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コラム

更新2020.08.23

日本発リバティーウォークが生み出したフェラーリは、海外のセレブをも魅了する

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中野 ヒロシ

現在、日本のチューナーやショップが送り出したクルマが世界で大きな人気を得ているのはご存知だろうか?彼らに共通しているのは、日本独特なクルマ文化の中で生まれ、ワールドワイドな視点から見ても決してひけを取らない強烈な個性を持っていることだ。今回はその中でも特に勢いのあるショップを紹介したいと思う。

それは日本で誕生した、ランボルギーニやフェラーリのボディに惜しげもなくメスを入れ、リベット留めのフェンダーを装着したスタイルが世界で人気を博している。愛知県に本拠地を構えるLiberty Walk(以下、リバティーウォーク)だ。

その人気は海外のセレブをも魅了するほどで、第53回グラミー賞において最優秀新人賞と最優秀ポップボーカルアルバム賞にノミネートされた、ミュージシャンのジャスティン・ビーバーが自身の所有するフェラーリ458にエアロパーツを装着しているほどだ。社長である加藤 渉氏は、日本の「族車文化」に大きな影響を受けており、そのスタイルをハイパフォーマンスカーでも取り入れることでその名を轟かせている。

リバティーウォークが、日本において勢いのあるショップであることは、カレントライフの記事をご覧いただいている方はご存知でないかもしれない。同時に、常に話題を絶やさない加藤氏の人柄と、視覚的に刺激を与えるスタイルを提案していく姿をご紹介したいと思う。


出典:YouTube GTChannel

インタビューの動画でも語っているように、加藤社長は自身のルーツでもある、日産スカイラインに愛着と尊敬の念を抱いている。2015年のSEMAショーには、ビジネスにならないと承知で、ケンメリスカイラインを持ち込み、海外の人々にも自身のルーツや、リバティーウォークのヒストリーを感じてもらおうと活動している。

加藤氏が若いころに親しんでいた、日産スカイラインやローレルを改造した族車のスタイルが、フェラーリやランボルギーニのエアロのルーツとなっていることは、海外のユーザーにはどのように映るのだろうか。かつて、ライダースジャケットはアンダーグラウンドな印象が強く、一部の人間が身につけるものであった。しかし現在では、ファッションアイテムの一つとなっている。市民権を得たとまでは言わないものの、ファッションで起きたことが、自動車というまったく異なるジャンルで同じような現象が起きているのも興味深い。


出典:YouTube LB Performance


出典:YouTube A8C100


出典:YouTube LB Performance

このアグレッシブなリベット留めのフェンダーを身に纏ったランボルギーニ・アヴェンタドールが、海外でその存在を知られるようになったのは、2013年にイタリアで行われた、ランボルギーニ生誕50週年を祝うツアーに参加したことが大きな要因だろう。このツアーには、世界27カ国から350台ものランボルギーニが参加している。その中には、ド派手なピンクのラッピングが施された諸星伸一氏のディアブロ GTも参加していた。彼もまたこのイベントをきっかけに一躍その名を知られることとなった一人でもあるが、リバティーウォークが日本を飛び出し、世界にその名を知られることとなったのは、このような経緯があったからである。


出典:YouTube TheStradman

そして、この白いムルシエラゴは、現在ではプロドリフトドライバーの斎藤大吾選手のマシンへ変貌を遂げている。元々、リバティーウォークのユーザーのクルマであったこのムルシエラゴなのだが、オーナーはすでにこの世を去っている。「生前にこのクルマを好きに使って欲しい」という前オーナーの意志を受け継ぎ、それならばモータースポーツをもっと盛り上げたい、若者へ夢を与えたいという思いから、斎藤大吾選手へムルシエラゴを託したのだ。

そして、最近話題になっている映像はこちら。既にご覧になっている方もいるのではないだろうか。

出典:YouTube Monster Energy

また、加藤氏の人柄が表れているエピソードとして、2014年のSEMAショーで起きたハプニングが挙げられる。リバティーウォークが出展したフェラーリ 458が後続車に追突され、車体を破損してしまう。しかし、そのような状況でとった加藤氏の対応がとても印象的だ。


出典:YouTube ExtremeDrivingTV

破損してしまったフェラーリ458のウィングの価格は43万円。決して安い金額ではない。しかし加藤氏は、追突した相手を咎めることなく「バンザイ!!」と叫び、険悪になりかねない雰囲気を一瞬でその場の空気を変えてしまう加藤氏のエンターテイナー気質と寛大さも、大きな魅力の1つなのだろう。

日本から世界へ人気を拡大しているチューナやショップは他にも存在している。今回はリバティーウォークを紹介したが、日本人よりも海外のユーザーの方がこの種の変化に機敏に反応しているように感じてならない。元来クルマというものは、作り手の顔やそのストーリーが見えやすかったように思える。例えば、フェラーリといえばエンツォ フェラーリを思い浮かべるように…。現代のスーパーカーでいえば、パガーニやケーニグセグがそれにあたるのかもしれない。

やはり、クルマを所有したりドライブしたりすることで、作り手と共鳴し合える部分がダイレクトに感じられるというのは、そのメーカーや開発者、果てはチューナーやメカニックなどの生き様が感じられるもので欲しいと思うのは私だけであろうか。メーカーからラインオフしたクルマでは飽き足らず、より強烈に、より自分らしく、自分だけの「マシン」を望むのなら、リバティーウォークといったチューナーやショップの門を叩くという選択肢もありだろう。

次回も、日本で生まれ、世界中の熱心なエンスージアストやオーナーを魅了しているチューナーやショップを、その背景を交えつつ紹介したいと思う。

[ライター/中野ヒロシ]

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