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ドイツ現地レポ

更新2023.11.22

Hナンバーが誇らしげなプジョー504カブリオレ

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中込 健太郎

珍しいクルマに乗ってみたいな。そんな希望を少なからず持っている人はいるかもしれません。クルマは個性を表現する道具。そういう側面もありますから、無理もないでしょう。

しかし、そんな風潮はきっと日本に限ったことではないのでしょう。

最近、世界的に旧車、クラシックカーの相場が高騰しています。円安も手伝って、日本にあるかなり程度のいいクルマが多数海外に流出しています。寂しいようですが、欲しい人の元に行くのがクルマにとってもある意味では幸せなのかも。是非海外でも大事にしてもらって、いつかどこかで再び再会できればいいな。そんな風に思うこともしばしばです。

しかし、特に日本においては、年式で著しく台数の少ないクルマというのも存在するのです。これには、実は排ガス規制が少なからず関与しているのです。ドイツから洒落たプジョーの写真が送られてきましたが、このクルマも実はそんな一台と言っていいかもしれません。

プジョー504。1968年に発表になったフランスの中型乗用車。セダンからワゴン、ピニンファリーナが手がけたクーペなどボディのバリエーションも豊富。この写真のカブリオレはクーペをベースに作られたクルマで、ベースのセダンの倍の金額で販売されたそうですから、かなりの高級車といえるでしょう。

Hナンバーが誇らしげなプジョー504カブリオレ@ドイツ現地レポ

最終的に1980年代まで生産された、域の長いベストセラーですが、このクルマは日本では滅多に見られない1台と言っていいでしょう。実は日本では、1974年までに生産されたクルマは排ガス検査を免除されているのですが、それ以降のクルマは排ガス検査を受け合格しないと、日本に輸入してもナンバーをつけることができないのです。厳密には1975年4月以降に初度登録されたクルマですが、これを取得するには多額の費用がかかります。場合によっては車両の価格の何倍もの金額になることも少なくありません。

しかし、この1970年代という年式は、旧車としてみるとそんなに古いわけでもなく、いわば「安く手に入るなら乗ってみるのも面白い」という感覚のクルマが多いのです。それにそんなに高額な検査対策費用をかけてまで乗るに値するだろうか、ということになるのでしょう。

ですから、この504はすでに日本に輸入されて名義変更だけで乗れるクルマならいいのですが、このカブリオレのように、もともと日本にはあまりないクルマを新たに海外から輸入しようとすると、ちょっと思惑を外れた予算が必要になる場合も少なくないと言えるでしょう。この504の年式はわからないのですが、日本に持ってきて日本で乗ってみたいな、という人は1974年以前のモデルであることを祈っているに違いありません。

Hナンバーが誇らしげなプジョー504カブリオレ@ドイツ現地レポ

ドイツのHナンバーがついていますので、なかなか市場に出回らないでしょうし、日本国内以上にカブリオレの価値が評価されるヨーロッパでは、このクルマかなり高価ではないでしょうか。

…と、こうしたことを思いながら少し古いクルマを見るというのは無粋なようでもありますが、しかしついつい妄想してしまうものですね。素敵なクルマはできる限り残していきたいものですね。

[ライター/CL編集部・中込健太郎 カメラ/ドイツ駐在員]

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