コラム 更新 2019.12.27 公開 2016.11.30

すでにネオクラシック化している「ホンダ S2000」の現代のクルマにない魅力

FR、超高回転型NAエンジン、高剛性ボディ。ホンダの高性能オープンスポーツとして1999年に登場したS2000は、日本車最強レベルのコーナリングマシンとして名を馳せ、2009年に生産を終了しています。なかでも初期型(AP1)※は「ネオ・クラシック」に分類されつつあります。(※AP1は初期・中期・後期に分かれる)
2019年、誕生20周年を迎えました。


▲ホンダ創立50周年記念車として発表され、ホンダ伝統のスポーツモデル「Sシリーズ」の系譜を受け継いでいます

カレントライフ読者の皆様、はじめまして。ライターの野鶴ともうします。相棒はホンダ S2000という日本車ですが、基本的に「人に愛されているクルマ」なら国内外・新旧問わず好きです。今回は筆者の愛車ということもあり、いちオーナーとしての視点からS2000の魅力をお伝えしてまいります。もしかするとカレントライフファンの皆様のなかにも、オーナー・元オーナーの方がいらっしゃるかもしれませんね。よろしくお願いいたします。

さて、S2000はこれまで幾つかの輸入車と比較されてきました。とくにポルシェ ボクスター(初代)やBMW Z3ロードスターなどと比較されることが多かった一方で、生い立ちやキャラクターはロータス ヨーロッパ Sを感じさせます。漫画「サーキットの狼」でもおなじみの車種でもある、初代ヨーロッパの後継モデルです。

ヨーロッパ Sはスポーツカーでありながら、エキシージやエリーゼとは違って実用性も兼ねます。ときにはストイックな一面ものぞかせて、ドライバーを魅了するクルマです。「良さはわかる人にわかればいい」的なキャラクターも、S2000に似ているかもしれません。そして量産車でありながら、量産車にはない「車格を超えた存在感」も醸し出しているのではないでしょうか。

エンジンの咆哮は、クルマが語りかけてくる感覚


S2000の魅力は、やはりエンジン。AP1初期型の2L直列4気筒DOHC VTECエンジン「F20C」は9,000回転という超高回転型で、カタログデータではNAながら250馬力を発生。排気量を2.2Lにアップしてモデルチェンジ後の「F22C」からは、レブリミットは8000回転に落とされたものの、トルクアップされたことで扱いやすさは向上。誕生から“深化”を遂げたエンジンでした。

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▲フロントミッドシップで、重量配分は理想的な50:50を実現

最近では、ホンダミュージックのことを「ンバァァァァァする」と表現するようですが、レッドゾーンまで上り詰めていくときの獣のような咆哮はまるで、心に語りかけてくるような感覚をおぼえます。

ちなみに搭載されるエンジン「F20C」は、オイル消費する個体が多いといわれてきました。シリンダーとピストンリングの間にできたスキマから、オイルがガソリンと一緒に燃焼してしまうのです。筆者のエンジン(2基目)も約800〜1000キロでオイルレベルゲージのLOWまで減るため、オイルを注ぎ足しながら乗っています。余談ですが駐車場でオイルの補充作業をしていると、通行人から「なんだか昔のクルマみたいだねぇ」と声をかけられたりします。日々のメンテナンスには気を遣いますが、こうしてふれあうことで深い愛着も生まれるのでしょう。

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▲「ンバァァァァァ!」の図

「幌車の世界」の虜になったのはオープンだったからこそ


S2000の魅力といえば、旋回性能やダイレクト感のある操作性、ボディ剛性の良さがまず語られるのですが、「リアルオープンスポーツ」と銘打っているように、オープンカーとしての魅力も大きいと思います。「ホンダ Sシリーズ」はオープンモデルが伝統で、S2000にはオープンボディの剛性を高めるためにホンダ独自の骨格「ハイXボーンフレーム構造」が採用されています。

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▲納車後まもなくオープンカーミーティングへ参加するも、初参加時はハードトップ装着。その後、ハードトップは物置へ封印

筆者は当初、S2000がオープンだから選んだわけではありませんでしたが「幌車の世界」の虜になったのはオープンカーだったからこそ。おかげで幌車オーナーの仲間も増えました。

個人的見解になりますが、幌をおろす状況はメンタルに比例すると思っています。仕事前の緊張感に包まれているときや気持ちが沈んだ日はクローズ。仕事終わりの充実感を味わったり良いことがあった日は、オープンにしたくなりませんか?

S2000はオーナー同士の結びつきが強い


さて、S2000にただようストイックさに刺激されると、クルマから離れた日常においても、凜とした生き方をしたくなります。「孤高のオーナー」を気取りたくなるというか(笑)。


▲S2000オーナーの友人からいただいた品々。シフトノブ(NSX-R純正品)はS2000を降りた友人から。「エス」への想いを綴った手紙とともに愛車に装着していたものを手渡してくれました

S2000は「造り手の想いにシンパシーを感じて乗っているオーナー」が非常に多いと感じています。造り手と乗り手の結びつきが強いクルマであり、開発責任者・開発陣・製造技術者の想いがクルマを通して伝わり、オーナーたちは受け取り、深めていくのでしょう。

開発陣にシンパシーを感じているだけに、オーナー同士の結びつきも強いと感じています。知らないオーナー同士がすれ違う際に軽く挨拶を交わす「スバルサイン」ならぬ「エスニサイン」もあるとか。筆者は知らないS2000とすれ違うときに挨拶を交わすことがよくあります。

また、ビジネスシーンで初対面だった二人がS2000オーナーとわかった途端に打ち解けて、仕事はもちろんプライベートでもよいお付き合いをしているという話も実際に聞きました。さらにはオーナー同士で結婚したという夫婦まで。S2000は『唯一無二であり孤高の存在』ではありますが、人との縁や絆を深める1台ではないでしょうか。

不思議な縁をくれるクルマでもある


筆者のS2000ですが、中古車で手に入れて2019年で13年が経ちました。ボディカラーは「グランプリホワイト」。アイボリーではなくパールも入っていない、無垢なホワイトです。走行距離は29万キロを超えました。

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▲「シロ」と呼んでいます

S2000との出会いは二十歳の頃。TVゲーム「グランツーリスモ2」のオープニングムービーで疾走するS2000を見たことがきっかけでした。今までにないかっこよさと、フロントマスクになんともいえない可愛らしさを感じました。それから7年間も想い続けながら、関連書籍やミニカーを収集してモチベーションを維持していたのです。

そして2006年1月に、いよいよ購入を決意。知人経由で中古車店を紹介してもらったところ、その日のうちに売り物の連絡が入りました。「ちょうどAP1を手放そうとしているお客さんがいるんです。初期型で、白のハードトップ付き。おまけに赤内装でフルノーマルの極上車」だそうです。このタイミングの良さに驚きました。

その個体についてさらに詳しく聞くと、当時の通勤路沿いに建つお宅に、ずっと置いてあった個体でした。じつは筆者、わざと遠回りをしてそこで眼福を授かって通勤していたのです。そのお宅の住人が偶然にも中古車店の顧客で、ちょうど乗り換えのために下取りに出そうとしていたというのです。羨望のまなざしを注いでいた個体が、筆者のもとにやってきました。

ホンダ S2000は、このさき手の届かない存在に?


筆者が購入したS2000(中古)の価格は2006年当時210万円でした(鬼の4年ローンで完済)。最近ではAP1初期型の中古も、過走行気味ながらもこなれた価格で見かけるようになりました。若いオーナーも多く見ます。もともとコアな層(とくに車趣味がベテランの大人)が好むクルマでしたが、中古車となったことで魅力にふれる世代の幅が広がったのでしょう。「この若さでS2000を手にできるのか」と若干嫉妬もしますが、いちファンとして感慨深いです。

ところがいま、S2000の中古相場は高騰しています。理由のひとつとして、流通の少なかった最終モデル「TYPE-S」の人気が挙げられます。なかには新車価格を上回る500万円の個体も存在するそうです。

加えて海外の日本車人気に後押しされ、S2000も人気車種のひとつとして、国外へどんどん流出しているという話も耳にしました。もしかすると近い将来、手の届かない存在となってしまうかもしれません。

古くなっても現代のクルマにはない魅力がある


そういえばこんなことがありました。ある日、駐車していた筆者の「エス」を男性二人組が覗き込んでこう言いました。「S2000も古くなったなあ」と。遠まきにその様子を見ていた筆者は、当然カチンときました。思わず駆けよって抗議したい気持ちにかられましたが、そこを抑えつつ考えてみました。

たしかに20年近くの車齢を重ねた古いクルマです。ミレニアムの到来を思わせるセンセーショナルな登場だったため、古さが際立ってしまうのはしかたのないことなのです。

さりとて、古典的スポーツカーの基本を守りながら、当時のホンダの技術を注ぎ込んだ渾身の1台です。前述の男性二人組も、もしかするとそれをわかっていて愛着を感じたからこそ言ったのかも……いえ、そう考えることにします。

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▲「乗り手を選ぶ」と聞いて結構マジメに乗ってきたつもりですが、ここ最近は良い意味で力を抜いて楽しめている気がします

現代の日本車にはない魅力を持ち、時間を経て存在を深めていく1台となってほしいホンダ S2000。筆者と「エス」との旅もまだまだ続きます。

[ライター・画像/野鶴美和]

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