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更新2023.11.22

クルマがあるなら旅をしてみませんか?回鍋肉が食べたくて千葉の喜楽飯店へ

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中込 健太郎

キャベツはおいしいですね。シャキシャキっとしていて、甘みがあって。それらが際立つのが回鍋肉。豚肉とキャベツのみそ炒めです。味噌と豚肉、豚肉とキャベツというのもなかなかの名コンビ。年がら年中結構いただくメニューです。それでも、冒頭に書いたキャベツ、あの触感、爽やかな風味、鼻を抜ける香りはひと際誘われるものでして、この時期はとくに楽しみにしているメニューとして、普段以上に食べる機会が多くなるメニューでもあるのです。

千葉の喜楽飯店の回鍋肉




そんなこともあって、最近食べた回鍋肉について書いておこうと思います。一軒目は千葉県久留里線久留里駅前の喜楽飯店の豚キャベです。試乗かねがね、たーっとアクアラインを渡って帰ってくるというのをした時に、距離も我が家から80キロくらいとちょうどよく、昼時に差し掛かるというので、大好きなこちらに立ち寄ることにしました。別に高級な中華料理店であるとか、ことさら歴史のあるお店ということでもありません。最近ではシャッター街になったアーケード、ショッピングセンターの類。それほど珍しいことではありませんね。ここも、都心から一番近いローカル線といってもいいかもしれません。久留里線の久留里の駅前にある、さびれたショッピングセンターの一軒だけ妙に生協に商いをされているお店です。



昼時になるとどこからともなく人がたくさん集まってきて、あっという間に席は満席。お店の外で待つ人も現れるほどです。



ちょうどタイミングよく入ることができた筆者。茄子の炒めたのなんかも人気ですが、まだ少し早かった模様。すぐに戻らねばならないというのもあったので、今回は迷わず回鍋肉にしました。でも思うのです。回鍋肉でキャベツを楽しむなら、名店とか、あまり凝ったお店で食べるより、こういう街中の中華料理店みたいなところで食べるのがいいと思うのです。

こういうお店はある程度の人気はそのお店を見ればわかります。味などはそれで判断すればいいのです。そうすればそんなにひどいお店には当たらないでしょう。そんなに火入れに時間をかけない中華料理ですと、色も鮮やかになっていたりして。そそられる食欲の赴くままに、遠慮せずごはんと一緒に口に運べば、食べるものの口にも幸福が訪れる。そういうものではないでしょうか。







行った時間にはオーダー待ちがあったものの、ほどなくして運ばれてきた回鍋肉。一気に目が覚めるような、食欲に火をつける様な美味しさに満ち満ちています。アツアツのうちにまずは一番上のキャベツから。そして豚肉とキャベツと豚肉と。互いのいいところが脂にも溶け出し、白いご飯がまとめ上げます。もぐもぐと噛めばその飯の甘みが次のキャベツか豚肉か、回鍋肉の続きを呼ぶというもの。

変だ、今来たばかりなのに、これから食べようと思っていたのに、いつの間にか私の前のさらは平らげられている!これは苦情言わねばならないか…というくらいあっという間に目の前の豚肉とキャベツのみそ炒めライスはきれいに食べつくされているのです。我ながらびっくりだ。加速するとはこのこと。味噌と、甘みと辛味もありますが、ニンニクのアクセントが心憎い。決して高い山はないが、遠くなだらかな房総の山々の山中の小さな駅前で出会った男飯。魚もいいが、こういうのも外さない。千葉の懐の深さとでもいうべきか。都内、横浜あたりからも一時間少々。ランチにちょっと走ってみませんか?









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生田にある中華料理店「小紅楼」さんのオススメメニュー


で、先日、この久留里の一件、ならぬ一軒からもそう時間はたっていないのですが、またまた食べたくなった回鍋肉。実は近所のラーメン屋さんの回鍋肉が無性に食べたくなり、数日前にこちらにも食べに行ってきました。集客、とかいろいろ言いますが、ドミナント戦略、以前に、暗黙裡にその地域に一軒だけあり、味もおいしく、さらにその地域の人たちの郷愁や、原体験。懐かしさと同値の味覚的記憶に入り込んでいるお店、皆さんの近所にもあるのではないでしょうか。

商売というのは本来こういう存在のお店こそ安定的に存続できなくてはならない。そんな風に常々思っているものですが、日本一だ、とか、皆さんの知っているお店より圧倒的に旨いとか、申し上げる気は毛頭ございません。しかし、僕には懐かしく、この替りに別のお店、となってはとても寂しい。そういうお店が、小田急線生田駅から少しにしみた団地の方に上がっていったところにある中華料理店「小紅楼」さんです。



「豚キャベライス」と頼むと、セットメニューには半ラーメンが付いてくるのです。具はわかめともやしと、そんなものですが、小さなラーメンはこの店のラーメンの味も楽しめてお得。鶏のスープでしょうか、さっぱりと甘みを帯びた後味と、コクがあるがあっさりとして。面は縮れていて、もっちりと。ああ、懐かしい。そううっかり口をついて出てしまいそうなラーメンです。それと回鍋肉、それにしたって、みそと、豆板醤の塩梅なんかも、そうそうこれこれ。比率が絶妙なのです。

人はこういう味に昔を振り返り、時に感傷的になったり、そして明日への活力をもらったりします。感覚に意味づけられること。時にはツライことがあっても、素敵なことだとは思いませんか?ついつい間がさして、キャベツとニラ多めの自家製焼き餃子も、宇都宮か浜松かというきな臭いご当地餃子の言い争いには加わらない、もっと厳密にいえば「加わらせてたまるか!」という特別枠の懐かしい味。楽しい時が経つのは早いもので、あっという間に春を味噌で痛めた豚キャベライスは、私の前から姿を消したのでした。









クルマに乗るということはこういう旅をすること。もっと身近にとらえることではないでしょうか。「春なのにお別れですか」という歌詞。「なのに」というフレーズ妙に引っ張られませんか?あの「なのに」で申し上げたい。

クルマがあるのに、それでいいのでしょうか。遠くの忘れられない味に触れに行けばいいではありませんか。そして羅懐かしくなるかもしれない。次に懲りずに懐かしい味も堪能するのです。クルマがたどれるのは風景の美しい道だけではないと思うのです。生い立ちであり、もう引き返せない時間だってたどることはできると思うのです。悔いる暇があれば、愛車のカギを取るべきだとおもうのです。

キャベツは青々としてシャキシャキとみずみずしく、甘やかですよ。ぜひ皆さんもお気に入りの回鍋肉をご賞味くだされ。

久留里「喜楽飯店」(食べログ)
https://tabelog.com/chiba/A1206/A120603/12012396/

生田「小紅楼」(食べログ)
https://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140506/14016404/

[ライター・画像/中込健太郎]

※当記事は過去公開した記事の再編集版です

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