
ドイツ現地レポ
更新2023.11.22
ドイツではMTばかり!MT車はめんどくさいのではなく、わがままに乗れるクルマだ
中込 健太郎
クルマ好きの中にはMTでないとだめ、みたいな温度感の方もいらっしゃいますね。個人的にはそこまでではありません。自動変速までは、自動車の技術として、ある程度初歩的なもので、その登場で、飛躍的に利便性を向上させた。そういう技術だといっていいのではないかと思っています。ただ、私個人的な趣向性では、オートマも悪くないなあと思います。ダイレクトではないからこそ。ペダルワークで「クルマに寄り添っていく」そんな運転スタンスはマニュアル車にはないもの。そのうえで、クルマとシンクロした時の喜びは、マニュアル車ではなかなか味わえないものではないでしょうか。


最近では自動変速といってもツインクラッチタイプ、シングルクラッチタイプの2ペダルギヤ、プーリーやベルトなどを介した無段階変速CVT、オーソドックスなトルクコンバータータイプのオートマチックと多種多様。クルマの性格や、燃費性能などを考慮してチョイスされています。また、かつての欧州車は基本的にマニュアル主流で、ごく少数の自動変速車が製造されていたに過ぎませんでしたが、その信頼性や、燃費効果も高い変速機が増えてきたことで、かなり自動変速車のシェアも上がってきているようです。追従型クルーズコントロールの一般化や、エンジン自体は燃費コンシャスな小排気量過給機で、マニュアルシフトで運転するにはピーキーなものも多いからという事情も、背景としてはあるのかもしれません。
その上で、マニュアルトランスミッションはめんどくさい。渋滞の中では煩わしいといった意見に関しても、そんなに「ことさらにいうほどだろうか?」と思ってしまうのであります。クラッチのフェーズの挙動はオートマチックにはないもの。あのクリープとは全く違いますね。そして燃費コンシャスな運転も、ガシガシダイナミックな運転も自分の思いのまま。マニュアル車はめんどくさいのではなく「わがままに乗れるクルマ」だと思っています。ここ最近あちこちで、こんな風に申し上げています。


ドイツからの便りに、マニュアル車の写真がたくさん入っていました。どうも車種で判断するに、少し前のクルマですね。ダウンサイジングターボではなく、あるいはホットな仕様も含まれているかもしれません。日本に輸入されるクルマはマニュアルであっても、一番スポーティーで上等な仕様にだけ設定とかも少なくありませんね。私個人的に不満を表明したいのはその部分です。自分も「へたっぴドライバー」ですので、ハイパフォーマンスな車ほど自動変速にご登場願いたいですし、クルマの素材の良さを味わうことができるという意味でも、幸福を感じることができるのは、そういうホットバージョンのモデルではなく、一番素のモデルだったりしますね。その点でいうと、さすが現地。シート表皮の素材、内装を見る限り「ごくごく普通のグレード」なのではないか。その部分にテンションが上がってしまうわけです。
クルマはノンターボ、そんな過剰でなくてもいいので絶対的なトルクが常に泉から湧き出すようなSOHCかOHVのそんなに大きくないクルマの良さと言ったら、筆舌に尽くしがたい魅力があるのです。商品力でいえば、乗る前には不安になるほどちゃちな内容だったりします。しかし、それでも不満があまりなかったりすると、小ざっぱりしたそのなりがむしろ愛おしかったり。そんなクルマなんじゃないでしょうか。こういうクルマをマニュアルで乗ってごらんなさい。どんなに高価なクルマを一緒に持っていても、それに一切乗らなくなってしまうような危うさすら感じてしまうのです。


誤操作ではないかとされる事故が多く、それに対する解決策として、マニュアル車オンリーのライセンスを作ればそういう事故が抑えられるのではないかという意見もあり、ある種私もその意見には一定の共感を覚えるのですが、そういう危機管理の問題を抜きにしても、シンプルなマニュアル車、常に一台手元に置いておきたい。そのくらい魅力的な存在ではないか。最近そんな風に思っているのです。まさにそうそうこんなクルマ。ドイツからおくられてきたシンプルなマニュアル車の写真を見て、そんな気持ちになったのでした。
[ライター/中込健太郎 カメラ/ドイツ現地スタッフ]


最近では自動変速といってもツインクラッチタイプ、シングルクラッチタイプの2ペダルギヤ、プーリーやベルトなどを介した無段階変速CVT、オーソドックスなトルクコンバータータイプのオートマチックと多種多様。クルマの性格や、燃費性能などを考慮してチョイスされています。また、かつての欧州車は基本的にマニュアル主流で、ごく少数の自動変速車が製造されていたに過ぎませんでしたが、その信頼性や、燃費効果も高い変速機が増えてきたことで、かなり自動変速車のシェアも上がってきているようです。追従型クルーズコントロールの一般化や、エンジン自体は燃費コンシャスな小排気量過給機で、マニュアルシフトで運転するにはピーキーなものも多いからという事情も、背景としてはあるのかもしれません。
その上で、マニュアルトランスミッションはめんどくさい。渋滞の中では煩わしいといった意見に関しても、そんなに「ことさらにいうほどだろうか?」と思ってしまうのであります。クラッチのフェーズの挙動はオートマチックにはないもの。あのクリープとは全く違いますね。そして燃費コンシャスな運転も、ガシガシダイナミックな運転も自分の思いのまま。マニュアル車はめんどくさいのではなく「わがままに乗れるクルマ」だと思っています。ここ最近あちこちで、こんな風に申し上げています。


ドイツからの便りに、マニュアル車の写真がたくさん入っていました。どうも車種で判断するに、少し前のクルマですね。ダウンサイジングターボではなく、あるいはホットな仕様も含まれているかもしれません。日本に輸入されるクルマはマニュアルであっても、一番スポーティーで上等な仕様にだけ設定とかも少なくありませんね。私個人的に不満を表明したいのはその部分です。自分も「へたっぴドライバー」ですので、ハイパフォーマンスな車ほど自動変速にご登場願いたいですし、クルマの素材の良さを味わうことができるという意味でも、幸福を感じることができるのは、そういうホットバージョンのモデルではなく、一番素のモデルだったりしますね。その点でいうと、さすが現地。シート表皮の素材、内装を見る限り「ごくごく普通のグレード」なのではないか。その部分にテンションが上がってしまうわけです。
クルマはノンターボ、そんな過剰でなくてもいいので絶対的なトルクが常に泉から湧き出すようなSOHCかOHVのそんなに大きくないクルマの良さと言ったら、筆舌に尽くしがたい魅力があるのです。商品力でいえば、乗る前には不安になるほどちゃちな内容だったりします。しかし、それでも不満があまりなかったりすると、小ざっぱりしたそのなりがむしろ愛おしかったり。そんなクルマなんじゃないでしょうか。こういうクルマをマニュアルで乗ってごらんなさい。どんなに高価なクルマを一緒に持っていても、それに一切乗らなくなってしまうような危うさすら感じてしまうのです。


誤操作ではないかとされる事故が多く、それに対する解決策として、マニュアル車オンリーのライセンスを作ればそういう事故が抑えられるのではないかという意見もあり、ある種私もその意見には一定の共感を覚えるのですが、そういう危機管理の問題を抜きにしても、シンプルなマニュアル車、常に一台手元に置いておきたい。そのくらい魅力的な存在ではないか。最近そんな風に思っているのです。まさにそうそうこんなクルマ。ドイツからおくられてきたシンプルなマニュアル車の写真を見て、そんな気持ちになったのでした。
[ライター/中込健太郎 カメラ/ドイツ現地スタッフ]