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ドライブ

更新2023.11.22

午後の東京駅。最終の踊り子号が出た後で…伊東「一鰻」で食べるウナギにわさびを添えて

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中込 健太郎

東京駅から熱海、伊豆方面に走る特急列車「踊り子号」と「スーパービュー踊り子号」。陽光燦々と降り注ぐ湘南を抜けて海沿いを多く走るため、首都圏近郊から出る特急列車の中での眺望は最もいいと言ってもいいのではないでしょうか(まあ、サンライズ瀬戸は除いて)。



実は以前、ふらっとあの景色が観たくて、東京駅から踊り子に乗って出かけたことがあります。天気が良ければ、単なる移動以上の価値がある。本当はスーパービュー踊り子号の方がいいですが、踊り子号でも十分楽しめるのではないでしょうか。



そんな「踊り子号」および「スーパー踊り子号」、時刻表を見ると、比較的近距離の運転ながら、お昼前後までに出発する列車が最後、終わるのが早いことがわかります。現在では、もしかしたら新幹線で熱海経由が主流かもしれませんし、快速アクティだって在来線では随分速い。となると、その存在意義でもある素晴らしい眺望、それが観れなくなるような時間では意味がない。そう語り掛けるかのようなダイヤ組みになっています。


▲街のいたるところに七福神が。そのいずれにも温泉がわき出していて、お願いをしながら七福神に「お湯をかけてあげましょう」ということのようだ。特に女性の心をつかみそうな演出だが、この街を訪れる者を和やかな気持ちにさせる



そのため、すべての踊り子号が出てしまった後とはいってもそんな遅い時間ではないのですが、午後の遅い時間に出発して、伊豆方面にというのであれば、やはりクルマの出番ということになるのではないでしょうか。特に伊東あたりであれば、東京からも100キロ程度、そんなに血眼になって走らなくても、渋滞さえなければ2時間程度と、ドライブコースとしても頃合いの距離感。それがこのエリアの魅力と言っていいかもしれません。


▲シックな雰囲気で、この看板がなければバーではないか?と思わせる雰囲気さえ感じる

そんな伊東に、ちょっと前から気になっていたお店があります。うなぎの「一鰻」は、基本的にメニューはうな丼、蒲焼き、白焼き、肝焼きしかなく、そのほかに大将厳選の日本酒しかありません。ところでみなさんは、わさびはお好きですか?伊豆と言えばわさびも名物です。きれいな水がこんこんと湧き出ないとわさびは成立しません。それだけに、良い環境が整っている証だと言えるでしょう。

つんと来る辛みと香り、後味では甘みも伴ってのしびれる感じもある。いわば私たち日本人になじみ深いジャパニーズハーブの一つ。個人的には、これに加えてしょうゆベースの甘辛いたれの相性が抜群だと思っております。この一鰻さん、通常山椒を振って香りをつけるところを「わさび」を添えていただくスタイル。伊豆に来たなあと思わせる情趣を盛り上げる鰻屋さんなのです。




▲先付はこんな感じ。うっかり一本食べてしまった後の写真でご容赦いただきたいが、ウナギの骨せんべいは2本あった。浅漬けもたっぷり、そしていい塩梅だ。一番右側に、たっぷりとすり下ろされたばかりのわさびが供されることになっている

店内に入ると10席ほどのカウンターがあるばかり。整然として清潔感のあるオープンキッチンで、黙々と焼いてくれる鰻は、外はカリッとクリスピーな食感ながら、中はふわとろ。ものすごい肉厚の鰻が、純白にしてものをいう白い飯の上に鎮座しているのでございます!箸を口に運ぶたびに、幸せをかみしめている。そしてそんな素材にもこだわりを感じられる鰻に、件のわさびが、「幸せすぎていいのでしょうか?」と同義の旨味、脂の旨味をさわやかに演出するのです。こんな鰻はいつ以来だろうか?いや、今まで食べたことがあっただろうか。



踊り子でもクルマでもいいのですが、とにかく鰻が好きな方には、是非一度食べてほしい。そんな一鰻のうな丼。ちなみにこの日は素泊まりの宿を見つけたので「日本酒飲み比べ三種」を一緒にいただきました。お邪魔した日は香川、静岡、秋田のお酒が鰻の旨味をきれいに収めてくれました。



食後には近くでコーヒーを。伊東の周辺にはコーヒーにこだわったお店が多数あります。湯の花通りの備屋珈琲自家焙煎工房でブラック。醒めるし、ゆったりとしたひと時。







予約した宿は、「伊東園ホテル」。昔家族で訪れたことがありました。


▲最近では年中いつ泊まっても同じ料金、食べ放題飲み放題付きで温泉が楽しめるというスタイルで全国に水平展開している「伊東園ホテルグループ」

「もてなしに心酔する」とかいう宿を求めるなら薦めないが、家族や仲間で和気あいあい、ごろんとさせてほしくて放任で構わないというような宿であれば、十分すぎると思う。今回はその中の食事のない素泊まりプランを見つけたのでそれで泊まった。だいたい一鰻のうな丼と同じ程度で、酒が飲めるとなれば一考の余地はあるのではないか。しかしこれは当日などでは取れない場合もあるので要確認だ。だいぶ館内も増築や改築が繰り返されたようだが、幼いころに泊まったままの「エンゼル風呂」は今も当時の面影を残す。素直なお湯に浸りつつ当時の思い出にふける。






▲コーヒーを飲んで出てくると、向かいに、伊豆ではなく熊本の杉養蜂園さんのお店が。美しいお姉さんと目が合って蜂蜜の試食を勧められたので、一本購入することに(笑)植物ごとに香りや風味が少しずつ違い、濃厚ながらすっきりとした甘さが口の中に広がると、やがて体が温まってくるようだ。蜂蜜もまた奥が深い

こういうのを「至福」というのでしょうね。たまのお休み、ふらりと伊東へ満喫してみるというのも悪くはないとは思いませんか?

[ライター/画像 中込健太郎]

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