいだろう。このクルマはそんなことを想像させるものを持っているようでした。奇抜にも思えるデザインのこのクルマは、実はかなりまじめなメッセージの籠った、じつに佳いクルマじゃないか。そんな印象を受けたのでした。

カレントライフ読者には、クルマ趣味上級者も多く、ゴールデンウィークが過ぎると親戚の中に、あるいは職場の後輩で「今度クルマを買おうと思って」という若者がいるという方もいらっしゃるかもしれません。そんなときに「見てきたらいいクルマ」「おススメのクルマリスト」にぜひジュークアーバンセレクション、加えてみてください。

日産ジュークの公式WEBサイト
http://www.nissan.co.jp/JUKE/

日産ジューク「アーバンセレクション」WEBサイト
http://www.nissan.co.jp/JUKE/point_urbanselection.html

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(国道8号線を走行中。立山を望む。)

 

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