
ドイツ現地レポ
更新2016.05.22
ドイツに日本のお寺!? 欧州最大の仏教寺院「惠光寺」とは

NAO


かといって日本人以外お断り!というわけではなくドイツ人や色々な国の人が日本人街に訪れますし、元々トルコ・ギリシャ系の移民が多く流れてきた街なので、多文化交流が盛んで国際的な印象を受けます。その中でもデュッセルドルフ名所となっているのが「惠光寺」と呼ばれる日本仏教寺院。この寺院を含むドイツ惠光日本文化センターは仏教伝道だけではなく、他宗教との交流も行うまさに国際的な活動もしています。今回は惠光寺とその中にある日本庭園をご紹介します。
日本だけではなくすべての仏教も受け入れる

惠光寺含む惠光日本文化センターは1988年、財団法人仏教伝道協会および株式会社ミツトヨの創始者 故沼田惠範氏により設立されました。2900坪の広さを持つ欧州では最大の仏教寺院です。日本からの僧侶2名が在籍している浄土真宗本願寺派の惠光寺ですが、日本仏教だけではなくすべての仏教において開かれた寺院として存在しています。どの宗派にも関わらず参拝できるよう、阿弥陀堂・釈迦堂を備えており、法要や仏前結婚式もとり行われます。他宗派の仏教団体、キリスト教会とシンポジウムも行っており、すべての仏教や宗教との交流を通して日本の伝統文化や儀式を伝え、日本とヨーロッパの豊かな関係を築き上げています。
日本の美しさを目で見る「日本庭園」

そして惠光寺での見どころが日本庭園。入口の山門は株式会社ツムラ二代目社長である津村重舎氏によって1995年に寄贈され、阿弥陀仏が医王であったことから「医王門」と名前が付きました。
医王門をくぐり目の前に広がるのは草木や石を使って極楽浄土を表現した「浄土庭園」。いかに日本の宗教と庭園が深く関係しているか感じられます。秋には紅葉が庭園を彩り、お茶会や庭園祭が行われ、季節ごとに違う顔を見ることができ、日本が持つ美しさをドイツで味わうことができます。
ドイツで認められた惠光寺と仏教

ドイツはキリスト教文化。宗教と政治のつながりも強く、今月は宗教関連の祝日がとても多い月です。現在ドイツでは、イスラム系難民の増加でムスリム寺院や礼拝堂の建設に関して激しい反発が出ており、長期間の議論が行われています。キリスト教色が濃いドイツで、異宗教を受け入れるというというのは大変難しいことです。その中でも、自ら異宗教を理解、尊敬しあいながら仏教伝道の場をドイツに開いた惠光寺は宗教における世界平和の手本と言っても過言ではないかもしれません。そして日本人が多く暮らすデュッセルドルフで日本の伝統行事や文化のルーツは仏教にあるということ、「日本」という国を改めて再認識できるこの寺院は非常に大切な存在なのでしょう。
▼ドイツ惠光日本文化センター 公式サイト
http://www.eko-haus.de/ja/