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更新2020.08.24

アーマーゲーと呼ばないで、といわれていた頃のAMGを振り返る

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松村 透

いまでこそすっかり「AMG=エー・エム・ジー」という呼び方が定着した感がありますが、以前は「アーマーゲー」といった方が通りがよい時代が確かにありました。これは「BMW=ベンベー」みたいなものでしょうか?こちらの呼び方も、最近はあまり聞かなくなりましたね。

所ジョージさんもテレビ番組で「アーマーゲー」と呼んでいましたし、この響きが妙に格好良く聞こえた(ような気がする)のは確かです。いまでも、アラフィフ世代以上の方と話していると、不意に「アーマーゲー」のキーワードが飛び出してきて、懐かしい気持ちになります。

AMGジャパンも「アーマーゲー」の呼び名を払拭するのに苦労した?



しかし、当時の輸入元であるAMGジャパンは、この状況に少なからず困惑していたようです。輸入車専門の中古車情報誌の巻頭で「アーマーゲーと呼ばないで」という、かなりインパクトのあるタイトルの特集が組まれたほどでした(偶然ですが、先日、ミニカーの記事を執筆いただいたライター北沢氏が、この特集号で記事を書いていたそうです)。

それはさておき、「アーマーゲー」時代(?)のAMGには、現行モデルにはない「雄々しさ」を前面に出したような迫力がありました。当時のAMGといえば「外装色はブルーブラック。内装はブラックレザー」が最も人気かつ最強の組み合わせと断言して間違いありません。また、リアにブリスターフェンダーを備えた「Hammer(ハンマー)バージョン」に魅了された方も多いはずです。

最近でこそあまり見掛けなくなった「アーマーゲー」なAMG…。こうして振り返ると、この時代だからこそ生まれたモデルであるような気がしてなりません。

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AMG 560SEL 6.0(W126)




▼こちらは「Mercedes Benz 560 SEL AMG Japanese Import」とあります。日本から海外に流失していったAMGでしょうか…。


AMG 560SEC 6.0 Wide Version(C126)




▼まさにイメージそのものな、ブルーブラックに塗られた560SEC AMGの動画です。


最近のメルセデスは、ブラック系でも光の角度によっていろいろな見え方がありますね。この時代のメルセデス(AMG)は、黒々としていて、凄みすら感じられます。

日本に生息する「アーマーゲー」なAMGも、海外に流出することなく、この国に留まりつづけてほしいものです。もちろん「エー・エム・ジー」の呼び名が定着した最近のモデルも…。

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AMG 500SL 6.0(R129)



AMG 300CE 6.0-4V HAMMER WIDE VERSION(C124)



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E60 AMG(W124)



R129のAMGコンプリートモデルがリリースされたあたりから、それまでのブルーブラックに代わり、シルバーやホワイトに塗られた個体が増えはじめます。

SL73 AMG(R129)



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AMG 500SL 6.0(R129)



AMGが、アーマーゲーからエーエムジーへと変わりゆく…



AMG社が創業したのは1967年。メルセデス・ベンツ社がある、ドイツ・シュトゥットガルトからおよそ15キロのところにあるアッファルターバッハという工業団地の一角にAMG社はありました。

このアーマーゲー…もといエーエムジー(AMG)の名前の由来ですが
A:Hans Werner Aufrecht(創業者)の、Aufrechtの頭文字「A」
M:Erhard Melcher(ビジネスパートナー)の、Melcherの頭文字「M」
G:Grossapach(Aufrechtの出身地)の頭文字「G」

に由来しています。AMG社は主にモータスポーツの世界で名を上げていきます。1971年のスパ・フランコルシャン24時間レースで優勝したAMG 300SEL 6.3 Race Car(W109)の存在を知っている方も多いのではないでしょうか。そのAMG社がメルセデス・ベンツ社の傘下となったのは1990年10月のことでした。いまから26年も前のことです。

当時、DTM(ドイツツーリングカー選手権)で活躍した190E 2.5-16エボリューションIIのレースカー、そしてホモロゲーション取得用のロードカーも、アッファルターバッハにあるAMGのファクトリーで生産されていたのです。

1990年といえば、前述のW126やW124、R129が現役モデルだった時代。日本でも、AMGといえば「ブルーブラック」を軸にダーク系のボディカラーを纏った、ちょっと怖いメルセデス・ベンツのイメージも少なからず持ち合わせていたように思います。日本独自の感覚かもしれませんが、いわゆる「アーマーゲーなメルセデス・ベンツ」といえば、(人によって多少解釈の差があるにせよ)この時代のクルマまで、ではないでしょうか?

そして、1993年にメルセデス・ベンツAGと共同開発したC36 AMGあたりから、雄々しさよりも洗練された感のあるモデルが増えつつあるように思えてなりません。このあたりから、メルセデス・ベンツ社の意向が取り入れられていったAMGとして、その姿や在り方を変えていったのかもしれません。


そして現代のモデルでかつてのアーマーゲーなAMGにもっとも近いイメージといえば、”ブラックシリーズ”でしょうか?

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メルセデス・ベンツ SLK 55 AMG ブラックシリーズ



メルセデス・ベンツ CLK63 AMG ブラックシリーズ



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メルセデス・ベンツ C63 AMG クーペ ブラックシリーズ



メルセデス・ベンツ SL65 AMG ブラックシリーズ



AMGは、2014年に「メルセデスAMG」と名を改め、これに準じて車名も変更されました。コンプリートモデルとAMGスポーツパッケージの中間に位置する「AMGスポーツ」というバリエーションも展開していくようです。

あくまで個人的な感想ですが、良くも悪くも毒気が抜け、すっかり垢抜けた感のある昨今のAMG。スペックではなく、そこに佇むだけで圧倒的な存在感を示すような、AMGコンプリートカーの登場を待ち望んでいるユーザーは筆者だけではないように感じるのです。

[ライター/江上透 画像出典/YouTube]

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