更新2023.12.19
英・EU間のEV輸出入、課税が3年先送りへ
外車王SOKEN編集部
欧州委員会は6日、欧州連合(EU)を離脱した英国とEUの間で輸出入される電気自動車(EV)に関税を課す時期を3年先送りし、2027年1月1日とすることを提案した。24年から関税が課されることになっていたが、自動車業界の要請に応じ、26年末まで免除する。
英国とEUが締結した離脱協定で定められた通商ルールでは、EVをEUが英国、英国がEUに輸出する場合、EUまたは英国製の部品の使用率がEV本体で45%、バッテリーセルとバッテリーパックで50~60%以上でなければ、24年から10%の関税が課されることになっていた。
欧州に拠点を置く自動車メーカーの業界団体である欧州自動車工業会(ACEA)は9月、特にバッテリーはEU域内で生産体制が十分に確立されていないため、24年までに同条件を満たすのは「事実上不可能」として、課税開始を27年まで遅らせることを求める声明を発表。
課税が予定通り開始されると、EUのメーカーは3年間で総額43億ユーロの関税負担が生じ、EV生産台数が約48万台減少するとの見通しを示していた。
欧州委はロシアによるウクライナへの軍事侵攻、新型コロナウイルス感染拡大によるEV用電池のサプライチェーン確立が想定より遅れているという理由で、課税の3年先送りを認めた。
欧州委の提案はEU加盟国と英政府の承認が必要となるが、どちらも支持しており、延期が確実となった。
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