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ドイツピックス

更新2017.04.10

車内でタクシードライバーとお悩み相談?ドイツで賛否両論、厳格キリスト教信者による「巡礼タクシー」とは

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NAO

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ドイツ南西部フライブルクには、ドイツでは初となる「巡礼タクシー」が存在します。ドライバーのディックマン氏は、厳格なキリスト信者。彼のメルセデス・タクシーの中には、聖書や十字架、そしてマリアの絵があり、聖地巡礼に必要なアイテムが全て揃っているのです。



ディックマン氏は幼少期から長い間、修道院で過ごしてきました。今でも、毎日1時間を祈りの時間に捧げており、体が不自由で定期的に通院しなければならない客には無料で病院まで送り届けることもあります。カトリックの精神は彼の仕事にも反映されているのです。

しかし、それだけでは彼の生業が成り立たないので、このタクシーならではのサービスとして、カトリック聖地巡礼プランがあります。フライブルク、コブレンツ、パリ、リジュー、ルルド、サンティアゴ・デ・コンポステーラなどの聖地を巡る遠征プランが、彼の一番の収入源となっているそうです。

このカトリック聖地巡礼プランの利用者はキリスト信者が多く、乗車中に彼らの悩みなどを聞くだけでなく、ディックマン氏がキリストの教えを基にアドバイスをしてくれます。彼の優しく落ち着いた声音で聞く話に、乗車後の客からは「まさに心が洗われた気持ちだ!」と評判も良いようです。

ディックマン氏は「他宗教の客を乗せるのも問題ありませんよ」と強調しますが、彼の考えに対して世間の声は賛否両論なようです。一度、同性愛者の客が同性愛についてどう考えているか尋ねたところ、「同性愛は治せる病気だ」と答えたことで客が激怒し、すぐに降車したという話もあります。

この巡礼タクシー、宣教目的ではなく、教会側も金銭的援助等はしていません。最近ドイツでは、若者を中心に無宗教も増えてきており、ディックマン氏のような厳格で熱心なキリスト教徒が少なくなってきている現状があります。

彼のビジネスアイデアは非常に興味深いですが、多人種多文化になりつつあるドイツではなかなかリスクのある仕事かもしれません。

出典・参照元:http://www.spiegel.de

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