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よもやま話

更新2023.11.22

走行5000キロを刻むのは君だ!?奇跡のフィアット126に乗る

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中込 健太郎

少しあいてしまいましたが、先日こんなクルマに乗りました。フィアット126です。ヌオーバ500のクラスのクルマで、実はこのクルマはポーランド製。排気量とサイズの関係で、少数が持ち込まれた際「軽自動車」で登録されました。今回は江戸川区にある小さなクルマをメインに、クルマとクルマの楽しさを提案し続けているピッコロ・カーズ(https://www.facebook.com/piccolocars)の竹門(たけもん)代表のご厚意で、4000キロを過ぎたばかりの距離の薄いフィアット126と、3日間ほど生活をともにすることができました。その時の感想を少し記そうと思います。

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とにかく小さい!

全長3054ミリ、全幅1378ミリのこのフィアット126は、もしかすると私が乗ったクルマの中でもっとも小さい部類かも知れません。その中に大人が4名乗れる空間を捻出ししています。全長こそスマートよりも長いですが、それでも4シーターを確保していることも考えると、個人的に乗った「最も小さなクルマ」というレッテルは偽りではないと思います。小さい、そして何もない、加えて非力、ながら、すべてが小規模ながら何一つ不満に思うことがないのは、およそ600キログラムという、現代の常識からすると奇跡を通り越して「異常値に近い」軽量な車重も大きく影響しているかもしれません。

4速マニュアルは停止時にシュコシュコっとダブルクラッチで最初の1速のみノンシンクロなギヤーをつなぎます。空冷の直列2気筒OHVはシンプルながら粘りがあって、低速からのトルクもたっぷり。実は非力ながらそんなに遅くはないのにささやかながら驚きを覚えました。最近思うのがパワーウェイトレシオとか、1トンあたり何馬力か、とか参考指標はいろいろありますが、「1トンあたりの1シリンダーの容量」がけっこうだいじなんじゃないかと思い始めたりしています。シリンダーの容量はトルクと密接に関係していますし、このクルマはその限りではないですが、少ないシリンダー数でも制振性能も高いクルマは多いですので、そうなると、ダウンサイジングさせたときに簡単な手法としてシリンダー数を少なくするというのはなるほどありなんだなと思うのです。このクルマも車重が600キロに対して300ccほどあるシリンダーの大きさ。この規模だとゆとりがあるのかもしれませんね。(詳しい関係性については今後も注意して体系立てていければと思うのですが・・・)これは最新のツインエアなどの手法に通じるものも感じました。むしろ、たぶんこういう知見(数値的のみならず官能的なさじ加減としても)があったことが、むしろあのツインエアを産んだことは間違いないとは思いますが。

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ものすごい「速度感」

ものすごい速度感は目の覚めるものがありました。あくまで速度感であって、速度ではないところが重大なポイントではあるのですが。言い換えれば「30km/hの質」が高いクルマだと言えるかもしれません。「ぱたぱた・びーん」と、昔のオートバイのような音がします。振動だって盛大です。エアコンはないので、窓を開けることになりますが、5月の夜風、こんなに気持ちよかったのだと改めて感じることになるでしょう。そういった挙動の一つ一つから感じ取れる躍動感は、今時のクルマのいかなるモデルよりも、体感できることでしょう。移動する実感とも言えるかもしれません。100馬力単位の上乗せをする前に、「その10馬力を噛み締めろ!」そうこのクルマは星空の元謳い上げるようです。杉並の住宅地の「停まれ」連発の路地。こんなへんてこりんなマニュアルのクルマだと億劫・・・という最初の予感とは裏腹に、いちいち丁寧にぴたっと停まって、すっと進む。今時の大きなパワーのクルマのAT車よりもよほど丁寧に一時停止したくなりました。しかし、かといってさっさとお家に帰りたいと思うより、世が開けるまで走っていたいと思わせるのは、流石フィアットと言わねばならないでしょう。フィアットって、あのライバルよりもすこしでも速く!とかはあまり指標としてないかもしれません。しかし、例えば120キロまでの速度域では十分に快適(加減速の自在性、振動の入力に対するいなし方が作り出す乗り心地、コスト感を主張するものではないが安価にして秀逸なシートは必須、というような事柄)と言う点ではかなり妥協しないメーカーなのではないか。そう思ったのです。いわゆるスポーティという表現かもしれませんが、打てば響くのです。ツーと言えばカーなのです。そういう「返し」が心地いい。フィアットのそういうところに膝をたたきたくなるのですが、このクルマもそういう点は強く感じました。

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そしてRRの正義を体感。

このフィアット126は、RR(リアエンジン・リアドライブ)のレイアウトです。今でも頑に守っているのはポルシェ911、あたらしいスマート/ルノートゥインゴなどはこの方式ですが、主流はFF(フロントエンジン・フロントドライブ)ではないかと思います。前にエンジンを駆動し、前輪で駆動。舵取りもその前輪で行うという方式です。しかし、このRRのシンプルなクルマに乗ると「FFは欲張りすぎなのでは」という感覚が芽生えてきました。クルマを前に進めるに際し後輪を駆動させると、じわりとした後輪駆動独特のマイルドな挙動があります。しかし、RRですとFF同様、ドライブシャフトを介さないので、エンジンのレスポンスに対してそのマイルドさを体感するまでの立ち上がりに「腰が軽い」印象もあるのです。そして、これが最大の特徴かもしれませんが、FFでは舵取りも同じ駆動輪で行うのに対し、駆動系とは分業しているため、鼻先の軽さは顕著に感じることができるのです。ここの「駆動輪に任せる仕事を欲張りすぎない」ところがこんな昔のプリミティブなベーシックカーにあっても、ささやかな贅沢になっているのだなあという感触を掴んだような気がします。そして、こんなのアシグルマにしてみたいなあとすら感じました。

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こんなクルマでもハイオクです。しかし財布に優しい!

ハイオク指定か・・・と最初は思いました。しかし、ご心配なく、旧弊なメカニズムにもかかわらず、そんなに燃費も悪くない印象です。その上、警告灯がついてから給油しても15L入らないのです。ガソリンタンクが壊れているのかと思いました(笑い)。ハイオクを入れても2,000円程度。割と経済的です。これで300キロほどはしりましたでしょうか。まあ使い方にも寄りますが。

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ひげのマークを見ていたらそばが食べたくなった!

フィアットのこのマークも懐かしいですね。「FIAT」の文字をデザイン化してますね。少し前のフィアットにのってのどかで乾いたエンジン音を聞いていたらそばが食べたくなったので、深川辺りで深夜にゆで太郎!粋とはこういうことを言うのだなと思った次第です。

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5月31日はカーフェスに展示されます!

3日間は蜜月の一時と言ってよいでしょう。余裕があれば欲しいほど。そんなクルマでした。この126、今週末、イオンモール木更津で開催される「第1回カーフェスinイオンモール木更津」に展示されることになっています。かなり少数が輸入され、なかでもこのような個体はもはやないかと思います。もし一度見てみたい!という方は是非イオンモール木更津にお立ち寄りください。

▼カーフェスのFacebookページ
https://www.facebook.com/events/1487887524831510/1612004349086493/

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