更新2024.02.20
温効ガス排出を40年までに90%削減、欧州委が新たな中間目標提案
外車王SOKEN編集部
欧州委員会は6日、欧州連合(EU)域内の温室効果ガス排出量を2040年までに1990年比で90%削減することを提案した。これまでは50年までに排出を実質ゼロとし、中間点となる30年には90年比55%削減するという目標を掲げていた。新たに野心的な中間目標を設定することで、官民による脱炭素化に向けた取り組みを促す。
欧州委は30年の目標達成に向けた施策に基づき、再生可能エネルギー、電気自動車(EV)の活用を拡大することなどで、40年の目標を達成したい考えだ。
その一環として同日には、二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)の促進に関する政策文書を発表。これまでは回収・貯留能力を30年までに年5,000万トン以上に引き上げる方針を示していたが、40年までに同2億8,000万トンに増強することが必要としている。
一方、農業分野の排出削減に関しては、草案では窒素、メタンなどCO2以外の温室効果ガス排出を40年までに15年比で30%削減することを求める文言が盛り込まれていたが、最終案からは削除された。EUの環境規制に反発する農家による抗議デモが激化していることを考慮した格好だ。
欧州委の提案はEU加盟国、欧州議会の承認が必要。6月に欧州議会選が実施され、新たな欧州委員会が発足することから、協議は新体制に委ねられる。
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