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コラム

更新2016.08.19

歴史に名を残す1台、ラ・フェラーリは最後のV12スペチアーレなのか

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松村 透

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ラ・フェラーリ。

偶然、街中でラ・フェラーリを見掛けたことはありますか?もし見掛けたら、思わずクルマ好きの誰かに「ラ・フェラーリが走ってたぞ!」と報告してしまったり、その日がラッキーに思えてしまったら、もう充分に「ヘンタイ」の要素を持ち合わせているはずです。

これが最後のV12スペチアーレなのか。歴史に名を残す1台、ラ・フェラーリ

それはさておき、生まれながらにしてフェラーリのスペチアーレモデルとして誕生したラ・フェラーリ。それは人々の羨望と嫉妬の視線を一身に浴びながら走ることを運命づけられたクルマであり、選ばれし者のみがステアリングを握ることのできる特別なクルマです。



歴代のスペチアーレモデルとは異なり、ラ・フェラーリのデザインを手掛けたのはピニンファリーナではなく、自社で行ったもの。今後も内製化の傾向が強まるのでしょうか。

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事実上の先代モデルにあたるエンツォ・フェラーリとのボディサイズを比較すると、意外なことが分かります。

ラ・フェラーリ 全長×全幅×全高:4702mmx1992mmx1116mm
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エンツォ・フェラーリ 全長×全幅×全高:4702mmx2035x1147mm
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全長は同じですが、全幅は狭くなり、全高はより低められています。進化を重ねるたびに肥大化するモデルが多いなか、ラ・フェラーリはボディサイズを絞り込んできたのです。また、全高が低められたことにより、重心高もエンツォ・フェラーリと比較して35mm下げられます。なお、車重は1255kgと、数値上はまったく同一です。

F1と同じ素材が用いられたカーボン製モノコックボディは手作業で製作され、エンツォ・フェラーリよりも軽量化を実現しています。カーボンボディの重量は、ドアなども含めて100kgほど。ボディのねじれ剛性は20〜30%高められており、エンツォ・フェラーリが世に誕生した時代と比較して、格段の技術の進歩と、F1で培ったノウハウのフィードバックが市販車(とはいえ、あまりにも高額なモデルですが)に反映されています。

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これまでのスペチアーレモデルとは一線を画すのがハイブリッドモデルであることでしょう。6.3L V12エンジンはF12をベースとしており、ミッションは7速DCTで、駆動方式はFR。最高出力は、エンジン単体で800ps/9250rpm、最大トルクは700Nm/6750rpmを発揮します。これに「HY-KERS」と呼ばれるF1の「KERS」の技術を応用したハイブリッドシステムが組み合わされることで、963ps、最大トルクは900Nmという、途方もないパワーを発揮します。

これほどの強大なパワーを受け止めるにはそれなりの身支度が必要です。タイヤサイズは、フロントが265/30ZR19、リアが345/30ZR20となっています。ハイブリッドシステムと統合制御されるブレーキは、ブレンボ製458スペチアーレ用のものがおごられています。

室内は、歴代のスペチアーレモデルに準じた、アルカンターラとカーボンを多用したシンプルなもの。

かつてエンツォ・フェラーリが説いた「必要な数より1台少なく作れ」に則り、世界限定生産台数は499台。日本において正規輸入車を手に入れるには、相応の資格(いわばフェラーリの購入実績)がないと購入することすらできないことはよく知られています。いわゆるブラックカードのインビテーションのように、「所有するに相応しい」と判断されたロイヤルカスタマーのみがラ・フェラーリを購入する権利が得られる世界なのです。会社を興した方が、一夜にして大金を得て、まとめて数台のフェラーリ(D車)を購入したとしても、正規輸入車でなおかつ新車のラ・フェラーリを手にすることはできないでしょう。まさに「クルマがオーナーを選ぶ」のです。

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エンジンのダウンサイジング化、そしてハイブリッド化が進むなかで、V12エンジンを搭載したスペチアーレモデルはこれが最後となるのでしょうか。歴代のスペチアーレモデル同様、10年後、20年後に、ラ・フェラーリがどのような評価を得ているのか、いまから気になるところです。ちなみに、フェラーリF40は誕生してまもなく30年。ラ・フェラーリも、長きに渡り人々を魅了し続ける存在となるのでしょうか。

[カメラ/山田勇・江上透]
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松村 透

株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年...