
コラム
更新2020.08.22
2015年日本国内新規登録台数が過去最高を記録した、FIATの「CSV」とは
まつばらあつし
今回はイタ車の話をしよう。
「痛い」方じゃなくて「イタリア」の方のクルマの話ね。
さて、昨年2015年はイタリアの自動車メーカー「FIAT」にとって、ちょっとだけ大きなニュースがあった。それは「FIAT」車の日本国内新規登録台数が過去最高の「6,032台」を記録したからだ。年間約6,000台というのは、同社の主力である「500」が結構ヨク売れたから達成できた数字だと言われている。

とはいえ、年間通して約6,000台っていうのは、日本国内全体を見れば正直「微々たる存在」である。国産車と比較をしてみると、2016年の「新車乗用車販売台数月間ランキング 1月」の売上台数は、1位がトヨタ・プリウスの21,036台。(ええと、コレは「月間」の売り上げですからね「月間」・日本自動車販売協会連合会調べ)
「FIAT」車の年間売り上げに相当する数字をみてみると、1番近いのが7位のトヨタ・ヴォクシーの6.699台か、7位の日産・セレナの5.738台。ちなみに両者とも2016年1月の「月間」売り上げの数字(←しつこい)ということをお忘れなく。
すなわち、国産車の売り上げ7位〜8位のクルマがひと月で売る台数を、FIATは1年間かけて売っているわけだ。これを「多い」と思うのか「少ない」と感じるかはヒトそれぞれだろうけど、まあ、それだけ販売規模に差がある、と言うことを頭に入れておいてから、さてコレからが本題。
上記のように正直この国ではそれほど販売規模が大きいわけではない「FIAT」だが、その「FIAT」がこの国で「share with FIAT」を合言葉にした社会貢献活動、すなわち「CSV活動」に取り組んでいることはご存知だろうか?
「CSV活動」=CSV(Creating Shared Value)とは「社会と共有できる価値を創造する」ことを意味している。「社会にとっての価値と企業にとっての価値を両立させ、企業の事業活動を通じて社会的な課題を解決していくことを目指す考え方」を元にした活動のことである。
従来は「CSR」(=Corporate Social Responsibility、企業の社会的責任)の一部として捉えられることが多かった。企業色を弱めて、もっと「一緒になんかやってこうぜ」的な、いいことを共有するイメージで考えればいいのかもしれない。
例えば5年前の東日本大震災の時に、FIATはかなり速い段階より復興支援のクリック募金を開始したり、NGOやNPO、それにFIAT車のユーザーと共にサポートを続けたりしている。2015年度には南三陸町の「生きがいサポートセンター」の設立支援や、「ふくしまオーガニックコットン ボランティアパス2015」の支援と、FIATのスタッフによるボランティア参加など、様々な活動支援を、地道ながら行っているのだ。
もちろん、国産メーカーも、また他のメーカーも様々な支援や資金援助、資材や機材のサポートなどを行っており、それぞれ大きな成果が出ていることは読者の皆さんもご存知のことと思う。で、くどいようだが「FIAT」車の「年間」の売上台数が約6000台。先ほど紹介したようにこの台数は国産車で言えば売り上げ台数7位から8位相当の「月間」の販売台数に過ぎない。でも、こうして、延々と支援活動を続け、資金もクラウドファンディングで調達しながらも続けてゆくイタリアの自動車メーカーがあり、それが確実に成果を挙げている、と言うことを我々は忘れてはいけないんじゃないかと思う。繰り返すが国内外どのメーカーも規模は違えど、様々な支援活動をしている。そんな中でも「FIAT」の取り組みかたは、目立たないけれども、とても大事な「何か」を我々日本人に伝えてくれているんじゃないかと思っている。クルマのサイズと同じように、小さいけれどなんか楽しくてスゲエよというマインドと言うか。
FIATのWebページを尋ねて、そこにある「share with FIAT」のちいさなバナーをクリックしてみれば、たぶん色々な発見があると思う。自動車メーカーは単にクルマと言うマシーンを売るだけが仕事ではないということを、ストレートに教えてくれるような気がする。そしてその気持ちは、売っているクルマの中にも現れているんじゃないかなって思うのだ。まあ、そんな精神論的なのは馬鹿しいかもしれないけど、なんとなく、ね。
▼参考リンク
share with FIAT
share with FIAT による年間活動のスケジュールと詳細
SHARE YOUR HEART(アルファロメオ・クライスラー・フィアット・ジープ・アバルト・5社による社会貢献プロジェクトのサイト)
参考:トヨタのCSV活動「アクア ソーシャル フェス」
参考:日産のCSR活動「猫バンバン」
[ライター/まつばらあつし]
「痛い」方じゃなくて「イタリア」の方のクルマの話ね。
さて、昨年2015年はイタリアの自動車メーカー「FIAT」にとって、ちょっとだけ大きなニュースがあった。それは「FIAT」車の日本国内新規登録台数が過去最高の「6,032台」を記録したからだ。年間約6,000台というのは、同社の主力である「500」が結構ヨク売れたから達成できた数字だと言われている。

とはいえ、年間通して約6,000台っていうのは、日本国内全体を見れば正直「微々たる存在」である。国産車と比較をしてみると、2016年の「新車乗用車販売台数月間ランキング 1月」の売上台数は、1位がトヨタ・プリウスの21,036台。(ええと、コレは「月間」の売り上げですからね「月間」・日本自動車販売協会連合会調べ)
「FIAT」車の年間売り上げに相当する数字をみてみると、1番近いのが7位のトヨタ・ヴォクシーの6.699台か、7位の日産・セレナの5.738台。ちなみに両者とも2016年1月の「月間」売り上げの数字(←しつこい)ということをお忘れなく。
すなわち、国産車の売り上げ7位〜8位のクルマがひと月で売る台数を、FIATは1年間かけて売っているわけだ。これを「多い」と思うのか「少ない」と感じるかはヒトそれぞれだろうけど、まあ、それだけ販売規模に差がある、と言うことを頭に入れておいてから、さてコレからが本題。
上記のように正直この国ではそれほど販売規模が大きいわけではない「FIAT」だが、その「FIAT」がこの国で「share with FIAT」を合言葉にした社会貢献活動、すなわち「CSV活動」に取り組んでいることはご存知だろうか?
「CSV活動」=CSV(Creating Shared Value)とは「社会と共有できる価値を創造する」ことを意味している。「社会にとっての価値と企業にとっての価値を両立させ、企業の事業活動を通じて社会的な課題を解決していくことを目指す考え方」を元にした活動のことである。
従来は「CSR」(=Corporate Social Responsibility、企業の社会的責任)の一部として捉えられることが多かった。企業色を弱めて、もっと「一緒になんかやってこうぜ」的な、いいことを共有するイメージで考えればいいのかもしれない。
例えば5年前の東日本大震災の時に、FIATはかなり速い段階より復興支援のクリック募金を開始したり、NGOやNPO、それにFIAT車のユーザーと共にサポートを続けたりしている。2015年度には南三陸町の「生きがいサポートセンター」の設立支援や、「ふくしまオーガニックコットン ボランティアパス2015」の支援と、FIATのスタッフによるボランティア参加など、様々な活動支援を、地道ながら行っているのだ。
もちろん、国産メーカーも、また他のメーカーも様々な支援や資金援助、資材や機材のサポートなどを行っており、それぞれ大きな成果が出ていることは読者の皆さんもご存知のことと思う。で、くどいようだが「FIAT」車の「年間」の売上台数が約6000台。先ほど紹介したようにこの台数は国産車で言えば売り上げ台数7位から8位相当の「月間」の販売台数に過ぎない。でも、こうして、延々と支援活動を続け、資金もクラウドファンディングで調達しながらも続けてゆくイタリアの自動車メーカーがあり、それが確実に成果を挙げている、と言うことを我々は忘れてはいけないんじゃないかと思う。繰り返すが国内外どのメーカーも規模は違えど、様々な支援活動をしている。そんな中でも「FIAT」の取り組みかたは、目立たないけれども、とても大事な「何か」を我々日本人に伝えてくれているんじゃないかと思っている。クルマのサイズと同じように、小さいけれどなんか楽しくてスゲエよというマインドと言うか。
FIATのWebページを尋ねて、そこにある「share with FIAT」のちいさなバナーをクリックしてみれば、たぶん色々な発見があると思う。自動車メーカーは単にクルマと言うマシーンを売るだけが仕事ではないということを、ストレートに教えてくれるような気がする。そしてその気持ちは、売っているクルマの中にも現れているんじゃないかなって思うのだ。まあ、そんな精神論的なのは馬鹿しいかもしれないけど、なんとなく、ね。
▼参考リンク
share with FIAT
share with FIAT による年間活動のスケジュールと詳細
SHARE YOUR HEART(アルファロメオ・クライスラー・フィアット・ジープ・アバルト・5社による社会貢献プロジェクトのサイト)
参考:トヨタのCSV活動「アクア ソーシャル フェス」
参考:日産のCSR活動「猫バンバン」
[ライター/まつばらあつし]