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コラム

更新2017.09.28

ジャガーEタイプ用V12エンジンを心臓部に持つ、デイムラー・ダブルシックス

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松村 透

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デイムラー・ダブルシックスが最終モデルとなってから早22年が経ちました。このデイムラー・ダブルシックスが誕生したのは1972年。つまり、生産されていた期間よりも長い時間が過ぎ去ってしまったことになります。

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デイムラー・ダブルシックスは、1989年にアメリカ・フォード社が買収したことによってその歴史に幕を降ろしたといっても過言ではないように思います。手作りの箇所が多いデイムラー・ダブルシックスは、工芸品的な佇まいを持ちながら、同時に生産性の低さもフォード社によって指摘されたのです。

ジャガーEタイプ用V12エンジンを心臓部に持つ、デイムラー・ダブルシックス

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この1990年代前半は自動車にとって過渡期だったのでしょうか。ポルシェやメルセデス・ベンツもこれまでの生産体制を脱却し、効率を重視しています。これは後に、熱狂的な空冷ポルシェ信者やオールドメルセデスファンを生み出す要因のひとつにも挙げられます。

一見すると大柄なボディに映るデイムラー・ダブルシックスですが、5メートル近い全長はともかく、1800mmを切る全幅に驚かされます。現行VWゴルフの方が数値上は幅広い(1800mm)のです。意外なほどコンパクトです。

デイムラー・ダブルシックス 全長×全幅×全高:4960x1770x1375(mm)
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一方、現行のジャガーXJのボディサイズはというと…

ジャガーXJ ポートフォリオ 全長×全幅×全高:5135×1900×1455(mm)

やはり大型化していることが分かります。ボディサイズは大型化しつつも、車重は軽量化しています。

●デイムラー・ダブルシックスの車両重量:1910(kg)
●ジャガーXJ ポートフォリオの車両重量:1890(kg)

エンジンは、ジャガーEタイプ譲りの255psを発生する5.3L V12 SOHC。これに3速ATが組み合わされます。ガソリンタンクの容量は90L。片側45Lずつのタンクが積まれているタイプです。最小回転半径が6.1mという点も、現代の感覚からすれば小回りが効かない印象ですが、このクルマのオーナーであればそのあたりも許容範囲なのでしょう。

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1993年に生産終了したデイムラー・ダブルシックスは、フォード社の息の掛かった新生ジャガーが世に送り出されます。通称、X300型と呼ばれるモデルです。これまでの雰囲気を残しつつ、5.3L V12 SOHCエンジンが搭載されました。

デイムラー・ダブルシックス 全長×全幅×全高:5025×1800×1360(mm)

オーナーインタビューでも、1993年モデルの最終型を所有するオーナーさんを取材したことがあります。現代の刺々しいエンジンスタート音は皆無で、すべての動きや音が滑らかで角が丸い印象でした。

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ジャガーXJ6とデイムラー・ダブルシックスを乗り継ぎ、現在の愛車にたどり着いたというオーナーさん。新しいジャガーの方が壊れないし、維持も楽だと知りながらも、若いころに出会った原体験が忘れられないようでした。

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